下痢の合併症に注意しましょう
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
下痢(げり)は、便(うんち)がゆるくなり、トイレに行く回数が増える状態です。多くの場合は数日でよくなりますが、ひどくなると体から水分や塩分が失われ、脱水症などの合併症を起こすことがあります。
重要な事実
- 下痢で最も注意すべきなのは脱水症です。
- 乳幼児・高齢者は脱水になりやすいため、早めの対処が必要です。
- 水分と塩分を適切に補い、休養すれば多くは自然によくなります。
はい、ごくありふれた症状です。一生のうちで何度も経験する人がほとんどです。
すべての年代で起こりますが、特に小さな子ども、高齢者、免疫力が低下している人で重症化しやすくなります。
症状
- 次の症状がある場合は、ためらわずに119番で救急に連絡してください
- 意識がもうろうとしている
- 呼びかけに反応が鈍い・応答がない
- けいれんを起こした
- 便に大量の血が混ざっている
- 黒くてタールのような便が出る
- 激しい腹痛が続いている
- おう吐が止まらず水分を口にできない
- ⚠下痢が3日以上続く(乳幼児は24時間以上続く場合)
- ⚠便に血や粘液が混じる
- ⚠38度以上の熱がある
- ⚠乳幼児・高齢者で脱水のサインがある
- ⚠妊娠中に下痢が続く
- ⚠慢性疾患(糖尿病・腎臓病など)があり、下痢が続く
一般的な症状
- 水のようなゆるい便が何度も出る
- おなかが痛む(腹痛)
- 吐き気やおう吐
- おなかがゴロゴロする
- 熱が出る
- 食欲がない
子供の症状
- 泣いても涙が出ない
- おしっこの量が少ない
- 唇や口の中が乾いている
- 元気がない・ぐったりしている
- 目が落ちくぼむ
- 肌の弾力がなくなる
高齢者の症状
- 立ちくらみがする
- おしっこの量が減る
- 口の渇きを感じにくくなる
- 皮膚が乾燥して弾力がなくなる
- 意識がぼんやりする
- 脈が速くなる
原因
主な原因
- ウイルスや細菌による感染(胃腸炎・食中毒など)
- 食べ物の腐敗や衛生状態の悪い飲み水
- 薬の副作用(抗生物質など)
- 食べ過ぎ・飲み過ぎ・冷たいものの取り過ぎ
- 強いストレスや不安
- 食物アレルギー
- 過敏性腸症候群や炎症性腸疾患などの腸の病気
リスク要因
- 乳幼児・高齢者
- 免疫力が低下している人
- 糖尿病・腎臓病などの持病がある人
- 海外旅行に出かける人
- 保育園・高齢者施設などの集団生活の場にいる人
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 乳幼児(特に生後6か月未満)で下痢が続く
- 高齢者で脱水のサインがある
- 血便・発熱・激しい腹痛がある
- 妊娠中に下痢が続く
定期受診を予約すべき場合:
- 下痢が1週間以上続く
- 慢性的に下痢を繰り返す
- 体重が減ってきた
- 強い腹痛が続く
- 腸の病気を指摘されたことがある
診断
医師が症状の経過や食事・渡航歴などを詳しく聞き、おなかを診察します。必要に応じて、下痢の原因を調べるためにいくつかの検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 問診(いつから、何回、どんな便か、食事内容など)
- 腹部の診察(痛みがある場所を確認)
- 便の検査(血が混じっていないか、細菌やウイルスがないか)
- 血液検査(脱水の程度や炎症の有無をチェック)
- 内視鏡検査(長く続く場合に腸の内部を見る)
診察で予想されること
検査の内容は症状に応じて選ばれます。便を少量取る検査は簡単で、痛みはほとんどありません。内視鏡検査が必要な場合は、当日の準備について事前に説明があります。不安な点は遠慮なく医師や看護師に伝えてください。
治療
下痢の治療で最も大切なのは、失われた水分と塩分を補って脱水を防ぐことです。原因が感染症の場合は、体の免疫力が働いて自然に治ることが多いため、無理に薬で止めずに経過を見ます。
自宅でのセルフケア
- 経口補水液や薄い塩味のスープを、少しずつ何度も飲む
- 消化のよい食べ物(おかゆ・うどん・柔らかく煮た野菜)を少量から食べる
- 冷たい飲み物・脂っこい物・香辛料の強い物を避ける
- 下痢の間はカフェイン(コーヒー・緑茶・紅茶)やアルコールを避ける
- 排便後はしっかり手を洗い、感染の広がりを防ぐ
医療治療
細菌感染が疑われる場合は抗菌薬が使われることがあります。また、腸の動きを整え下痢の回数を減らす薬や、腸内環境を整える薬が処方されることもあります。どの薬を使うかは原因や症状・年齢によって異なるため、医師が適切に判断します。自己判断で市販薬を使う前に、医師や薬剤師へ相談しましょう。
手術が検討される場合
通常の急性下痢では手術は必要ありません。ただし、まれに腸閉塞・虫垂炎・炎症性腸疾患の合併症など、手術が必要な病気が原因の場合があります。この場合は、おなかの状態を診て外科的な治療が検討されます。
この病気と共に生きる
下痢が続くとからだが消耗します。無理に動かず、横になって休みましょう。トイレの行きやすい環境を整え、外出時は予備の下着や着替えを持って出かけると安心です。
生活習慣のアドバイス
- 1日7〜8時間の睡眠をとり、疲れをためない
- ストレスを感じたら深呼吸や軽いストレッチでリラックス
- トイレの後や食事前は石けんと流水で手を洗う
- 下痢の間は湯船に長く浸からず、シャワーで済ませる
- 便の回数・状態・腹痛をメモに残す
食事と運動
下痢がおさまるまでは激しい運動は避け、軽い散歩程度にとどめましょう。食事はおかゆ、バナナ、すりおろしたリンゴ、白身魚など消化のよいものから始め、回復に合わせて普通の食事に戻します。食べた後の症状の変化を観察すると、自分に合う食べものがわかります。
精神的健康と心の健康
下痢が長引くと、外出への不安や人前での強い緊張を感じるなど、心にも影響が出ることがあります。特に慢性的な下痢では気持ちの負担が大きくなるため、つらいときは家族や友人に話し、一人で抱え込まないようにしましょう。
予防
完全に予防するのは難しいですが、手洗いの徹底、食品の十分な加熱、調理器具の衛生管理を心がけることで、感染性の下痢はかなり防げます。海外では生水や氷を避けるなどの工夫も大切です。
ワクチン
乳幼児のウイルス性胃腸炎の代表的な原因であるロタウイルスには、ワクチンがあります。日本では定期接種(予防接種法に基づく接種)の対象です。接種時期や回数について、かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
健康診断などで下痢に関する特別な検査はありませんが、持病がある人や健診で病気を指摘された人は、定期的に医療機関で診察を受け、体調の変化を伝えることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 脱水症(めまい、立ちくらみ、倦怠感など)
- 電解質異常(体内の塩分・カリウムのバランスが崩れる)
- 腎臓の血流不足による腎障害
- 栄養障害(栄養が吸収されず体重減少)
- 血便(消化管からの出血)
- 小児では低血糖やけいれん
長期的な見通し
多くの下痢は、適切な水分と塩分補給、休養によって数日から1週間ほどで改善します。乳幼児・高齢者・持病のある方は、早めに医療機関へ相談することで合併症をしっかり防げます。原因があきらかで、治療につながれば、ほとんどの場合安心して回復を待てます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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