ジフテリアの基礎知識
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ジフテリアは、のどや鼻などの粘膜に感染する細菌(ジフテリア菌)によって起こる感染症です。のどに灰白色の膜ができて呼吸が苦しくなったり、心臓や神経に障害が起こることがあります。現在はワクチンで予防できる病気ですが、まれに重症化することがあるため、早めの治療が大切です。
重要な事実
- ワクチンで予防できる病気です。
- のどにできた膜が気道をふさぐと、呼吸が苦しくなることがあります。
- 治療には、毒素の働きを抑える薬と感染を抑える薬(抗菌薬)が使われます。
日本では、乳幼児へのワクチン接種が広く行われたため、患者数は非常に少なくなりました。ただし、世界の一部の地域では今も発生が報告されており、流行地への渡航などで感染する可能性があります。
年齢を問わずかかる可能性がありますが、特にワクチン接種が十分でない子どもに多いとされています。大人でも、免疫力が低下している場合やワクチン接種から長い年月が経っている場合には感染することがあります。
症状
- 呼吸が苦しい、息ができない
- のどがふさがった感じがする
- 意識がもうろうとする
- 胸の強い痛みや激しい動悸が続く
- 顔色が青白い、唇が紫色になる
- ⚠高熱が続く
- ⚠のどの激しい痛みがある
- ⚠のどに白い膜がみえる
- ⚠首のリンパ節が大きく腫れている
- ⚠せきや声がれが悪化している
一般的な症状
- のどの痛み
- のどに灰白色の膜ができる
- 首のリンパ節がはれる
子供の症状
- 呼吸が苦しくなる
- 犬がほえるようなせきが出ることがある
- のどの膜が広がって気道をふさぎやすい
- 元気がなくなり、ぐったりする
高齢者の症状
- のどの症状より、心臓や神経の合併症が目立つことがある
- 動悸や胸の痛みを感じることがある
- 全身のしびれや力が入らない(神経の症状)が出ることがある
- 皮膚に潰瘍ができる「皮膚ジフテリア」のことがある
原因
主な原因
- ジフテリア菌がのどや鼻の粘膜に感染して起こります。
- 感染者のせきやくしゃみで飛び散る細菌を吸い込むことでうつります(飛沫感染)。
- まれに、皮膚の傷口から感染することもあります。
リスク要因
- ワクチン接種を受けていない、または接種歴が不明
- ジフテリアの流行地域への渡航
- 免疫力が低下している(高齢、基礎疾患など)
- 衛生状態の整っていない環境で生活している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- のどに灰白色の膜がみえる
- のどが痛くて飲み込みにくい、息苦しい
- 高熱が続く
- 周りの人にジフテリアの患者がいる場合は、症状が軽くてもすぐに受診する
定期受診を予約すべき場合:
- のどの痛みや発熱が2日以上続く
- 予防接種を十分に受けていない
- 流行地域から帰国後、のどの症状や発熱がある
診断
医師がのどや鼻の中を診察し、分泌液を採取して細菌の有無を調べる検査を行います。症状や流行状況から総合的に判断されます。
行われる可能性のある検査
- のどや鼻の粘液を採取する培養検査
- PCR検査(細菌の遺伝子を調べる検査)
- 血液検査
診察で予想されること
診察と問診を受けたあと、細菌検査のためにのどや鼻の粘膜をぬぐう検査が行われます。結果がわかるまでに数日かかることがあります。強い症状がある場合は、結果を待たずに入院して治療を始めることもあります。
治療
ジフテリアの治療は、細菌が作り出す毒素の働きを抑える薬と、細菌そのものを抑える抗菌薬を医師が処方して行います。呼吸や心臓の状態に合わせて、集中治療が行われることもあります。
自宅でのセルフケア
- 安静にして十分に休む
- 水分をこまめに取る
- のどに負担をかけないために、刺激のある食べ物や飲み物を避ける
- 家族にうつさないようにマスクを着用し、手洗いを徹底する
医療治療
治療は医療機関で行われ、抗毒素血清(毒素の働きを抑える薬)と抗菌薬を組み合わせて使用します。症状によっては、気道を確保する処置や、心臓の合併症に対する治療が必要です。薬の種類や使い方は医師が状態に合わせて決めるため、自己判断で止めたり、他の薬を使ったりしてはいけません。
手術が検討される場合
手術が必要になることはまれですが、のどにできた膜が気道を完全にふさぎ、呼吸ができなくなった場合は、人工呼吸器をつなぐなどの緊急処置が必要です。
この病気と共に生きる
治療後も、心臓や神経に後遺症がないかを確認するために、定期的に医師の診察を受けることが大切です。診察の間隔や期間は医師の指示に従ってください。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休養をとる
- バランスの良い食事を心がける
- ストレスをため込まないようにする
- 手洗いやうがいなど、基本的な感染対策を続ける
食事と運動
完全に回復するまでは激しい運動を避け、のどに負担がかからないようにします。水分を多めに取り、のどを潤してください。食事は、のどごしの良い柔らかいものを選ぶとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
入院が長引いたり、症状が重かったりすると、不安やストレスを感じることがあります。そんなときは、家族や友人に話したり、医師や看護師に相談して安心できる方法を見つけることが大切です。
予防
はい、ワクチン接種が最も効果的な予防法です。日本では、乳幼児期に定期接種としてジフテリアを含むワクチンが行われています。大人でも、追加の接種が推奨されることがあります。
ワクチン
ジフテリアはワクチンで予防できます。日本の予防接種スケジュールに沿って、かかりつけ医やお住まいの自治体にご相談ください。
検診プログラム
定期の検査は特にありませんが、ジフテリアの流行地域への渡航を予定している場合は、事前に抗体検査や追加接種について医師に相談するとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- のどの膜が気道をふさいで窒息する
- 心筋炎(心臓の筋肉に炎症が起こる)による心不全
- 手足のまひやしびれなどの神経障害
- 腎臓の障害
長期的な見通し
早期に適切な治療を受ければ、ほとんどの人が回復します。たとえ重症でも、集中治療によって治る可能性は十分にあります。ワクチンで予防できる病気ですので、正しい知識を持ち、日頃の予防を大切にしてください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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