心臓と血管の病気の診断後にあらわれるむくみ(浮腫)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
むくみ(浮腫)とは、体の組織に余分な水分がたまって、皮膚の下がはれたように見える状態です。心臓や血管の病気では、血液の流れが弱くなったり、静脈の流れに問題があったりして、水分が重力で下にたまりやすくなります。病気の治療がうまくいっていても、体の状態によってはむくみがあらわれることがあります。
重要な事実
- 心臓や血管の病気の治療中・治療後にも、むくみがあらわれることがあります。
- 多くは足や足首、すねに起こりますが、お腹や背中などにたまることもあります。
- 急に悪化する場合や呼吸の苦しさを伴う場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。
はい、心臓や血管の病気を抱える方では、むくみはよくみられる症状のひとつです。特に、心臓のポンプの働きが弱くなる心不全では、むくみは重要なサインとされています。
心臓や血管の病気と診断された方なら、年齢や性別を問わず起こりえます。高齢の方や、心臓の手術後、塩分の多い食事を続けている方などは特に注意が必要です。
症状
- 突然の息苦しさや呼吸困難がある
- 横になると咳や呼吸の苦しさが強くなる
- 胸の強い痛みや圧迫感がある
- 意識がもうろうとする、反応が弱い
- ⚠むくみが急に悪化した、または急に体重が増えた
- ⚠むくみに伴って、発熱、赤み、痛みがある
- ⚠片方の足だけが急にはれて痛む
- ⚠尿の量が極端に減った
一般的な症状
- 足首や足、すねがはれて、指で押すとへこんで戻りにくい
- 靴や靴下がきつくなる
- 体重が急に増える(1週間で2キロ以上など)
- 指輪や腕時計がきつく感じる
- 夕方になるとむくみが強くなる
- 尿の量が減る
子供の症状
- まぶたや顔がはれる
- おなかが張ってくる
- 体重が急に増える
- おしっこの量が減る
高齢者の症状
- 足や足首のむくみ
- 体がだるい、動きがゆっくりになる
- 食欲が落ちる
- お腹の張りや背中のむくみ
原因
主な原因
- 心臓のポンプの働きが弱まり(心不全)、血液の流れが滞る
- 静脈の弁の働きが弱く、血液が逆流して足にたまる(静脈不全)
- 血管の中の圧力が高くなり、水分が血管の外にしみだす
- 腎臓の働きの低下により、体に水分と塩分がたまる
- 薬の副作用として起こることがある(心当たりがあれば医師に相談しましょう)
リスク要因
- 心不全の診断歴がある
- 高血圧や糖尿病、腎臓病がある
- 塩分の多い食事をしている
- 長時間座ったままや立ちっぱなしでいる
- 妊娠中である
- 高齢である
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- むくみが急に悪化している
- 息苦しさや胸の痛みがある
- 意識がもうろうとする
- 尿がほとんど出ない
- これらの症状がある場合は、ためらわずに119番に電話してください。
定期受診を予約すべき場合:
- むくみが続く、または悪化する
- 体重が増え続ける
- むくみの場所が広がる
- 日常生活に支障がある
- かかりつけ医への定期受診が近い場合
診断
医師は、お話を聞いたり(問診)、体を診察したりして、むくみの原因を調べます。必要に応じて、心臓の働きや血管の状態を詳しく調べるための検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(腎臓や肝臓の働き、栄養状態を調べます)
- 心電図(心臓のリズムや負担を調べます)
- 心臓エコー(心臓の動きや弁の状態を調べる超音波検査)
- 胸部レントゲン(心臓の大きさや肺に水がたまっていないかを調べます)
- 下肢のエコー(足の静脈に血栓がないか調べることもあります)
診察で予想されること
検査は痛みを伴わないものがほとんどです。検査結果をもとに、医師から今後の治療や生活での注意点が説明されます。心配なことは、その場で遠慮なく質問しましょう。
治療
むくみの治療は、原因となる病気の管理が中心です。心臓や血管の病気であれば、心臓への負担を減らす治療を行いながら、体の中の余分な水分を減らすことを目指します。薬は医師があなたの状態に合わせて処方します。必ず指示どおりに服用してください。
自宅でのセルフケア
- 足を心臓より高い位置に上げて休む(クッションなどを足の下に置く)
- 長時間同じ姿勢を避け、こまめに足を動かす
- 弾性ストッキング(着圧ソックス)を医師の指導のもとで使う
- 塩分の多い食事を控える
- 体重を毎日決まった時間に測る
- むくんだ部分を優しくマッサージする(ただし痛い場合はやめる)
医療治療
医療機関では、原因となる病気に対して治療を行います。心臓や血管の病気では、薬で心臓の働きを助けたり、血管を広げたり、体にたまった水分を尿として排出しやすくする治療が行われます。治療には、医師があなたの状態に合わせて最適な方法を選びます。症状が強く心臓への負担が大きい場合は、入院して点滴による治療や、酸素療法などが行われることもあります。
手術が検討される場合
むくみそのものが手術の適応になることはまれですが、むくみの原因となる心臓や血管の病気(例:弁の異常や血管のつまり)によっては、手術やカテーテル治療が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
むくみは、生活の中で気をつけることで和らげることができます。毎日、決まった時間に体重を測り、むくみの状態を記録しましょう。医師から指示がある場合を除き、水分を制限しすぎる必要はありません。気になる症状があれば、我慢せずに医療機関に相談してください。
生活習慣のアドバイス
- 毎日決まった時間に体重を測る
- 足を高くして休む時間をつくる
- 適度に体を動かす(医師の許可を得てから)
- 禁煙し、アルコールは控えめにする
- 規則正しい睡眠を心がける
食事と運動
塩分のとりすぎはむくみを悪化させます。1日6g未満を目標に、減塩を心がけましょう。加工食品や外食には塩分が多いものもあります。運動は、ウォーキングなどの軽い有酸素運動がおすすめですが、心臓への負担を避けるため、必ず医師に相談してから始めてください。
精神的健康と心の健康
むくみが続くと、見た目が気になったり、体の不調を感じて不安になったりすることがあります。体の変化に戸惑うのは自然なことです。一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に気持ちを話しましょう。つらい気持ちが続く場合は、心の専門家に相談することも良い方法です。
予防
むくみそのものを完全に防ぐことはできませんが、原因となる病気の治療をきちんと続け、生活習慣に気をつけることで、むくみの悪化を防ぎ、和らげることができます。特に、塩分を控えることと、体重の変化に敏感でいることが大切です。
合併症
治療しない場合
- むくみが悪化して、皮膚が張って痛む
- 水分が肺にたまり、息苦しくなる(心不全の悪化)
- 腎臓の働きがさらに低下する
- 皮膚の弱った部分から感染症を起こす
- 足の静脈に血栓ができ、それが肺に詰まる(肺塞栓症)
長期的な見通し
むくみは、原因となる病気と向き合いながら、適切な治療と生活管理を続けることで、多くの場合コントロールできます。心臓や血管の病気は怖いイメージがあるかもしれませんが、現代の医療では、病気とうまく付き合いながら穏やかな日常を送る方がたくさんいらっしゃいます。医師とよく相談しながら、自分に合った方法を見つけていきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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