妊娠中のむくみ(浮腫)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
妊娠中に体に余分な水分がたまって、足や指などがぽってりとむくむことを「むくみ(浮腫)」といいます。多くの場合、妊娠による自然な変化として起こりますが、まれに注意が必要なサインの場合もあります。
重要な事実
- 妊娠中のむくみは珍しくなく、多くの妊婦さんにみられます。
- 足や手足のむくみは、晩ごろや夕方に強くなることが多いです。
- 急に現れる強いむくみや頭痛・視野の異常は、すぐに受診が必要なサインです。
とてもよくある症状で、特に妊娠後期(7か月以降)に多くの妊婦さんが経験します。
妊娠中の女性に起こります。初めての妊娠でも、経産婦でも同様に起こり得ます。
症状
- 以下の症状が急に現れたら、すぐに119番に電話してください。
- 突然起こった強いむくみ
- ひどい頭痛
- 視界がぼやける、チカチカ見える
- 息苦しさ
- 胸の痛み
- 右上腹部に強い痛みがある
- けいれん
- ⚠顔や手が急にむくんで、だるさや頭痛もある
- ⚠1週間で1kg以上体重が急に増えた
- ⚠むくみが片足だけ急に強くなり、ふくらはぎが痛む
- ⚠むくみが朝まで引かず、どんどんひどくなる
一般的な症状
- 足・足首・すねがむくむ
- 指や手がむくみ、指輪がきつくなる
- 顔がはれぼったい感じがする
- むくんだ場所を指で押すと、くぼみがしばらく残ることがある
- 靴や靴下の跡がつきやすい
子供の症状
- 10代で妊娠した場合も、成人と同じようにむくみが起こることがあります。症状が気になるときは、産科で相談してください。
高齢者の症状
- 高齢で妊娠した場合も症状は同じですが、高血圧や糖尿病などの持病がある場合は、むくみの原因が別にある可能性もあるため、特に注意が必要です。
原因
主な原因
- 妊娠で血液や体液の量が増えるため
- 大きくなった子宮が脚の静脈を圧迫して、血液が戻りにくくなるため
- 妊娠によるホルモンの変化で、水分や塩分が体内にたまりやすくなるため
リスク要因
- 妊娠後期である
- 夏場や気温の高い時期
- 長時間立ちっぱなし・座りっぱなし
- 塩分の多い食事
- 妊娠高血圧症候群になりやすい体質
- 双子などの多胎妊娠
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急にむくみが強くなった
- 頭痛・目のちらつき・息苦しさがある
- 嘔吐や腹部の痛みを伴う
- 胎動がいつもより少ないと感じる場合も、すぐに相談してください
定期受診を予約すべき場合:
- むくみが気になる場合の受診・相談は、通常の妊婦健診の際でよいです。
- 市販のむくみグッズを使う前に、一度助産師や医師に相談しましょう。
診断
妊婦健診の医師が、むくみの程度を確認し、血圧・尿の検査結果とあわせて総合的に診断します。
行われる可能性のある検査
- 血圧測定
- 尿検査(たんぱく尿の有無)
- 体重測定
- 血液検査(必要に応じて)
- 超音波検査(血流のチェックなど、必要に応じて)
診察で予想されること
健診のたびに血圧や尿の検査を行うので、妊婦さんに負担はありません。むくみだけではすぐに特別な検査が増えることは多くありません。
治療
多くの妊娠性むくみは治療の必要がありません。ただし妊娠高血圧症候群など、別の病気が原因の場合はその治療が優先されます。
自宅でのセルフケア
- 足を高くして休む(寝るときにはクッションを入れる)
- 左側を下にして休む(大静脈の圧迫を減らす)
- 長時間の立ちっぱなし・座りっぱなしを避ける
- ゆったりした靴やマタニティ用の靴下を選ぶ
- 適度に歩く、かかとの上げ下げなどで血流を促す
- 塩分を控えめにする
- 水分をこまめにとる(減らさない)
医療治療
妊娠高血圧症候群などが原因の場合は、安静(入院することもあります)、塩分制限、妊娠中に安全な降圧薬などによる治療が行われます。使用できる薬は限られているため、必ず医師の指示に従いましょう。市販薬を自分で使ってはいけません。
手術が検討される場合
むくみそのものに対して手術は行いません。まれに、深部静脈血栓症の合併が疑われる場合に、詳しい検査や専門的な治療が行われます。
この病気と共に生きる
むくみは妊娠中は続きやすいですが、日々の過ごし方で楽になることがあります。足を休める時間を意識して、ゆったりした服や靴で過ごしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 夕方になったら足を少し高くして休む
- 入浴はぬるめのお湯にして、長湯しない
- 靴下やストッキングは締めつけのないものを選ぶ
- 十分な睡眠をとる
- 喫煙はしない(血栓の予防にもなります)
食事と運動
塩分のとりすぎに注意し、バランスのいい食事を心がけましょう。散歩やマタニティヨガなど、医師に許可された範囲で適度に体を動かすことも血流をよくします。
精神的健康と心の健康
見た目の変化で気分が沈むこともありますが、妊婦さんならではの自然な変化と理解し、ひとりで抱え込まないでください。不安なときは助産師や医師に相談すると安心できます。
予防
妊娠中のむくみを完全に防ぐことはできませんが、塩分を控えめにする、長時間同じ姿勢で過ごさない、足を高くして休むなどの工夫で、つらい症状をやわらげることができます。
検診プログラム
妊婦健診では、毎回血圧と尿検査を行うことで、妊娠高血圧症候群を早期に発見する手がかりにしています。必ず定期健診を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 妊娠高血圧症候群(母体と赤ちゃんの状態に影響することがある)
- 深部静脈血栓症(脚の静脈に血のかたまりができる)
- 肺塞栓症(血のかたまりが肺に詰まる、とても危険な状態)
長期的な見通し
妊娠後期のむくみは、出産後1~2週間で自然に消えることがほとんどです。むくみがあっても、健診をきちんと受け、気になる症状を我慢せずに伝えていれば、母子ともに安全な経過をたどる可能性が高いです。無理せず、医師や助産師と一緒に妊婦生活を過ごしましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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