好酸球性大腸炎(こうさんきゅうせいだいちょうえん)
概要
好酸球性大腸炎は、大腸(だいちょう:食べ物のカスから便をつくるところ)に、好酸球(こうさんきゅう:白血球の一種で、アレルギー反応などに関わる細胞)が多く集まって、腫れや炎症が起こる病気です。まれな病気で、人にうつることはありません。がんではありません。
重要な事実
- まれな病気で、症状は下痢や腹痛など一般的な腸の不調と似ています。
- 診断には、大腸の内視鏡検査で組織を少し採って調べる検査が大切です。
- 治療で症状が良くなることが多く、専門医と一緒に長く付き合っていく病気です。
とてもまれな病気です。日本でも報告は多くありません。
子どもから大人まで、どの年齢でも起こることがあります。アレルギー疾患のある人に多いとされますが、アレルギーがない人にも起こります。
症状
- 次の症状があるときは、すぐに119番へ連絡してください。
- 突然の激しい腹痛で動けない、おなかが板のように硬い
- 大量の血便や吐血
- 意識がもうろうとしている、ぐったりしている
- 呼吸が苦しい、顔色が青白い、冷汗がすごい
- 水分がとれず、尿が出ない、立てないほどの脱水
- ⚠血便が続く
- ⚠発熱がある
- ⚠嘔吐が止まらず水分がとれない
- ⚠強い腹痛が続く
- ⚠急な体重減少
- ⚠めまいや動悸など貧血のような症状
一般的な症状
- 下痢(くり返す、長びく)
- おなかの痛み
- 血便や粘液(ねんえき)が混じる便
- 便意が強く、トイレに急ぐ
- おなかの張り
- 吐き気や嘔吐
- 食欲低下、体重減少
- 疲れやすい、だるさ
子供の症状
- 体重が増えない、成長曲線から外れる
- 食べたがらない、吐く
- くり返す腹痛や下痢
- 機嫌が悪い、元気がない
高齢者の症状
- 脱水(尿が減る、口が渇く)
- 貧血(めまい、動悸、息切れ)
- 体重減少、食欲低下
- 疲れやすい
- 症状がいつもと違う、はっきりしないことがある
原因
主な原因
- はっきりした原因はまだ分かっていません。
- アレルギーや免疫(体を守る仕組み)の反応が関係していると考えられています。
- 食べ物、薬、感染などがきっかけになることがありますが、人によって違います。
リスク要因
- これまでに喘息やアトピー性皮膚炎、食物アレルギーと言われたことがある
- 家族にアレルギー疾患がある
- 薬でアレルギー反応が出たことがある
- 寄生虫感染など、腸の炎症を起こす病気にかかったことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 血便がある
- 発熱がある
- 強い腹痛が続く
- 嘔吐が止まらない、水分がとれない
- 尿が極端に少ない
- めまいや動悸がする
定期受診を予約すべき場合:
- 下痢や腹痛が数日以上続く
- 便に血や粘液が混じる
- 体重が減る、食欲がない
- 疲れやすい、だるさが続く
- アレルギー疾患があり、おなかの症状が続く
診断
症状だけでは好酸球性大腸炎と決められません。他の腸の病気を除きながら、大腸の内視鏡検査で組織を採り、好酸球が多くないかを調べます。アレルギーの話も聞きます。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状、食べ物、アレルギー、薬の話)
- 血液検査
- 便検査(感染や炎症を調べる)
- 大腸内視鏡検査(肛門から細いカメラを入れて大腸を見る)
- 組織生検(内視鏡で少し組織を採って顕微鏡で調べる)
- 腹部の画像検査(CTや超音波など)
- 必要に応じてアレルギー検査
診察で予想されること
一度の検査で確定しないことがあります。専門医への紹介が必要なこともあります。検査結果を待つ間は不安かもしれませんが、分からないことは医師に質問してよいです。
治療
根本的に治す方法はまだ確立していませんが、炎症を落ち着かせ、症状をコントロールする治療が中心です。多くの人は治療で症状が良くなります。重症度や年齢、アレルギーの有無に合わせて治療を選びます。
自宅でのセルフケア
- 症状と食べたものを記録する
- 水分をこまめにとる
- 食べられるものを無理なくとる
- 刺激の強い食べ物やお酒は控えめにする
- 睡眠と休養をとる
- ストレスをためない工夫をする
- 自己判断で除去食を始めない
医療治療
医師は、炎症を抑える薬、アレルギーに関わる治療、栄養療法などを組み合わせることがあります。症状が強いときは入院して水分や栄養を補うこともあります。薬の種類や量は医師が決めます。自己判断で薬をやめたり、市販薬を続けたりしないでください。
手術が検討される場合
手術が必要になることはまれです。腸に穴があく、腸が詰まる、出血が止まらないなど、重い合併症があるときに検討されます。
この病気と共に生きる
症状が良いときも悪いときもあります。調子に合わせて予定を立て、トイレの場所を確認しておくと安心です。通院を続け、症状の変化を記録しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活
- 禁煙(喫煙は腸の病気に良くないことがあります)
- 適度な休息
- 症状日記をつける
- ストレス管理
- 周りの人に理解を求める
食事と運動
食事は、特定の食べ物が必ず悪いと決めつけず、医師や管理栄養士と相談しながら試します。栄養が偏らないようにしましょう。運動は体調に合わせて散歩など軽いものから。つらいときは無理をしないでください。
精神的健康と心の健康
長く続く症状は、不安や落ち込み、疲れにつながることがあります。つらい気持ちが続くときは、かかりつけ医や専門家に相談してください。命に関わる危険があるときは、すぐに119番へ連絡してください。
予防
確実に防ぐ方法は分かっていません。アレルギーがある場合はその管理をし、きっかけが分かっている場合は医師と相談して避けます。自己判断で食べ物を大きく制限しないでください。
ワクチン
この病気に特異的なワクチンはありません。ふだんの予防接種はかかりつけ医と相談してください。
検診プログラム
症状がない人への定期的なスクリーニングはありません。気になる症状があるときは早めに相談してください。
合併症
治療しない場合
- 栄養不良や体重減少
- 腸の炎症が強くなる
- まれに腸閉塞や腸に穴があくこと
- 生活の質の低下
長期的な見通し
多くは治療で症状が落ち着きます。再発することもあるため、専門医と長くフォローすることが大切です。まれな病気ですが、適切な支援を受ければ前向きに生活できます。
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最終更新: 2026年10月23日
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