真菌性動脈瘤(感染性動脈瘤)の評価
概要
真菌性動脈瘤(しんきんせいどうみゃくりゅう)は、血管の壁に感染が起こり、壁が弱くなって風船のように膨らむ状態です。名前には「真菌」とありますが、実際には細菌による感染が多いとされています。早期に見つけて、感染と血管の両方を丁寧に治療することが大切です。
重要な事実
- まれな病気ですが、血管が破れると命に関わることがあるため、早めの評価が必要です。
- 発熱やだるさなど感染症のような症状と、脈を打つしこりや痛みなど血管の症状が一緒に出ることがあります。
- 診断では、血液検査、血液培養、超音波、CT、MRIなどの画像検査を組み合わせて調べます。
とてもまれな病気です。特定の血管の処置を受けたあとや、感染症が血管に広がったときなどに起こることがあります。
動脈硬化がある人、血管の手術やカテーテル治療を受けた人、人工血管が入っている人、免疫力が低下している人、心内膜炎などの感染症がある人に起こりやすいとされています。年齢を問わず起こる可能性はありますが、高齢者に多い傾向があります。
症状
- 胸や背中、お腹、腰に突然起こる激しい痛み
- 大量の出血、または出血が止まらない
- 意識がもうろうとする、会話がかみ合わない
- 冷や汗、息苦しさ、顔色が悪い
- 顔の片側の麻痺、言葉が出にくい、手足の動きにくさ
- ⚠数日続く発熱と患部の痛み
- ⚠脈を打つしこりに気づいた
- ⚠腫れや痛みがどんどん強くなる
- ⚠血管の処置を受けたあとの発熱や違和感
- ⚠原因不明の体重減少が続く
一般的な症状
- 発熱や寒気、だるさが続く
- 患部の痛みや腫れ、押すと痛むしこり
- 脈を打つようなしこりに気づく
- 原因がはっきりしない体重減少や食欲低下
子供の症状
- 子どもでは非常にまれです。発熱が続く、元気がない、手足を痛がる、手足の色が悪く見えるなどの変化があれば早めに相談してください。
高齢者の症状
- 高齢者では発熱が目立たないことがあります。だるさ、食欲低下、ぼんやりする、なんとなく調子が悪いといった変化も大切なサインになります。
原因
主な原因
- 血管の壁に感染が起こり、壁が弱くなって膨らむことで起こります。
- 血液の中に細菌が入り、動脈の壁につくことがあります。
- 心内膜炎など、体の別の場所の感染が血管に広がることがあります。
- 血管の手術やカテーテル処置のあとに感染することがあります。
- 真菌(カビ)によるものはまれで、実際には細菌によることが多いとされています。
リスク要因
- 動脈硬化
- 免疫力が低下する状態(ステロイドや免疫抑制剤の使用、HIV感染など)
- 血管の手術やカテーテル治療の既往
- 人工血管が入っている
- 心内膜炎などの感染症
- 静脈からの薬物使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の激しい痛み、大量の出血、意識の変化があるときは、ためらわずに119番へ連絡してください。
- 発熱と患部の痛みが続く、脈を打つしこりに気づいた、腫れが強くなっているときは、できるだけ早く医療機関に相談してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 長引く微熱、だるさ、食欲低下がある
- 血管の処置を受けたあと、なんとなく違和感が続く
- 血圧や血糖値の管理について相談したい
- 検査結果について説明を受けたい
診断
問診と診察に加えて、血液検査や画像検査を行い、感染の有無と血管の状態を調べます。必要に応じて、血管外科、感染症科、放射線科などの専門家が一緒に評価します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(炎症反応や貧血などを調べます)
- 血液培養(血液の中に細菌がいるかを調べます。数回行うことがあります)
- 超音波検査(血管の膨らみや血流を観察します)
- CT検査やMRI検査(造影剤を使って詳しく調べることがあります)
- 心臓超音波検査(心内膜炎などがないか調べます)
- 必要に応じて血管造影やPET-CTなど
診察で予想されること
検査の多くは痛みが少ないものです。造影剤を使う検査では、アレルギーや腎臓の働きを確認します。結果が出るまで数日かかることもあり、入院して検査を進める場合もあります。
治療
治療は、感染を抑えることと、弱った血管を安全に保つことの両方が中心になります。担当医は病状に合わせて、薬による治療と手術や血管内治療を組み合わせて考えます。
自宅でのセルフケア
- 医療者の指示を守り、通院や検査を続ける
- 発熱や痛み、腫れの変化を記録する
- 禁煙する
- 血圧や血糖値を良好に保つ
- バランスの良い食事と十分な休養を心がける
医療治療
感染を抑えるための抗菌薬(細菌を弱らせる薬)を長期間使うことが多いです。血管の弱った部分に対しては、手術で取り除いたり、人工血管や血管内治療で補ったりする方法が検討されます。治療は血管外科、感染症科、放射線科などが協力して進めます。具体的な薬の名前や量は、担当医が状態に合わせて決めます。
手術が検討される場合
動脈瘤が大きい、破裂の危険が高い、感染が広がっている、薬だけでは抑えきれないと判断されたときには、手術や血管内治療が検討されます。緊急で行われることもあります。
この病気と共に生きる
治療中は通院や検査が続くことがあります。症状の変化をメモし、服薬や受診の予定を守ることが大切です。不安なときは一人で抱えず、家族や医療者に話してください。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を続ける
- 節酒を心がける
- 血圧と血糖値を管理する
- 歯みがきや手洗いなど、感染予防を心がける
- 定期的に受診し、必要な検査を受ける
食事と運動
減塩を意識したバランスの良い食事がすすめられます。運動は医師の許可のもとで、無理のない範囲から始めましょう。激しい運動や重いものを持つことは、状態によって控える場合があります。
精神的健康と心の健康
不安や恐怖、眠れない日が続くことは珍しくありません。つらい気持ちが続くときは、かかりつけ医や地域の相談窓口に相談してください。もし自分を傷つけたい気持ちが強くなったときは、緊急の場合は119番へ連絡してください。
予防
完全に防ぐことは難しい病気ですが、感染予防や基礎疾患の管理、血管処置後の注意によってリスクを下げられる可能性があります。
ワクチン
年齢や基礎疾患に応じて、肺炎球菌やインフルエンザなどのワクチンについて医師と相談できます。ワクチンは感染症を防ぐ助けになりますが、すべての動脈瘤を防ぐものではありません。
検診プログラム
この病気だけを対象にした決まったスクリーニング検査はありません。症状やリスク(血管手術の後など)に応じて、医師が必要と判断したときに画像検査を行います。
合併症
治療しない場合
- 動脈瘤が破裂して大量に出血する
- 感染が血液中に広がる(敗血症)
- 臓器に血流が届かず障害が起こる
- 脳梗塞などの合併症が起こる
長期的な見通し
まれで専門的な治療が必要な病気ですが、早期に見つけて適切に治療すれば、回復できる方も多くいます。気になる症状があるときは早めに相談し、医療チームと一緒に治療を進めていきましょう。
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最終更新: 2026年11月3日
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