目のけが(眼外傷)
概要
目のけが(眼外傷〈がんがいしょう〉)は、目やそのまわりに外から力が加わったり、異物が入ったり、薬品がかかったりして、目の組織が傷ついた状態をいいます。目はとてもデリケートな器官なので、小さな傷でも見え方に影響することがあります。一方で、多くのけがは正しく対処すればよく治ります。
重要な事実
- 目に入った物や薬品の種類によって対応が変わります。特に洗剤や漂白剤などの薬品が入ったときは、まず水道水で十分に洗い流すことが大切です。
- 目に物が刺さっているときは、決して自分で抜こうとせず、そのままにして救急外来を受診してください。
- 見え方の変化(かすむ、二重に見える、見えない部分がある)があるときは、急いで眼科を受診しましょう。
とてもよくあるけがです。家庭でのちょっとした事故から、仕事やスポーツ中の事故まで、原因はさまざまです。多くは軽く、数日で自然に治りますが、一部は視力に影響することがあるため、見え方の変化があれば早めの受診が大切です。
年齢を問わず起こります。小さな子どもは、とがった物や洗剤などに興味を持ちやすく、大人が見守ることが大切です。大人では、金属加工や溶接、農作業、DIY、スポーツなどで起こることが多く、高齢の方は転倒による打撲や、目の表面が乾きやすいことによる傷にも注意が必要です。
症状
- 目に物(鉛筆、金属片、ガラスなど)が刺さったままになっている
- 眼球が破けた、または破けた可能性がある(目の形が変わった、中身が見えるように感じる)
- けがの直後から見えない、または視野の一部が急に見えなくなった
- 激しい目の痛みに、吐き気や頭痛をともなう
- 化学薬品(洗剤、漂白剤、業務用の薬品など)が目に入った(まず水道水で15分以上洗い流し、その後すぐに救急要請または救急外来へ)
- ⚠目に異物が入った感じが消えない
- ⚠黒目(角膜〈かくまく〉)に傷があると言われた、または白く濁って見える
- ⚠充血が強い、まぶたが腫れて目が開けにくい
- ⚠光がとてもまぶしい、涙が止まらない
- ⚠見え方が少しでもいつもと違う
- ⚠コンタクトレンズをつけたままけがをした
一般的な症状
- 目の痛み、ゴロゴロする感じ(異物感〈いぶつかん〉)
- 涙が止まらない、光がまぶしい
- 白目が赤くなる、充血する
- まぶたが腫れる、けがをした跡がある
- 見え方がかすむ、ぼやける
- 目が開けにくい、光を見ると痛い
子供の症状
- 目をこすり続ける、手でさわろうとする
- 泣き止まない、機嫌が悪い
- まぶしそうに目を細める、目を開けたがらない
- 涙が多く出る、目やにが増える
- 言葉で伝えられないことが多いので、まわりの大人が気づくことが大切です
高齢者の症状
- 症状を軽く感じてしまい、受診が遅れることがあります
- 目の表面が乾きやすいため、異物で傷つきやすくなります
- 転倒による打撲や、過去の目の手術の影響で症状の出方が違ってみえることがあります
- 見えにくさが、もともとの目の病気によるものかどうかわかりにくいことがあります
原因
主な原因
- 異物が入る(砂、ほこり、金属の削り粉、ガラス、まつげ、化粧品など)
- 薬品がかかる(台所用洗剤、漂白剤、カビ取り剤、業務用の薬品など。特にアルカリ性のものは注意が必要です)
- 打撲や衝突(ボールが当たる、転倒する、人や物にぶつかる)
- とがった物による傷(枝、紙、爪、工具など)
- 強い紫外線(溶接の光、スキー場の雪の照り返しによる「雪目」)
- ペットの引っかき、赤ちゃんの爪が当たる
リスク要因
- 金属加工・建設・溶接・農作業など、粉じんや飛び散りのある仕事
- スポーツ(特に保護メガネをしない球技やラケット競技)
- DIYや家庭の掃除で洗剤を使うとき
- コンタクトレンズの使用
- 小さな子どものいる家庭(洗剤の置き場所、とがった物の管理)
- 飲酒後や疲れているとき(注意力が落ちます)
- 車の整備や工具を使う作業
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 目に物が刺さった、または眼球が破けた疑いがある(自分で抜かず、すぐ救急へ)
- 薬品が目に入った(まず水で洗い流し、すぐ受診)
- けがのあとで見え方が急に変わった
- 激しい痛みが続く、吐き気をともなう
- 黒目が白く濁っている、瞳孔の形がいつもと違う
定期受診を予約すべき場合:
- けがのあと数日たっても違和感やゴロゴロ感が残る
- まぶたの腫れや赤みが引かない
- 涙目やまぶしさが続く
- 見え方が以前と少し違う気がする
- 小さな子どもが目をこすり続けている
診断
まず、いつ・どのようにけがをしたか、何が入ったか、どんな薬品がかかったかを聞きます。そのうえで視力を測り、細い光を当てて目を拡大して見る検査(細隙灯〈さいげきとう〉顕微鏡検査)で、傷や異物の位置を確認します。必要に応じて、角膜の傷を光らせて見つける検査や、画像の検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 視力検査
- 細隙灯顕微鏡検査(細い光を当てて目を拡大して見る検査)
- フルオレセイン染色(目薬で角膜の傷を光らせて見つける検査)
- 眼圧検査(目の硬さを測る検査)
- 眼底検査(目の奥を調べる検査)
- X線やCT(金属片が入っている可能性があるとき、深いけがのとき)
診察で予想されること
検査の多くは痛みがありませんが、目薬がしみるように感じることがあります。検査のために麻酔の目薬を使うことがあり、そのあとは一時的に目がぼんやりすることがあります。 pupils を開く目薬を使った場合は数時間見えにくくなり、運転は避ける必要があります。子どもは保護者の方が付き添うと安心です。
治療
治療の目的は、目の表面を守り、感染を防ぎ、自然に治る力を助けることです。多くの軽いけがは、適切な処置と安静で数日から数週間で改善します。けがの種類や深さによって対応が変わります。
自宅でのセルフケア
- 薬品が入ったときは、すぐに水道水で15分以上、まぶたを開けて洗い流す(洗面器やシャワーでも構いません)
- 目をこすらない(こすると傷が広がることがあります)
- 刺さっている物は抜かず、紙コップなどで軽く覆って受診する
- コンタクトレンズは外す。外せないときは医師に伝える
- 医師の指示があるまで、市販の目薬を自己判断で使わない
- 腫れが強いときは冷たいタオルで冷やす。ただし目を強く押さない
- 治るまでは、屋外でサングラスを使うなど光を避ける工夫をする
- 目にさわる前には必ず手を洗う
- 治るまでは目のまわりの化粧品を避ける
医療治療
医師はまず、水道水や生理食塩水で目を洗い、異物を取り除きます。感染を防ぐための点眼薬や、炎症や痛みをやわらげる点眼薬を使うことがあります。まぶしさや痛みが強いときは、瞳孔を開く点眼薬を用いることもあります。傷を保護するために眼帯や保護用のカバーをすることもあります。けがの内容によっては、破傷風の予防についても相談されます。使用する薬や処置は、傷の深さや症状に合わせて医師が判断します。
手術が検討される場合
眼球が破けた場合、異物が深く入っている場合、角膜の傷が大きい場合、網膜剥離(もうまくはくり)や外傷性白内障(がいしょうせいはくないしょく)が起きた場合などは、手術が必要になることがあります。必要かどうかは眼科医が検査の結果をもとに判断します。
この病気と共に生きる
治るまでは目を休ませることが大切です。長時間の画面の使用や読書は控えめにし、こまめに休憩をとりましょう。運転してよいかは医師に確認してください。目薬は指示どおりに使い、決められた通院を続けることで、治り具合を確認できます。
生活習慣のアドバイス
- 作業やスポーツのときは保護メガネやゴーグルを着ける
- 洗剤や薬品は、子どもの手の届かない場所にしまう
- コンタクトレンズは決められた使い方を守り、汚れたら使わない
- 作業場の換気や整理整頓を心がける
- 部屋の明るさを適切にし、まぶしさを感じたら休む
- 疲れたときや飲酒後は、工具や薬品を扱わない
- 家事や仕事で負担が大きいときは、家族や同僚に手伝いを頼る
食事と運動
特別に決まった食事はありませんが、バランスの良い食事は体の回復を助けます。緑黄色野菜や魚などを取り入れるとよいでしょう。運動については、水泳や激しいスポーツは医師の許可が出てからにしてください。ウォーキングなどの軽い運動も、まずは医師に確認しましょう。
精神的健康と心の健康
見えにくさがあると、不安になったり、イライラしたり、よく眠れなくなったりすることがあります。仕事や家事が思うように進まず、気持ちが落ち込むこともあります。つらさが続くときは一人で抱えず、医療機関や周りの人に話してください。
予防
多くの目のけがは防ぐことができます。保護メガネの着用、薬品の管理、コンタクトレンズの正しい使用など、ちょっとした心がけでリスクを大きく減らせます。
検診プログラム
職場の健康診断や眼科での定期検査を受けることで、目の状態を早く把握できます。糖尿病や目の病気があると言われた方は、定期的に眼科で診てもらうことが大切です。
合併症
治療しない場合
- 角膜の傷が悪化して、傷あと(濁り)が残り、視力が低下することがあります
- 感染を起こして、角膜炎〈かくまくえん〉や眼内炎〈がんないえん〉になることがあります
- 眼圧が上がる緑内障〈りょくないしょう〉を起こすことがあります
- 網膜剥離〈もうまくはくり〉や、外傷性白内障を起こすことがあります
- まれに、視力を大きく失うことがあります
- まぶたの傷あとや、涙の通り道が詰まることがあります
長期的な見通し
ほとんどの目のけがは、早めの対処と適切な治療で良くなります。見え方に変化がある、痛みが続くといったときは、早めに眼科を受診することが回復への近道です。不安なことがあれば、遠慮なく医療機関に相談してください。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年10月23日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.