レーザー視力矯正手術(レーシックなど)を知る
概要
レーザー視力矯正手術は、目の表面にある角膜(黒目の上を覆う、透明なカバーのような部分)の形をレーザーで少し整えて、近視・遠視・乱視によるピントのずれを減らす手術です。病気を治すためではなく、メガネやコンタクトレンズに頼る時間を短くすることを目的とした、自分で選ぶ手術です。代表的な方法には、角膜の表面に薄いふた(フラップ)を作ってレーザーを当てる方法、ふたを作らずに表面を整える方法、小さな切口から角膜の内側の組織を少量取り出す方法などがあります。
重要な事実
- 角膜のカーブをレーザーで調整し、ピントのずれを減らす手術です。
- 多くの場合10〜30分ほどの日帰り手術で、翌日には見え方が変わりやすいとされています。
- 効果やリスクには個人差があり、手術後もメガネが必要になることや、加齢で老視(老眼)が進むことはあります。
近視の人が多い日本では、視力を補う方法の一つとして広く行われてきました。ただし、受けるかどうかは目の状態と生活スタイルで決める任意の手術で、受けないという選択も同じくらい大切です。
主な対象は18〜20歳以上で、近視などの度数が1年以上安定している成人です。角膜が薄い方、強いドライアイがある方、妊娠中・授乳中の方、目の病気がある方は適さないことがあります。
症状
- 手術後に視力が急に大きく落ちた、または急に見えなくなった
- 目を強く打った・けがをしたあとに、激しい痛みや出血がある
- ⚠手術後に強い目の痛みや異物感が続き、まぶたが腫れて膿のような目やにが出る
- ⚠急に光がチカチカする、視界の黒い点が急に増える、カーテンのような影が見える
- ⚠目の痛みと一緒に頭痛や吐き気がある
一般的な症状
- メガネやコンタクトレンズがないと日常生活が不便に感じる
- 手術後しばらく、目が乾く・しみる・ゴロゴロする感じがする
- 夜間に光がにじむ、まぶしく感じる(ハロー・グレア)ことがある
- 手術直後は、かすみや涙目が数日続くことがある
子供の症状
- 18歳未満は目の成長が続いているため、一般的にこの手術の対象にはなりません。
- 子どもの見えにくさは、まず眼科で検査を受け、メガネなどで対応します。
- 近視が進む時期には、外遊びや画面を見る時間の取り決めなど、生活面の工夫が勧められます。
高齢者の症状
- 40代以降は老視(老眼)が進むため、手元の見え方は手術後もメガネが必要になることがあります。
- 白内障など別の目の病気が始まっていることがあり、手術前の詳しい検査が大切です。
- ドライアイの症状が出やすい年代でもあり、術後の乾きやすさに注意が必要です。
原因
主な原因
- 近視・遠視・乱視は、目の長さや角膜のカーブの具合によってピントが合いにくくなることで起こります。
- 多くは生まれつきの体質と、子どもの頃の目の使い方などが関係すると考えられています。
- レーザー手術は、このピントのずれを角膜の形を変えて補う方法です。
リスク要因
- 角膜が薄い、または角膜の形に異常がある
- 強いドライアイがある
- 妊娠中・授乳中、ホルモンの変化が大きい時期
- アトピーなどで目をよくこする習慣がある
- 免疫の病気や、傷が治りにくい病気がある
- 近視などの度数が最近変わってきている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 手術後に急に見えにくくなった、視界が急に変化した
- 目の強い痛み、強い充血、膿のような目やにがある
- 目をぶつけた、こすってフラップがずれた感じがする
定期受診を予約すべき場合:
- メガネやコンタクトレンズの使用が不便で、手術を考え始めたとき
- 手術を受けたあとの定期検査
- 見え方の変化や目の疲れ、乾きが続くとき
診断
手術の前に、その目が手術に適しているかを調べる「術前検査」を行います。これは同時に、見えにくさの原因となる別の目の病気がないかを見つけるための検査でもあります。角膜の厚さや形、涙の量、眼底の状態などをくわしく確認します。
行われる可能性のある検査
- 視力検査と、メガネの度数を測る屈折検査
- 角膜の厚さを測る検査(パキメトリー)
- 角膜の形を地図のように調べる検査(角膜形状解析・トポグラフィー)
- 涙の量や目の乾き具合を調べるドライアイ検査
- 眼底検査(網膜や視神経の状態を見る)
- 眼圧検査
- 瞳孔を広げてから行う検査(検査後数時間はまぶしく感じ、運転は避けます)
診察で予想されること
検査は数時間かかることが多く、点眼で瞳孔を広げると当日はまぶしく感じます。コンタクトレンズは種類に応じて数日から数週間前から外す必要があります。検査結果の説明を受け、リスクも含めて理解してから手術日を決めます。
治療
治療は大きく2つに分けて考えられます。一つはメガネやコンタクトレンズで見え方を補う方法、もう一つはレーザー手術で角膜の形を変える方法です。どちらが合うかは、目の状態と生活スタイルによって変わります。
自宅でのセルフケア
- 手術後は医師の指示どおりに目薬を使い、決められた診察を受ける
- 目をこすらない(フラップがずれる原因になります)
- 手術後しばらくは、プール・海水浴・サウナ・化粧など、指示された制限を守る
- 屋外ではサングラスや帽子でまぶしさをやわらげる
- 画面を長時間見るときは、20分ごとに遠くを20秒見るなどの休憩をとる
- 目の乾きを感じたときは、診察で相談したうえで適切な目薬を使う
医療治療
手術の方法にはいくつかの種類があります。角膜の表面に薄いふたを作ってレーザーを当てる方法、ふたを作らずに角膜の表面を整える方法、小さな切口から角膜の内側の組織を少量取り出す方法などです。どの方法が合うかは角膜の厚さや度数、生活スタイルによって変わるため、医師との相談で決めます。手術後のケアとして、炎症を抑える目薬や乾きを補う目薬が処方されることがあります。具体的な薬の名前や使い方は、必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
手術を考える目安は、18〜20歳以上で度数の変化が1年以上落ち着いている、角膜に十分な厚みがある、ドライアイや他の目の病気が落ち着いている、といった条件を満たす場合です。妊娠中・授乳中は原則として見送ります。手術を受けるかどうかは、検査結果と説明を聞いたうえで自分で決めてよいものです。
この病気と共に生きる
手術後は数日でかなり見えやすくなることが多い一方、目の乾きやすさや夜のまぶしさが数週間から数か月続くことがあります。定期検査を受け、気になる症状は早めに相談することが安心につながります。
生活習慣のアドバイス
- 長時間のスマホやパソコン作業では、意識してまばたきをする
- 部屋の湿度を保ち、エアコンの風が直接目に当たらないようにする
- 夜間の運転は、まぶしさを感じる間は控えめにする
- 目をこする癖がある場合は、アレルギーの治療も含めて相談する
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスのよい食事と適度な運動は、目の健康にもよい影響があります。手術後は汗が目に入らないようにし、医師から許可が出るまでは激しい運動や水泳を控えましょう。
精神的健康と心の健康
「本当に受けてよかったのか」「思ったより見え方がよくない」と不安になることがあります。期待と現実の差に落ち込むことも珍しくありません。不安が続くときは、手術を受けた医療機関やかかりつけの眼科、必要に応じて心の相談窓口に話してみてください。つらい気持ちが続く場合は、一人で抱え込まずに支援を求めてください。
予防
近視や乱視そのものを完全に予防することは難しいとされています。手術に関してできることは、信頼できる医療機関で十分な術前検査を受けること、説明された制限や通院を守ることです。
検診プログラム
手術前の詳しい検査が、もっとも大切な「適しているかどうかの確認」になります。手術後も定期的な眼科検査を続け、40歳以降は眼底検査を含む眼科での検査を受けることが勧められています。厚生労働省も、健康づくりの一環として定期的な健康チェックの重要性を伝えています。
合併症
治療しない場合
- 手術を受けない場合でも、メガネやコンタクトレンズで見え方は補えます。度数の強い方では、メガネの不便さが続くことがあります。
- 手術後に起こりうるものとして、目の乾き、夜間のまぶしさや光のにじみ、度数が残る・行き過ぎる、角膜のふたのトラブルなどがあります。
- 感染や角膜が薄くなりすぎる変化は非常にまれですが、起きた場合は治療が必要になります。
長期的な見通し
多くの人は手術後にメガネなしで生活しやすくなります。一方で、加齢とともに老視(老眼)は誰にでも進み、手術の効果が一生続くわけではありません。リスクを理解したうえで選ぶことが、満足につながります。
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最終更新: 2026年10月23日
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