フェイスリフト(顔のたるみを引き上げる手術)
概要
フェイスリフトは、顔の皮膚とその下の組織を引き上げて、加齢によるたるみを減らす美容目的の手術です。病気を治すための治療ではなく、見た目の変化を目的として、希望する人が自ら選んで受ける手術です。糸で引き上げる方法から、皮膚を切って余分な皮膚を取り除く方法まで、いくつかの種類があります。
重要な事実
- 顔のたるみ、ほうれい線、あご下のゆるみなどを改善する目的で行われます
- 方法は一つではなく、糸を使うもの、皮膚を切るものなど、いくつかの選択肢があります
- 効果は永久ではなく、加齢による変化は手術の後もゆっくり進んでいきます
- 日本では美容目的の自由診療(保険がきかない)として行われることが多い分野です
美容医療のひとつとして行われていますが、健康上の必要があって受ける治療ではありません。受けるかどうかは本人の希望で決める、任意の手術です。行われている件数や方法の傾向は、施設や地域によって異なります。
主に40代以降で、鏡を見たときに顔の輪郭やたるみが気になる人が検討します。ただし年齢だけで決まるものではなく、皮膚の状態、喫煙、紫外線の影響、体重の変化、持病なども関係します。
症状
- 手術後に息が苦しい、呼吸がしづらい
- のどや首が急に大きく腫れて、飲み込みにくい
- 顔や首が急に大きく腫れ上がる
- 意識がもうろうとする、会話がかみ合わない
- 止まらない大量の出血がある
- ⚠手術後に38度以上の発熱がある
- ⚠傷口から膿のようなものが出る、強いにおいがする
- ⚠赤みや腫れが急に広がる、痛みがどんどん強くなる
- ⚠顔の一部が動かしにくい、笑うと左右が大きく違う
- ⚠皮膚の色が黒っぽく変わってきた
一般的な症状
- 頬の皮膚が下がってくる、顔の輪郭がぼやける
- 鼻の横から口元にかけての線(ほうれい線)が深くなる
- あごの下がたるむ、いわゆる「二重あご」のように見える
- 目尻が下がる、まぶたの上が重くなる
- 首の皮膚がゆるんで、あごとの境目がわかりにくくなる
- 顔の左右でたるみ方に差が出る
子供の症状
- 美容目的のフェイスリフトを子どもに行うことは、通常ありません
- 子どもの顔の形が気になる場合は、まず小児科や形成外科で相談してください
高齢者の症状
- 年齢を重ねるほど皮膚の弾力が低下し、たるみは強く出やすくなります
- 手術を検討するときは、年齢よりも持病や体調、飲んでいる薬、血圧などを含めて医師と相談することが大切です
- 回復に時間がかかることもあるため、術後の生活や家族のサポートも含めて考えておくと安心です
原因
主な原因
- 加齢による皮膚の弾力の低下(コラーゲンや弾力線維が減っていくこと)
- 顔の脂肪や組織の位置が下がってくること
- 重力の影響が長い年月積み重なること
- 紫外線を長く浴びてきたことによる皮膚の変化
- 喫煙による皮膚への負担
- 急な体重減少による皮膚のゆるみ
- 生まれつきの顔の骨格や皮膚の性質、遺伝的な要素
リスク要因
- 喫煙をしている
- 日焼け対策をあまりしてこなかった
- 短期間に体重が大きく減った
- 皮膚が薄い、乾燥しやすい
- 糖尿病や高血圧などの持病がある
- 血液を固まりにくくする薬を飲んでいる
- 傷あとが盛り上がりやすい体質(ケロイドなど)がある
- 手術に大きな期待を寄せすぎている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 手術後に息苦しさ、のどの腫れ、大量の出血、意識の変化がある(119番に連絡)
- 手術後に高熱、傷口からの膿、広がる赤み、強い痛みがある(すぐ施術を受けた施設へ連絡)
- 顔の動きに急な左右差が出た
定期受診を予約すべき場合:
- 顔のたるみが気になり始め、選択肢を知りたいとき
- 美容目的でも、まずはかかりつけ医や形成外科の医師に相談したいとき
- 持病や飲んでいる薬があり、手術が可能か知りたいとき
- 術後の傷あとや腫れの経過が気になるとき
診断
フェイスリフトは検査で「診断」する病気ではなく、カウンセリングと診察によって、希望、顔の皮膚の状態、たるみの程度、持病、飲んでいる薬、過去の手術歴、生活習慣などを確認して、方法を一緒に決めていきます。
行われる可能性のある検査
- 問診とカウンセリング(希望と不安を詳しく話す)
- 顔の視診と触診(皮膚の余り具合や弾力を確認)
- 顔の写真撮影(before・afterの記録用)
- 血液検査(出血や感染のリスク確認のため)
- 血圧測定、心電図
- 必要に応じて、持病の主治医からの情報提供
診察で予想されること
複数の施設で話を聞いて比べること、費用、入院の有無、腫れや内出血が落ち着くまでの期間(ダウンタイム)、起こりうる合併症について、書面で説明を受けることが大切です。その場で決める必要はなく、持ち帰って考えるのがふつうです。
治療
フェイスリフトは手術による方法が中心ですが、たるみへの向き合い方は手術だけではありません。手術以外の選択肢も含めて、効果の大きさ、持続期間、リスク、費用を比べたうえで選ぶことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 日焼け止めや帽子で紫外線を避ける
- 禁煙する(皮膚の血流を守るため)
- 毎日の保湿で皮膚の乾燥を防ぐ
- 十分な睡眠をとる
- 急激な体重の増減を避ける
- バランスのよい食事と適度な運動を続ける
医療治療
手術以外には、レーザーや超音波などで皮膚に刺激を与える施術、注入による方法、糸で引き上げる方法などがあります。手術では、皮膚を切って余分な皮膚を取り除き、その下の組織を引き上げて固定する方法が一般的です。効果の持続期間やリスクは方法によって異なるため、どの方法が自分に合うかは医師の診察で相談して決めます。
手術が検討される場合
手術は、本人の希望がはっきりしていること、健康状態が安定していること、リスクと術後の経過を理解していることを前提に検討されます。持病や飲んでいる薬がある場合は、事前に必ず医師に伝えてください。美容目的の手術は保険がきかないことが多いため、費用面も含めて計画を立てておくと安心です。
この病気と共に生きる
手術を受けた場合は、しばらく腫れや内出血が続くことがあります。医師の指示に従って、洗顔や入浴、運動、飲酒などの制限を守り、傷あとのケアを続けます。紫外線を避け、定期的な診察を受けることで、経過を確認しながら回復していきます。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を続ける
- 外出時は日焼け止めと帽子で紫外線を防ぐ
- 乾燥しないよう保湿を習慣にする
- 睡眠時間を確保する
- 急なダイエットや体重変化を避ける
- ストレスをためこまず、休息の時間をとる
食事と運動
たんぱく質やビタミン類を含むバランスのよい食事は、皮膚の健康を保つ助けになります。塩分のとりすぎに気をつけることも大切です。運動は、手術を受けた場合は医師の許可が出てから、ウォーキングなど軽いものから段階的に再開しましょう。
精神的健康と心の健康
見た目の変化は気持ちに大きく影響します。思っていた仕上がりと違うと感じたり、術後に気分が落ち込んだりすることもあります。それは珍しいことではありません。つらい気持ちが続くときや、自分を傷つけたい気持ちが浮かぶときは、一人で抱えずに医療機関や地域の相談窓口を利用してください。緊急のときは119番に連絡してください。
予防
加齢による顔の変化を完全に止めることはできません。ただし、紫外線対策、禁煙、保湿、バランスのよい食事、適度な運動、急な体重変化を避けることは、変化の進み方をゆるやかにする助けになる可能性があります。
ワクチン
フェイスリフトに関係するワクチンはありません。
検診プログラム
美容目的の手術に、病気の早期発見のような「スクリーニング」はありません。ただし、安全に手術を受けるために、血液検査や血圧・心電図などの確認を事前に行うことがあります。
合併症
治療しない場合
- 手術を受けないこと自体が健康を損なうわけではありません。加齢によるたるみは自然に少しずつ進みます
- 手術を受けた場合に起こりうる合併症には、腫れ、内出血、感染、傷あとの目立ち方、左右差、しびれ、顔の動きの一時的な違和感などがあります
- まれに、顔の神経の損傷や、皮膚の血の巡りが悪くなるといった合併症が起こることもあります
長期的な見通し
フェイスリフトを受けた多くの人は、見た目の変化に満足していると報告されています。一方で、効果は永久ではなく、加齢による変化は手術の後も続きます。期待を現実的に持ち、信頼できる医師と十分に話し合って決めることが、後悔の少ない選択につながります。手術を受けないという選択も、同じように尊重されるべきものです。
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最終更新: 2026年10月23日
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