フェイスリフト(メロプラスティ)
概要
フェイスリフト(医学用語でメロプラスティ)は、顔や首の皮膚とその下の組織を持ち上げて固定し、たるみを改善する美容外科の手術です。ほうれい線(鼻から口にかけての溝)やあごのラインのゆるみ、首のたるみを目立ちにくくすることを目的とします。病気を治すための治療ではなく、見た目を変えるための任意の手術です。
重要な事実
- 加齢による皮膚のたるみを改善する手術で、保険がきかない自由診療(自費)になるのが一般的です。
- 効果は永久ではなく、加齢とともに再びたるみは進みます。
- 腫れや内出血などの回復期間があり、数週間は日常生活に制限があります。
- 手術の前に、目的・リスク・費用・期待できる結果について十分な説明を受けることが大切です。
美容整形の手術のひとつで、国内外で広く行われています。ただし、病気の治療として行われるものではないため、「しなければならない手術」ではありません。
主に40〜60代以降で、顔や首のたるみが気になる方に選ばれています。女性が多いものの、男性が受けることもあります。若い方では、生まれつきの顔の形の悩みなど別の理由で相談されることもありますが、成長が終わる前に美容目的の手術をすることは通常ありません。
症状
一般的な症状
- 頬の肉が下がり、ほうれい線が深くなる
- あごのラインがゆるみ、顔の輪郭がぼやける
- 首の皮膚がたるみ、横じわや「首のたるみ」が目立つ
- 目元や口元の皮膚が下がって見える
- 写真に写った自分の顔の輪郭が変わってきたと感じる
原因
主な原因
- 加齢による、皮膚のハリや弾力を保つ成分(コラーゲンやエラスチン)の減少
- 重力による組織の下垂
- 紫外線(日焼け)による皮膚のダメージの蓄積
- 体重の増減を繰り返すこと
- 生まれつきの顔の骨格や脂肪のつき方の特徴、遺伝的な要素
リスク要因
- 喫煙(傷の治りが悪くなりやすい)
- 糖尿病や高血圧などの持病がコントロールされていない
- 出血しやすい体質、血を止める薬を使っている
- ケロイド(傷あとが盛り上がる体質)になりやすい
- 手術の結果への期待が大きすぎる、または不安が非常に強い
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 手術後に息がしづらい、飲み込みにくい、のどが締まる感じがする
- 顔や首が急に大きく腫れて広がっていく
- 傷から大量に出血し、圧迫しても止まらない
- 片側だけが急に腫れて硬く張り、痛みが強い
- 38℃以上の発熱や傷の周りの赤み・膿
- 皮膚の色が黒っぽく変わる、感覚がまったく戻らない
- 傷が開いてきた
定期受診を予約すべき場合:
- たるみが気になり始め、選べる方法を知りたいとき
- 手術以外の方法も含めて相談したいとき
- 手術を受けたあとの経過に不安があるとき
- 費用や回復期間の見通しを知りたいとき
診断
「診断」というより「相談と評価」です。医師が顔と首を診察し、皮膚の弾力、たるみの程度、骨格、傷あとの目立ちやすさなどを確認します。持病や飲んでいる薬、過去の手術歴、喫煙習慣などを聞き取り、写真を撮って記録します。そのうえで、期待できる結果とリスクについて説明を受けます。美容目的の手術では、別の医師の意見(セカンドオピニオン)を求めることもできます。
行われる可能性のある検査
- 問診(持病・薬・喫煙・アレルギー・過去の手術歴の確認)
- 顔と首の診察、皮膚の状態の評価
- 血液検査(出血や感染のリスク、持病の確認のため)
- 必要に応じて血圧測定や心電図などの全身チェック
- 手術前後の記録用の写真撮影
診察で予想されること
初回の相談では手術を勧められることもありますが、その場で決める必要はありません。費用、回復に必要な期間、仕事や日常生活への影響、合併症の可能性について、納得いくまで質問しましょう。説明が十分に感じられない場合は、別の医療機関で相談することも大切です。
治療
フェイスリフトは「しなければならない治療」ではありません。たるみが気になる場合の選択肢には、手術をしない方法(スキンケア、生活習慣の見直し、レーザーや糸を使う方法など)と、切開を伴う手術があります。目的や予算、回復に使える時間、リスクの受け止め方によって、合う方法は人それぞれです。
自宅でのセルフケア
- 紫外線対策(日焼け止め、帽子、日傘)を毎日の習慣にする
- 禁煙する(皮膚の血流と傷の治りに良い影響があります)
- 体重を急に増減させない
- 保湿を中心にしたやさしいスキンケアを続ける
- 十分な睡眠とバランスの良い食事を心がける
- 手術を受けた場合は、医師の指示に従って安静と通院を続ける
医療治療
手術以外には、皮膚の表面に働きかける方法(レーザーや光を使う治療など)や、糸を使って引き上げる方法などがあります。効果の持続期間やリスクは手術とは異なります。手術は、皮膚を切開して組織を持ち上げ、余分な皮膚を取り除いて固定する方法が一般的です。手術には、腫れ、内出血、感染、傷あと、左右差、神経の一時的なまひなどのリスクがあります。どの方法も自費診療となることが多く、効果やリスク、費用は施設によって異なります。具体的な方法や使う薬剤については、必ず担当の医師から説明を受けてください。
手術が検討される場合
手術は、健康状態が安定していて、たるみが生活の質や気持ちに影響している場合に、リスクと効果の説明に納得したうえで検討されます。持病がある方、喫煙している方、出血しやすい体質の方は、まずその管理が必要です。手術を受けるかどうかは、急がずに自分にとっての優先順位を考えて決めましょう。
この病気と共に生きる
手術後は腫れや内出血が数週間続くことがあり、顔がぎこちなく感じたり、皮膚の感覚がにぶくなったりすることがあります。多くの場合、時間とともに落ち着きます。仕事に戻る時期や運動の再開時期は医師の指示に従い、定期的な通院で経過を確認します。手術をしない場合も、鏡を見る回数を決めるなど、見た目に意識を向けすぎない工夫が役立ちます。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙と節酒
- 紫外線対策を習慣にする
- 体重を安定させる
- 睡眠を十分にとる
- 無理のない範囲で体を動かす
食事と運動
特定の食べ物でたるみが消えるということはありません。野菜・たんぱく質・良質な脂質を含むバランスの良い食事と、水分をとることが皮膚の健康の土台になります。運動は血流を良くし、体重管理にも役立ちます。手術後は、医師が許可するまで激しい運動や顔を下に向ける姿勢は控えましょう。
精神的健康と心の健康
見た目の悩みは、自信や気分に大きく影響することがあります。手術をすれば必ず気持ちが晴れるとは限らず、術後に「思っていたのと違う」と感じることもあります。決める前に、自分が何を変えたいのか、手術以外で満たせる部分はないかを整理してみましょう。つらい気持ちが続くときや、自分を責める気持ちが強いときは、一人で抱えずに医療機関や地域の相談窓口に相談してください。気持ちが追い詰められて自分を傷つけたいと考えたときは、すぐに救急(119)や地域の相談窓口を頼ってください。
予防
加齢そのものを止めることはできないため、たるみを完全に防ぐことはできません。ただ、紫外線対策、禁煙、体重を安定させること、保湿を中心としたスキンケアは、見た目の老化をゆるやかにする助けになります。
合併症
治療しない場合
- 手術を受けなくても、医学的な危険はありません。たるみは自然に少しずつ進みます。
- 見た目の悩みが続いて、気分が落ち込むことがあります。
長期的な見通し
フェイスリフトは、合う人にとっては満足度の高い選択肢になりえますが、必須の治療ではありません。手術を受けない、別の方法を選ぶ、時期を待つ、どれも尊重される選択です。納得して決めることが、いちばん大切なポイントです。
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最終更新: 2026年10月23日
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