インフルエンザ総合情報センター
概要
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが体の中に入って起こる感染症(うつる病気)です。鼻やのど、気管から肺へつながる空気の通り道に炎症が起き、急な高熱や体の痛み、せきなどが出ます。ふつうの「かぜ」よりも症状が強く出やすく、高齢の方や小さな子ども、妊娠中の方、持病のある方では重くなることがあります。日本では毎年、秋から冬にかけて流行します。
重要な事実
- 症状が急に始まり、38℃以上の熱、寒気、関節や筋肉の痛みが出やすいのが特徴です。
- せきやくしゃみで飛ぶしぶき(飛沫)や、ウイルスが付いた手を介してうつります。
- 多くの方は1〜2週間ほどで良くなりますが、肺炎などの合併症を起こすこともあります。
- 予防の中心は、手洗い・換気・マスクと、必要に応じた予防接種です。
とてもよくある病気です。日本では毎年秋冬に流行し、多くの人が一度はかかります。学校や高齢者施設など、人が集まって過ごす場所で広がりやすい傾向があります。
年齢を問わず、だれでもかかります。とくに注意が必要なのは、65歳以上の方、5歳未満の子ども(特に2歳未満)、妊娠中の方、糖尿病・心臓病・呼吸器の病気・腎臓病などの持病がある方、免疫(体を守る力)の働きが弱い方です。これらの方は重症化しやすいため、早めの相談が大切です。
症状
- 呼吸が苦しい、息ができない、顔色や唇が青白い
- 意識がぼんやりして反応が弱い、呼びかけに答えない
- けいれんが続く、または何度も繰り返す
- 水分がまったく取れず、おしっこがほとんど出ないなど、重い脱水(体の水分不足)のサインがある
- これらの症状があるときは、すぐに119番へ連絡してください。
- ⚠高い熱が4〜5日以上続く、または一度下がってからまた上がる
- ⚠せきがひどくなり、胸が痛い、息切れがする
- ⚠水分が取れない、半日以上おしっこが出ない
- ⚠持病(心臓・肺・糖尿病など)の具合が急に悪くなった
- ⚠妊娠中で熱や強い症状がある
- ⚠小さな子どもがぐったりしている、飲まない、反応が弱い
一般的な症状
- 突然の高い熱(38℃以上)と寒気
- 頭痛、関節の痛み、筋肉の痛み
- 強いだるさ、疲れやすさ
- せき、のどの痛み
- 鼻水、鼻づまり
- 吐き気やおなかの不快感(子どもでは下痢を伴うことも)
子供の症状
- 大人より高い熱が出やすく、急にぐったりすることがあります。
- 吐き気・嘔吐・下痢など、おなかの症状が出やすいです。
- 機嫌が悪い、母乳やミルクを飲まない、眠り続けるなど、はっきりしない症状のこともあります。
- 水分がとれない、呼吸が苦しそう、けいれんがある、意識がぼんやりするときは、すぐに医療機関へ相談してください。
高齢者の症状
- 熱がそれほど高く出ないことがあり、かえって見つけにくいことがあります。
- 元気がない、食欲がない、ぼんやりする、いつもと違うなど、はっきりしない変化で始まることがあります。
- 肺炎などを起こしやすいので、少しでも様子がおかしいと感じたら早めに相談してください。
原因
主な原因
- インフルエンザウイルス(A型・B型など)が、せきやくしゃみのしぶき(飛沫)とともに空気中を漂い、吸い込むことで感染します。
- ウイルスが付いた手で口・鼻・目をさわることでも感染します。
- 人が多く集まる室内や、換気の悪い場所では広がりやすくなります。
リスク要因
- 65歳以上の方
- 5歳未満の子ども(特に2歳未満)
- 妊娠中の方
- 糖尿病、心臓病、喘息や慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器の病気、腎臓病、肝臓病などの持病がある方
- 免疫(体を守る力)の働きが弱い方(治療中の方を含む)
- 医療・介護施設など、人の多い場所での勤務や集団生活
- 睡眠不足や疲れ、栄養の偏りで体調をくずしているとき
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 呼吸が苦しい、息が浅い、胸が痛い
- 意識がぼんやりする、けいれんがある
- 水分がとれない、おしっこが極端に少ない
- 高い熱が4〜5日以上続く、または下がってからまた上がる
- 持病が急に悪くなった、妊娠中で強い症状がある
- 小さな子どもがぐったりして反応が弱い
定期受診を予約すべき場合:
- 熱やせきが長引いている
- いったん良くなったのに、また症状が悪くなった
- 持病がある方で熱が出た(早めに相談しましょう)
- 予防接種や受診のタイミングについて相談したい
- 学校・仕事を休む期間の目安を知りたい
診断
まず、症状の出方(急な高熱や体の痛みなど)と、まわりでの流行状況を聞きます。そのうえで、必要に応じて鼻やのどの奥の分泌物を細い綿棒で採り、ウイルスがいるかどうかを調べる迅速検査(短時間で結果が出る検査)を行います。
行われる可能性のある検査
- 問診と、体温・呼吸の状態・のどの様子の確認
- 鼻やのどのぬぐい液を使った迅速抗原検査(ウイルスの有無を調べる検査)
- 合併症が疑われるときの血液検査や胸部レントゲン検査
診察で予想されること
検査では鼻の奥に細い綿棒を入れます。少ししみたり、くすぐったく感じたりすることがあります。結果は数分から十数分で出ることが多いです。検査の結果にかかわらず、症状に合わせた対応を医師と相談して決めていきます。
治療
インフルエンザの多くは、しっかり休んで水分をとることで自然に回復します。治療の中心は、熱や痛み、せきといったつらい症状をやわらげる「対症療法(症状に合わせた対応)」です。重症化のリスクが高い方には、医師が必要と判断した場合に抗ウイルス薬が検討されます。発症から早い時期に始めるのが目安とされています。抗生物質(細菌を退治する薬)はウイルスには効きません。薬の種類や量は、必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。
自宅でのセルフケア
- とにかく休む。熱が下がっても数日は無理をしない。
- こまめに水分をとる(水、お茶、スープ、経口補水液など)。
- 部屋を暖かくし、湿度を保ち、ときどき換気をする。
- 熱や痛みの薬を使うときは、年齢に合ったものを医師・薬剤師に相談する(子どもには使えない薬もあります)。
- 厚生労働省の目安では、発症後5日間、かつ熱が下がってから2日間は外出を控えるとされています。
- 家族とタオルや食器を分け、マスクや手洗いを心がける。
医療治療
医療機関では、症状に合わせて熱や痛み、せきをやわらげる治療を行います。重症化のリスクが高い方には、医師の判断で抗ウイルス薬が検討されることがあります。肺炎など合併症が疑われる場合は、追加の検査や治療、入院が必要になることもあります。具体的な薬の名前や量は医師が決めますので、指示に従ってください。
この病気と共に生きる
発症から少なくとも5日間、かつ熱が下がってから2日間は、外出を控えるのが目安です(厚生労働省の考え方)。学校や仕事は、通っている学校・勤務先の基準に従ってください。家の中では、こまめな手洗い、マスク、換気を心がけ、タオルや食器の共用を避けると、家族にうつりにくくなります。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠をしっかりとり、疲れをためない。
- 手洗い・うがいを習慣にする(帰宅時、食事の前など)。
- 部屋の換気と適度な加湿を心がける。
- 流行期は、人混みや換気の悪い場所をできるだけ避ける。
- たばこの煙はのどや肺を傷つけるので、避けることが望ましいです。
食事と運動
食欲がないときは無理に食べず、水分を優先しましょう。少し食べられるようになったら、おかゆ、スープ、やわらかい野菜、果物など、消化のよいものを少量ずつとると安心です。熱がある間の運動は控え、回復してから軽い散歩などから始めるとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
高い熱が続いたり、外出できなかったりすると、不安や孤独を感じることがあります。ひとり暮らしの方や、小さな子どもの看病をしている方は特に疲れがたまりやすいです。つらさが続くときや、気持ちが落ち込んで戻らないときは、ひとりで抱えず、かかりつけ医や相談窓口に話してください。
予防
完全に防ぐことはできませんが、かかるリスクや重症化のリスクを下げる方法はあります。手洗い、換気、マスク、人混みを避けること、そして予防接種が中心です。
ワクチン
予防接種は、インフルエンザにかかるリスクと、重症化するリスクを下げるのに役立ちます。毎年、流行期の前に受けるのが一般的です。効果や接種の時期・回数は年齢や体調によって異なるため、かかりつけ医やお住まいの市区町村の案内を確認してください。高齢の方などは公費の助成が受けられることがあります。
検診プログラム
症状がない人のための一般的な検査はありません。流行期に体調がすぐれないときは、早めに医療機関や相談窓口に相談することが大切です。
合併症
治療しない場合
- 肺炎(ウイルスによるもの、細菌によるもの)や気管支炎
- 中耳炎(子どもの場合)
- 持病の悪化(心臓病、肺の病気、糖尿病など)
- 入院が必要になるほどの重症化
- まれですが、脳症や心筋炎など重い合併症
長期的な見通し
ほとんどの方は1〜2週間ほどで良くなります。せきやだるさが少し残ることもありますが、徐々に戻っていきます。重症化のサインを知っておき、心配なときは早めに相談することが、安心して過ごすことにつながります。
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最終更新: 2026年10月23日
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