FPIES(食物たんぱく誘発性胃腸炎)ってどんな病気?
概要
FPIES(食物たんぱく誘発性胃腸炎)は、特定の食べ物のたんぱく質が原因で、食べてから数時間後に繰り返す嘔吐や下痢などを起こすアレルギーの一種です。感染性の胃腸炎とは違い、人にうつる病気ではありません。一般的な即時型アレルギー(じんましんや息苦しさがすぐ出るタイプ)とは仕組みが異なるとされています。
重要な事実
- 食べてから1〜4時間ほどで症状が出ることが多いです。
- 原因になりやすい食品は、乳製品、大豆、米、オーツ麦、卵、魚などです。
- 多くの子どもは成長とともに食べられるようになりますが、専門医のフォローが大切です。
まれな病気ですが、近年は認知が進んできています。乳幼児に多くみられます。
主に赤ちゃんと幼い子どもに起こります。多くは乳児期に発症し、成長とともに改善することが多いです。大人では非常にまれです。
症状
- 呼びかけても反応が弱い、ぐったりしている
- 顔色が青白い、唇が青い
- 繰り返す嘔吐で水分がとれない
- 尿がほとんど出ない、涙が出ない
- 意識がもうろうとしている、けいれんがある
- 呼吸が苦しそう
- ⚠嘔吐が何度も続く
- ⚠下痢がひどい
- ⚠水分を受け付けず元気がない
- ⚠血便がある
- ⚠おなかが大きく張って痛がる
一般的な症状
- 食べてから1〜4時間ほどで始まる繰り返す嘔吐
- 下痢(ひどくなることがあります)
- 顔色が青白くなる、ぐったりする
- 元気がなくなる、眠たくなる
- 脱水(体の水分が足りなくなること)の症状
子供の症状
- 不機嫌、ぐったりする
- 哺乳量(ミルクや母乳を飲む量)が減る
- 体重が増えにくい
- 繰り返す嘔吐のあとに脱水になることがある
- 顔色が悪い、汗が出る、冷たく感じる
高齢者の症状
- 成人では非常にまれですが、食後数時間の繰り返す嘔吐や下痢があれば、他の病気との区別のため早めに受診してください。
- 成人では診断が遅れることがあるため、食べたものと症状の記録が役立ちます。
原因
主な原因
- 特定の食べ物のたんぱく質に対する免疫反応が関係すると考えられています。
- 一般的な即時型アレルギーとは異なり、IgE抗体(すぐ型のアレルギーに関わる抗体)が主な原因ではないとされます。
- 原因食品は年齢や地域で異なり、乳製品、大豆、米、オーツ麦、卵、魚などが知られています。
リスク要因
- 乳幼児期であること
- 本人や家族にアレルギーの病気があること
- 原因となる食品を食べたこと(診断後の再摂取)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 繰り返す嘔吐や下痢で水分がとれない
- ぐったりして反応が弱い
- 尿が少ない、涙が出ないなどの脱水のサイン
- 血便や激しいおなかの痛みがある
定期受診を予約すべき場合:
- 食後に繰り返す嘔吐や下痢をみた
- 特定の食品で毎回似た症状が出る気がする
- 体重が増えない、食べられる食品が少ない
- 保育園・学校での対応を相談したい
診断
診断は主に、症状の経過と食べたものの記録をもとに行います。血液検査だけで確定できるわけではなく、必要に応じて専門医が他の病気を除外しながら判断します。
行われる可能性のある検査
- 症状と食べたものの記録(症状日記)
- 診察と身体の状態の確認
- 他の病気を除外するための検査
- 医師の管理下で行う経口負荷試験(実際に少量食べて症状が出るか確かめる検査)
- 必要に応じたアレルギー関連の検査(参考程度)
診察で予想されること
診断までに時間がかかることがあります。複数回の受診や専門医への紹介が必要な場合があります。経口負荷試験は、安全のため病院で管理しながら行うことがあります。
治療
治療の中心は、原因となる食品を避けることと、症状が出たときに安全に対応することです。多くの場合、日常的に飲む薬で治すものではありません。重症時は病院で水分補給などの処置が必要になります。
自宅でのセルフケア
- 原因とわかっている食品と、それを含む加工食品を避ける
- 食品表示をよく確認する
- 緊急時の対応を家族や保育園・学校と共有する
- 症状が出たときのために、かかりつけ医の指示を確認しておく
- 嘔吐や下痢があるときは、脱水に注意して水分をとる
医療治療
専門医と相談しながら原因食品を避け、栄養管理を行います。症状が重いときは病院で点滴などの処置を行うことがあります。安全が確認できた場合は、医師の管理下で少しずつ食べられるか確かめることがあります。
手術が検討される場合
通常は手術で治す病気ではありません。手術が必要と判断されることはほとんどありません。
この病気と共に生きる
食べられる安全な食品を把握し、家族や保育園・学校と情報を共有することが大切です。外食時は材料を確認し、必要に応じて事前に相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 食品表示の確認を習慣にする
- 外食や旅行のときは、安全な食品や緊急時の連絡先を準備する
- 緊急時カードや対応計画を作り、周囲と共有する
- 定期的に専門医や管理栄養士に相談する
食事と運動
安全な食品を使って栄養バランスを整えます。自己判断で除去する食品を増やさず、管理栄養士と相談しましょう。運動は通常どおり行えますが、体調に合わせて無理をしないことが大切です。
精神的健康と心の健康
食事制限や外食への不安、保護者の疲れ、子ども自身の孤立感が生じることがあります。不安が強いときは、かかりつけ医や地域の相談窓口に相談してください。つらい気持ちが続く場合は、一人で抱え込まないようにしましょう。
予防
FPIESの発症を確実に防ぐ方法は知られていません。診断後は原因食品を避けることで症状を防げますが、自己判断で食品を除去しすぎないようにしましょう。
ワクチン
FPIESはワクチンが原因の病気ではありません。定期接種は、医師と相談しながら予定どおり受けるのが一般的です。
検診プログラム
症状がない人に行う決まったスクリーニング検査はありません。気になる症状がある場合は、食べたものと症状を記録して受診してください。
合併症
治療しない場合
- 脱水(体の水分が足りなくなること)
- ショック(血圧が下がるなど体の状態が急に悪くなること)
- 体重が増えにくい、成長の遅れ
- 栄養不足
- 食事への不安やストレス
長期的な見通し
多くの子どもは数年かけて食べられるようになります。大人まで続く例もありますが、原因食品を避け、緊急時の対応を準備することで、安心して生活できることが多いです。定期的に医師と相談しながら進めましょう。
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最終更新: 2026年10月23日
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