皮膚の真菌感染症(水虫など): 受診が必要なサインとセルフケア
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
皮膚の真菌(カビの一種)が原因で起こる感染症です。代表的なものに水虫(足白癬)、たむし(体部白癬)、いんきんたむし(股部白癬)などがあります。感染力はありますが、正しく治療すれば治る病気です。
重要な事実
- 真菌は高温多湿の環境を好みます。
- 自己判断で治療をやめると再発しやすいのが特徴です。
- 症状が似ていても、湿疹や乾癬など別の皮膚病のこともあります。
とてもありふれた皮膚の病気です。日本の調査では、水虫(足白癬)だけでも数百万人の感染者がいると推定されています。
子どもから高齢者まで誰にでも起こりますが、汗をかきやすい人、通気性の悪い靴をよく履く人、免疫力が低下している人に多く見られます。
症状
- 呼吸が苦しい
- 顔やのどがはれる
- 意識がもうろうとする
- 全身に急に赤い発疹が広がる
- ⚠発熱を伴う
- ⚠赤みが急速に広がる
- ⚠痛みや腫れが強い
- ⚠患部から膿(うみ)が出たり、強い臭いがある
一般的な症状
- かゆみを伴う赤い発疹
- 皮膚がふやけて白っぽくなる(特に足の指の間)
- 皮膚がむけたり、ポロポロと粉をふく
- 小さな水ぶくれができる
- 皮膚が厚くなり、ひび割れる
子供の症状
- 頭や顔にフケのような白いかさぶたができる
- 体や顔にリング状(円形)の発疹が広がる
- かゆみでかきむしり、とびひ(細菌感染)を起こすこともある
高齢者の症状
- 赤みやかゆみが目立たず、乾燥やかさつきだけのこともある
- 足の爪が黄白色に濁ったり、厚くなったりする
- 免疫力が弱っていると、股や体など広い範囲に広がりやすい
原因
主な原因
- 白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚の角質層に入り込んで増えることで起こります。
- 感染した人や動物の皮膚、はがれ落ちた角質に触れることでうつります。
- バスマット、床、靴、タオルなどを介してうつることもあります。
リスク要因
- 高温多湿の環境(梅雨や夏場、蒸れやすい衣類)
- 汗をかきやすい体質
- 足の指の間がふやけて皮膚が弱っている
- 糖尿病や免疫を抑える治療などで免疫力が低下している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 症状が急速に広がってきた
- 痛みや赤みが強く、腫れている
- 発熱がある
- 糖尿病などの持病があり、症状が悪化している
定期受診を予約すべき場合:
- 皮膚に輪っか状の発疹やかゆみが続く
- 足の指の間に白いふやけた皮膚ができている
- 爪が白く濁ったり、厚くなってきた
- 自己判断の薬を1週間以上試してもよくならない
診断
医師が皮膚の状態を視診し、症状の経過を聞いて診断します。ほかの皮膚病と見分けるために、顕微鏡検査を行うことが一般的です。
行われる可能性のある検査
- 皮膚を小さくこすって採取し、顕微鏡で真菌を確認する検査(KOH鏡検)
- 真菌を培養して種類を調べる検査
- 必要に応じて血液検査が行われることもあります
診察で予想されること
診察は10分ほどで終わることが多く、皮膚をそぎ取る検査も瞬間的な痛みだけで、すぐに終わります。検査結果がその場で分かることもあります。治療には軟膏(塗り薬)や飲み薬が使われ、数週間から数か月の通院が必要になる場合があります。
治療
真菌感染症の治療は、真菌の増殖を抑える薬が中心です。皮膚科医の指示に従って、症状が消えても一定期間は治療を続けることが、再発を防ぐために重要です。
自宅でのセルフケア
- 患部を清潔に保ち、洗ったあとはよく乾かす
- かゆみがあってもかきむしらず、冷やすなどして対処する
- 通気性の良い靴下や靴を選び、汗をかいたらすぐに着替える
- タオルやスリッパは家族と分けて使う
医療治療
治療は主に外用薬(塗り薬)を使います。広い範囲や爪に感染がある場合には、内服薬(飲み薬)が使われることもあります。どの薬を使うかは医師が診察して決めるため、自己判断で市販薬に頼り続けるのは避けましょう。
手術が検討される場合
真菌感染症に関して、手術が必要になることはまれです。爪の感染で薬が効きにくい場合に、医師が外来で爪の処置をすることはありますが、大多数は薬で治療できます。
この病気と共に生きる
治療中も普段の生活は問題なく送れます。感染を広げないためには、衣類やタオルを清潔に保ち、家族と共有しないことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 毎日足を洗い、指の間までしっかり乾燥させる
- 靴は2足以上をローテーションして、しっかり乾かす
- 爪は短く切り、深爪やかき傷を避ける
食事と運動
特別な食事制限は必要ありません。バランスの良い食事と十分な睡眠で健康な皮膚を保ちましょう。運動もかまいませんが、汗をかいた後はすぐに着替えて清潔にしてください。
精神的健康と心の健康
見た目の症状や長引くかゆみのために、ストレスや不安を感じることもあるでしょう。治療の見通しを医師にしっかり聞くことで、不安が和らぐことが多いです。周囲にうつすのではと心配な場合は、医療者に相談してください。
予防
真菌感染症を完全に防ぐ方法はありませんが、皮膚を清潔で乾燥した状態に保つことでリスクを大きく減らせます。
ワクチン
現在、真菌感染症を予防するワクチンはありません。
検診プログラム
真菌感染症のための定期的な健診は特にありませんが、皮膚の異常に早めに気づき、医療機関を受診することが早期治療につながります。
合併症
治療しない場合
- 発疹が全身に広がることがあります。
- 爪に感染が及ぶと、爪が変形し治りにくくなります。
- かき壊して細菌が入ると、とびひや蜂窩織炎(皮膚の深い部分の細菌感染)を起こすことがあります。
長期的な見通し
正しい治療とセルフケアを続ければ、多くの場合は数週間から数か月でよくなります。爪の真菌感染症は完治まで数か月以上かかることもありますが、根気よく治療すれば改善が期待できます。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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