胆嚢(たんのう)の病気と、家族の暮らし
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
胆嚢は、肝臓でつくられた胆汁(たんじゅう)をためておく小さな臓器です。胆汁は脂肪の消化を助ける働きがあります。胆嚢に石ができる(胆石症)ことや、炎症が起こることがありますが、多くは適切な治療で良くなります。
重要な事実
- 胆嚢の病気は、おなかの右上に痛みが出ることがあります。
- 胆石があっても、症状がないこともあります。
- 胆嚢を摘出しても、消化はほとんど問題になりません。
はい、とてもよく見られる病気です。日本では、胆石を持っている方は推定で数百万人いると言われています。食習慣の変化や高齢化に伴い、増えています。
女性、40歳以上の人、太っている人、糖尿病のある人、急激なダイエットをした人に多く見られます。妊娠中の女性もかかりやすいです。
症状
- 突然の強いおなかの痛み(我慢できないほど)
- 高熱(38度以上)とおなかの痛み
- 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
- 吐き続けて水も飲めない
- ⚠激しい痛みが数時間続く
- ⚠おなかの痛みと発熱が一緒にある
- ⚠痛みがあり、吐き気や嘔吐が治まらない
一般的な症状
- おなかの右側やみぞおちの痛み(特に脂っこい食事の後に起こりやすい)
- 吐き気や嘔吐(おうと)
- 背中や右肩の痛み
- 発熱や寒気(炎症があるとき)
子供の症状
- おなかの痛みや吐き気に加えて、皮膚や白目が黄色くなることがあります。
- 食べる量が減ったり、体重が増えにくくなることがあります。
高齢者の症状
- 症状がはっきりしないことが多く、食欲不振や元気がないといった変化だけのこともあります。
- 高齢では重症化しやすいので、注意が必要です。
原因
主な原因
- 胆汁のバランスが崩れ、胆汁の中のコレステロールが固まってできる胆石
- 胆嚢の細菌感染による炎症(急性胆嚢炎)
- 胆嚢の働きが悪くなる食べ過ぎや、不規則な食事
リスク要因
- 女性であること
- 40歳以上
- 肥満体質
- 急激な体重減少(ダイエット)
- 糖尿病や高脂血症(脂質異常症)などの持病
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- おなかの痛みが数時間続く、または悪化する
- 痛みと一緒に発熱、寒気、黄疸がある
- 吐き気や嘔吐が続いて水分が取れない
定期受診を予約すべき場合:
- 脂っこい食事の後におなかが痛くなることがある
- みぞおちや右わき腹の軽い痛みが続く
- 健診で胆石を指摘されたが、症状がなくて不安
診断
おなかの触診と、血液検査や画像検査で診断します。特に超音波検査(エコー)では、胆嚢の形や石の有無がよくわかります。
行われる可能性のある検査
- 超音波検査(腹部エコー)
- 血液検査(炎症や肝臓の状態を調べます)
- CT検査(他臓器や結石の状態を詳しく調べます)
- MRI検査(胆管の状態を細かく見ます)
診察で予想されること
超音波検査は痛みがなく、10分程度で終わります。血液検査は腕から採血するだけで、特に体に負担はありません。多くの場合、その場である程度の結果がわかります。
治療
治療は症状の有無や程度によって異なります。症状がなければ経過観察が基本です。痛みや炎症がある場合は、食事の調整や薬、場合によっては手術が検討されます。
自宅でのセルフケア
- 脂っこい食事を控え、野菜や魚を中心にしたバランスの良い食事を心がける
- 飲酒や冷たい飲み物を控えめにする
- 痛みが出たときは、無理をせず安静にする
- 早食いや食べ過ぎを避け、規則正しい食生活を送る
医療治療
結石を溶かす飲み薬や、痛みを和らげる薬などが使われることがあります。ただし、結石の性質や大きさによっては効果が限られます。薬の使用や治療の選択肢については、医師とよく相談してください。
手術が検討される場合
強い痛みがくり返す場合、炎症を起こした場合、結石が大きい場合などは、胆嚢を摘出する手術(胆嚢摘出術)が検討されます。現在は、おなかに小さな穴を開けて行う腹腔鏡手術が一般的で、回復も比較的早いです。
この病気と共に生きる
胆嚢の病気があっても、日々の生活を大きく変える必要はありません。まずは症状を出す食品や場面を知り、少しずつ工夫していくことが大切です。家族で一緒に食事の内容を考えると、負担が減ります。
生活習慣のアドバイス
- 週に2回以上の軽い運動(ウォーキングなど)を習慣に
- 体重の急激な増減を避け、適正体重を保つ
- 禁煙を心がける(喫煙は胆嚢の病気のリスクを高めます)
- 規則正しい睡眠と十分な休養を取る
食事と運動
食事は、低脂肪で食物繊維が豊富なもの(野菜、果物、全粒穀物)を基本にしましょう。揚げ物や脂身の多い肉、生クリームなどの脂質は控えめに。アルコールは1日1合程度までに。運動は食後に軽い散歩をするだけでも効果があります。
精神的健康と心の健康
繰り返す痛みや、食事の制限があると、気持ちが落ち込むこともあります。イライラや不安は胆嚢の症状を悪化させることがあります。無理をしないで、家族や友人に話すこと、好きなことを見つけることも大切です。
予防
胆石を完全に予防することは難しいですが、生活習慣の見直しでリスクを下げることはできます。バランスの良い食事、適度な運動、体重管理、そして規則正しい食事が基本です。
ワクチン
この病気に対する特別なワクチンはありません。
検診プログラム
健康診断の腹部超音波検査で、症状がなくても胆石が見つかることがあります。定期的な健診を活用しましょう。
合併症
治療しない場合
- 胆嚢炎(胆嚢の炎症)を起こし、強い痛みや発熱が出る
- 胆石が胆管に詰まって、黄疸や感染症を引き起こすことがある
- 膵炎(すい炎)を併発することがある
長期的な見通し
胆嚢の病気は、多くの場合、予後が良い病気です。適切な治療と生活管理を行えば、症状は改善し、普通の生活に戻れます。胆嚢を摘出しても、体に大きな影響はなく、多くの人は数週間で普段どおりの生活が可能です。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。