胆のうのトラブルを見逃さないために
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
胆のうは、肝臓の下にある小さな袋のような臓器で、食べ物の脂肪を消化するための「胆汁(たんじゅう)」をためて、食後に出す働きをしています。胆のうのトラブルとは、この胆のうや胆汁の通り道で、結石(石)ができたり、炎症が起きたりすることを指します。
重要な事実
- 胆のうに石ができても、症状がない方は約7割から9割いるとされています。
- 症状のない胆石は、必ずしもすぐに治療する必要はありません。
- 急な右上腹部の痛みや発熱は、胆のうの炎症など重大な合併症のサインの可能性があります。
日本の成人のおよそ10人に1人が胆石を持つといわれており、とても身近な病気です。
女性、40歳以上、妊娠経験のある方、肥満の方、急激なダイエットを行った方に多く見られます。
症状
- 我慢できないほどの激しい腹痛が続く場合は、すぐに119番に電話してください。
- 腹痛に加えて高熱や悪寒(おかん)がある場合は、すぐに119番に電話してください。
- 皮膚や白目が黄色くなり、激しい痛みを伴う場合は、すぐに119番に電話してください。
- 意識がぼんやりする、ぐったりしている場合は、すぐに119番に電話してください。
- ⚠腹痛が数時間以上続く場合は、今日中に医療機関を受診してください。
- ⚠吐き気やおう吐が治まらない場合は、今日中に医療機関を受診してください。
- ⚠尿がコーラのように濃い、便の色が白っぽい場合は、今日中に医療機関を受診してください。
一般的な症状
- みぞおちから右上腹部にかけての突然の痛み
- 脂っこい食事のあとに起きやすい腹痛や不快感
- 吐き気やおう吐
- おうだん(皮膚や白目が黄色くなる)
- 発熱や寒気
子供の症状
- 子どもでは胆石の頻度はまれですが、遺伝性の血液の病気などが原因でできることがあります。
- 腹痛だけでなく、おうだんや尿の色が濃くなるなどの症状に気づきやすいです。
高齢者の症状
- 高齢では痛みを感じにくく、無症状で進行することがあります。
- 発熱や食欲低下、意識がもうろうとするなど、全身の症状が目立つことがあります。
原因
主な原因
- 胆石(コレステロールやビリルビンが固まったもの)
- 胆のうや胆管の炎症(胆のう炎・胆管炎)
- 胆のうポリープや腫瘍
- 胆汁の流れが滞ることで起こる胆汁うっ滞
リスク要因
- 肥満・メタボリックシンドローム
- 高脂肪・高カロリーの食事
- 急激な体重減少や断食
- 40歳以上
- 家族に胆石の方がいる
- 肝硬変や糖尿病などの持病がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい腹痛が続く場合は、今日中に受診してください。
- 発熱やおうだんを伴う場合は、すぐに受診してください。
- 症状が悪化している場合は、自己判断せずに医療機関へ連絡してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 脂っこい食事の後に繰り返し腹痛がある
- みぞおちの不快感が続く
- 検診で胆石を指摘されて気になる
診断
問診で症状を確認し、腹部の超音波(エコー)検査や血液検査を行います。必要に応じてCTやMRIを追加することもあります。
行われる可能性のある検査
- 腹部超音波検査(お腹からプローブを当てる痛みのない検査)
- 血液検査(炎症の有無や肝臓・胆道系の酵素を調べます)
- CT検査
- MRI検査
診察で予想されること
多くの場合、外来で検査を受けられます。超音波検査は、検査時間も短く、妊娠中でも安全な部類の検査です。診断が確定したら、治療方針について医師から説明があります。
治療
治療は症状の有無と合併症のリスクで決まります。無症状なら経過観察、症状がある場合は手術や薬による治療を検討します。
自宅でのセルフケア
- 食事は脂っこいものを避け、1回の量を控えめにしましょう。
- 急激なダイエットは胆汁の状態を悪化させるため、緩やかな減量を心がけましょう。
- 市販の「胆石対策」や「肝臓にいい」とされる健康食品を自己判断で使わないようにしましょう。
医療治療
痛みが出る場合は、医師の処方する痛み止めや、炎症があれば抗生物質を使うこともあります。最近では、症状のない胆石に対して石を溶かす内服薬を使うことはほとんどありません。必ず医師の説明と指示に従ってください。
手術が検討される場合
症状がある胆石や胆のう炎を繰り返す場合には、胆のうを摘出する手術(胆のう摘出術)が広く行われています。最近はお腹に小さな穴をあける腹腔鏡手術が主流で、入院期間も短いことが多いです。
この病気と共に生きる
胆のうの病気と診断されたら、まずは主治医と治療方針を確認しましょう。症状がなくても、急な腹痛や発熱は合併症のサインです。無理をせず、体の変化を見逃さないことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 食事は規則正しく、1日3食を心がける
- 揚げ物や脂身の多い肉類を控えめにする
- 週に数回はウォーキングなどの軽い運動を行う
- 禁煙、節酒を心がける
食事と運動
野菜や海藻、豆腐などの食物繊維が多い食品を積極的に取り入れましょう。運動は急に始めるのではなく、散歩やストレッチなど軽めから始めるのがおすすめです。
精神的健康と心の健康
腹痛が続くと不安になることもありますが、検査できちんと診断すれば、多くの場合治療で良くなります。症状のない胆石を指摘されて心配になる方もいますが、専門医の判断を聞いてみましょう。
予防
胆石そのものを完全に予防する方法は確立されていませんが、バランスのよい食事と適度な運動、緩やかな減量は、症状を減らすのに役立つといわれています。
ワクチン
胆のうの病気を直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
一般的な健康診断では胆のうの検査は含まれないことが多いですが、腹部超音波検査を受けた際に偶然見つかることもあります。気になる場合は、かかりつけ医に相談してみましょう。
合併症
治療しない場合
- 急性胆のう炎:胆のうが急に腫れて強い痛みや発熱を起こす
- 胆管炎:石が胆管をふさぎ、胆汁が逆流して細菌感染を引き起こす
- 急性膵炎:胆石がすい臓の出口をふさぐことで炎症を起こす
- 敗血症:細菌が血液中に入り全身に炎症が広がる重い状態
長期的な見通し
胆のうの病気は、適切に診断されて治療すれば、予後は良好です。特に胆石による症状は、手術によって多くの方が改善します。合併症のサインに早く気づくことが回復への近道です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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