子供の胆嚢(たんのう)の病気
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
胆嚢(たんのう)は、おなかの右側、肝臓の下にある小さな袋のような臓器です。脂肪の消化を助ける「胆汁(たんじゅう)」という液体をためる働きがあります。この胆嚢に、石ができたり、炎症が起きたり、動きが悪くなったりする病気をまとめて「胆嚢の病気」と呼びます。
重要な事実
- 胆嚢の病気は、大人より子供には多くありませんが、子供にも起こります。
- 多くはおなかの痛みや吐き気などの症状が出ます。
- 早く見つけて治療すれば、ほとんどの子供は元気に暮らせます。
子供の胆嚢の病気は、大人に比べるとまれです。しかし、食生活の変化や肥満の増加により、子供でも見つかることが増えています。
学童期(がくどうき)から思春期の子供に多く見られます。特に、肥満の子供や、溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)という血液の病気がある子供は、胆石ができやすいと言われています。
症状
- 急に強いおなかの痛みが続く(すぐに119番に電話)
- 高熱(38度以上)が出る(すぐに119番に電話)
- 皮膚や白目が黄色くなる(すぐに119番に電話)
- 吐き続けて水分がとれない(すぐに119番に電話)
- 便の色が白っぽくなる(すぐに119番に電話)
- ⚠おなかの痛みが何度も繰り返す
- ⚠痛みが治まっても食事がとれない
- ⚠尿の色が濃いお茶のようになる
一般的な症状
- おなかの右側(みぎがわ)または真ん中あたりの痛み
- 吐き気や嘔吐(おうと)
- 黄疸(おうだん):皮膚や白目が黄色くなる
子供の症状
- 思春期前の子供では、痛みの場所がはっきりしないことがあります。
- 食事、特に油っぽいものを食べた後におなかが痛くなることがあります。
- 痛みは数十分から数時間続くことがあります。
原因
主な原因
- 胆石(たんせき):胆汁の中の成分が固まって石のようになる
- 胆嚢炎(たんのうえん):胆嚢に細菌が感染して炎症が起きる
- 胆嚢の動きが悪い(胆嚢機能不全)
リスク要因
- 肥満(ひまん)
- 急な体重減少
- 溶血性貧血などの血液の病気
- 家族に胆石の人がいる
- 一部の薬剤の使用(まれ)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- おなかの痛みが強く、日常生活に支障がある
- 黄疸がある
- 発熱を伴う
定期受診を予約すべき場合:
- 脂肪の多い食事のあとに、くり返しおなかが痛む
- 吐き気や消化不良が続く
診断
問診(症状の聞き取り)と診察のあと、おなかの超音波(ちょうおんぱ)検査(エコー)や血液検査を行います。超音波検査は、痛みがなく体の中の様子を画面に映す検査です。
行われる可能性のある検査
- 超音波(エコー)検査
- 血液検査
- 場合によってCT検査
診察で予想されること
検査は痛みを伴いません。超音波検査では、おなかにゼリーを塗って器械を当てるだけで、10〜20分ほどで終わります。結果はその日にわかることが多いです。
治療
治療は、症状の程度や原因によって異なります。石が小さく症状がなければ、経過観察(けいかかんさつ)という、定期的に検査をしながら様子を見る方法をとることもあります。症状が強い場合は、炎症を抑える治療や手術が検討されます。
自宅でのセルフケア
- 油っぽい食事を控える
- 水分を十分にとる
- 痛みが起きたら安静にする
医療治療
医療機関では、炎症や痛みを抑える薬を使う治療や、胆汁の流れをよくする治療が行われることがあります。細菌感染があった場合は、抗菌薬(こうきんやく)を使うこともあります。お子さんの状態に合わせて、医師が最適な方法を選びます。このため、自己判断で薬を使わずに、小児科で相談してください。
手術が検討される場合
重度の胆嚢炎がくり返す場合や、胆石が大きい・症状が強い場合は、手術で胆嚢を取り除く「胆嚢摘出術(たんのうてきしゅつじゅつ)」が行われることがあります。腹腔鏡(ふくくうきょう)という小さなカメラを使う手術なら、おなかの傷が小さく、回復も早いです。ただし、手術が必要かどうかは専門医がお子さんに合わせて判断します。
この病気と共に生きる
治療後は、多くの子供が普通の生活に戻れます。胆嚢を取っても、体は胆汁を直接肝臓から出すため、生活に大きな支障はありません。ただし、術後しばらくは脂肪の消化が弱くなることがあるので、食事に気をつけましょう。
生活習慣のアドバイス
- バランスのよい食事を心がける
- 規則正しい生活と十分な睡眠
- 適度な運動を続ける
- 体重を増やしすぎない
食事と運動
脂肪の多い食事を控え、野菜や果物、食物繊維を多くとるようにしましょう。急な食事制限は逆効果になることもあるため、無理なく続けることが大切です。運動は、散歩や遊びなど無理のない範囲で毎日続けましょう。
精神的健康と心の健康
繰り返す腹痛や入院・手術は、お子さまにとって心配や不安な体験です。保護者は、よく話を聞き、「治る病気であること」を伝え、安心させてあげてください。学校生活への影響がある場合は、先生と相談することもできます。
予防
すべての胆嚢の病気を予防することはできませんが、健康的な食事と運動習慣で、胆石のリスクを減らすことはできます。
ワクチン
胆嚢の病気を直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
健康な子供に定期的なスクリーニング検査は推奨されていません。ただし、高リスクの子供は医師の判断で検査が行われることがあります。
合併症
治療しない場合
- 胆嚢炎が悪化して強い痛みや高熱が続く
- 膵炎(すいえん)を起こすことがある
- 胆嚢に穴があく(穿孔)ことがある
長期的な見通し
多くの子供は、適切な治療を受ければ症状は改善し、後遺症なく元気に暮らせます。胆嚢を摘出しても、食事や生活を工夫すれば不自由なく生活できます。心配なことは医師に相談しながら、前向きに治療を続けてください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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