胆のうを取る手術(胆のう摘出術)
概要
胆のうは、肝臓の下にある小さな袋のような臓器で、肝臓で作られた胆汁(消化を助ける液体)をためておく役割があります。胆のう摘出術は、胆石や胆のうの炎症などで問題が起きたときに、この胆のうを手術で取り除く治療です。胆のうがなくても、胆汁は肝臓から直接腸へ流れるため、多くの人は通常の生活を続けられます。
重要な事実
- 胆のう摘出術は、おなかの手術の中でもよく行われる手術の一つです。
- 多くの場合、おなかに小さな穴を開けて行う腹腔鏡手術が選ばれます。
- 胆のうを取った後も、消化は肝臓から出る胆汁で行われます。
- 手術後は、しばらく脂っこい食事でおなかがゆるくなるなど、消化の変化がみられることがあります。
はい。胆のう摘出術は、腹部の手術の中でも比較的よく行われる手術です。胆石は成人の多くに見られ、その一部の人が痛みや炎症のために手術を必要とします。
胆のうの病気は、女性、特に40代以降の方に多くみられます。肥満、急な減量、妊娠、家族に胆石のある人がいる場合などに起こりやすいです。子どもではまれですが、肥満や特定の血液の病気があると起こることがあります。
症状
- 突然の激しい腹痛で動けない、腹を触ると硬い
- 高熱と黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)が一緒にある
- 意識がもうろうとする、呼吸が苦しい、冷汗が出る
- これらの症状がある場合は、ためらわずに119番へ電話してください。
- ⚠右上腹部の痛みが数時間以上続く
- ⚠発熱や寒気がある
- ⚠何度も嘔吐し、水分がとれない
- ⚠皮膚や白目が黄色くなる、尿が濃い色になる、便が白っぽくなる
一般的な症状
- 食後、特に脂っこいものを食べた後に、みぞおちや右上腹部が痛む
- 痛みが右肩や背中に広がる
- 吐き気、嘔吐、おなかの張りや膨満感
- 発熱や寒気(胆のうに炎症があるとき)
- 消化不良のような不快感が繰り返す
子供の症状
- 子どもでは胆のうの病気はまれですが、肥満や急な減量、特定の血液の病気があると起こることがあります。
- 症状がはっきりせず、おなかの痛みや吐き気として現れることがあります。
- 子どもの腹痛が続く場合は、小児科やかかりつけ医に相談してください。
高齢者の症状
- 高齢者では、痛みが軽く感じられたり、はっきりしないことがあります。
- 一方で、炎症や感染が進みやすいため、早めの受診が大切です。
- 発熱、食欲がない、元気がないといった変化も見逃さないようにしましょう。
原因
主な原因
- 胆石(胆のうの中に石のようなものができる)
- 胆のうの炎症(胆のう炎)
- 胆汁の流れが悪くなることによる痛みや炎症
- 胆のうのポリープや、胆のうの動きが悪くなる状態
リスク要因
- 女性であること、特に40代以降
- 急なダイエットや急な体重減少
- 家族に胆石のある人がいる
- 特定の血液の病気(赤血球が壊れやすい病気など)
- 長期間、食事をほとんどとらない状態が続くこと
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 右上腹部の強い痛みが続く
- 発熱、寒気、黄疸がある
- 繰り返す嘔吐で水分がとれない
- 痛みで眠れない、日常生活が難しい
定期受診を予約すべき場合:
- 脂っこい食事の後に、同じような痛みや不快感が繰り返す
- 健診や超音波検査で胆石を指摘された
- 手術を勧められたが、不安や質問がある
- 手術後の傷の痛みや消化の変化が気になる
診断
まず問診で、痛みの場所や起こり方、食事との関係を聞きます。その後、腹部の診察と超音波検査などを行い、胆のうの状態や胆石の有無を確認します。必要に応じて血液検査や画像検査を追加します。
行われる可能性のある検査
- 腹部超音波検査(おなかの上から機械を当てて胆のうを調べる)
- 血液検査(炎症や肝臓・胆道の状態を調べる)
- CT検査やMRI検査(詳しい画像で胆のうや周りの臓器を調べる)
- 胆道シンチグラフィ(胆汁の流れを調べる検査)
- 内視鏡を使った検査(胆管に石がある場合など)
診察で予想されること
超音波検査は痛みがなく、短時間で終わることが多いです。検査によっては食事を控える必要があります。結果の説明を受け、症状や検査結果を合わせて手術が必要かどうかを相談します。
治療
胆のう摘出術は、症状のある胆石や胆のうの炎症に対して行われることが多い治療です。多くの場合は腹腔鏡手術で、おなかに小さな穴を数か所開けて行います。状態によっては開腹手術が選ばれることもあります。手術以外に、症状が軽い場合は食事の工夫や経過観察が選ばれることもあります。
自宅でのセルフケア
- 手術前は、脂っこい食事を控えめにして痛みの誘発を避ける
- 水分をしっかりとる
- 手術後は、医師や看護師の指示に従って傷を清潔に保つ
- 手術後は無理のない範囲で早めに体を動かし、回復を助ける
- 痛みや発熱、傷の赤みなど気になる変化は早めに相談する
医療治療
医師の判断で、痛みをやわらげる治療、点滴、感染がある場合の治療などが行われることがあります。胆管に石がある場合は、内視鏡を使って石を取り除く処置が行われることもあります。治療方針は、症状や検査結果、年齢や持病を考慮して決められます。
手術が検討される場合
痛みの発作が繰り返される場合、胆のう炎を起こした場合、胆管の石や膵臓の炎症を合併した場合、胆のうに大きなポリープがある場合などに手術が検討されます。手術の必要性や時期は、医師とよく相談して決めましょう。
この病気と共に生きる
胆のうを取った後は、肝臓で作られた胆汁が直接腸へ流れます。多くの人は問題なく生活できますが、手術後しばらくは脂っこい食事でおなかがゆるくなったり、張ったりすることがあります。時間とともに落ち着くことが多いですが、気になる場合は医師に相談してください。
生活習慣のアドバイス
- 食事は一度にたくさん食べず、少量を回数に分けてとる
- 非常に脂っこい食事は控えめにし、様子を見ながら少しずつ慣れる
- 急なダイエットや極端な食事制限を避ける
- バランスのよい食事と適度な運動を続ける
- 手術後は医師の指示に従って通院し、傷の回復を確認する
食事と運動
厚生労働省がすすめるように、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事と、無理のない範囲の運動を心がけましょう。手術後は、体調を見ながら歩くなどの軽い運動から始め、徐々に戻していくとよいです。脂っこいものを食べたときの体調を記録すると、自分に合った食べ方が見つけやすくなります。
精神的健康と心の健康
手術に対する不安や、手術後の生活の変化への心配は自然なことです。不安が強いときは、医師や看護師に質問したり、家族や友人に気持ちを話したりしてください。つらい気持ちが続く場合は、一人で抱えず、かかりつけ医や地域の相談窓口に相談しましょう。命に関わる緊急時は119番へ連絡してください。
予防
すべての胆のうの病気を防ぐことはできませんが、胆石のリスクを下げることはできます。健康的な体重を保ち、急に減量しないこと、バランスのよい食事をとること、適度に体を動かすことが大切です。
ワクチン
胆のう摘出術や胆石を防ぐワクチンはありません。
検診プログラム
症状がない人に胆のう摘出術を勧めるための決まったスクリーニングはありません。健診や超音波検査で胆石を指摘された場合は、症状と合わせて医師に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 痛みの発作が繰り返され、日常生活に支障が出ることがある
- 胆のうの炎症が進み、感染や膿がたまることがある
- まれに胆のうに穴が開く(穿孔)ことがある
- 胆管に石が詰まり、黄疸や膵臓の炎症を起こすことがある
長期的な見通し
胆のう摘出術を受けた多くの人は、回復後は通常の生活に戻れます。手術後の消化の変化は一時的なことが多く、食事の工夫で改善していきます。心配な症状があるときは早めに相談しながら、焦らず回復を進めていきましょう。
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最終更新: 2026年10月23日
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