ギャンブル依存(ギャンブル障害)について
概要
ギャンブル障害は、ギャンブルをやめたい、減らしたいと思っても、自分ではコントロールが難しくなってしまう状態です。お金の問題だけでなく、気持ち、体、人間関係や生活全体に影響します。脳の「報酬」に関わる仕組みが関係すると考えられていて、意志が弱いから起こるのではなく、治療できる健康上の問題です。
重要な事実
- ギャンブル障害は「性格の問題」ではなく、治療や支援の対象となる健康上の問題です。
- パチンコ、公営競技、スポーツベッティング、オンラインカジノなど、形式を問わず起こりえます。
- 早めに誰かに相談するほど、生活を取り戻しやすくなると言われています。
日本でも決して珍しいものではありません。調査によって数字は変わりますが、一定の割合の人が経験していると報告されています。スマートフォンから24時間賭けができる環境が広がり、若い人にも増えていると言われています。
年齢、性別、職業を問わず、誰にでも起こりえます。10代後半から20代の若い人、借金やお金の心配を抱える人、うつや不安などの悩みを抱える人に多いと報告されています。本人だけでなく、家族や身近な人も影響を受けます。
症状
- 自分を傷つけたい気持ちがある、消えたいと考える
- 死にたいと考える、またはその準備をしている
- 自分や周りの人を傷つける恐れがある、暴力が起きている
- これらのサインがあるときは、ためらわずに119番(救急)に連絡するか、救急外来を受診してください
- ⚠借金の返済に追い詰められている、生活費がなくなった
- ⚠借金の取り立てや脅し、暴力を受けている
- ⚠強い不安、不眠、パニックが続き、日常生活が保てない
- ⚠これらは、できるだけ早く(当日から数日中に)医療機関や相談窓口に相談してください
一般的な症状
- ギャンブルをする時間や金額を自分で決められず、やめようとしてもやめられない
- ギャンブルをしないと落ち着かず、イライラしたり、そわそわしたりする
- 失ったお金を取り戻そうとして、さらに賭けてしまう
- ギャンブルのことが頭から離れない、次の機会のことばかり考える
- 借金をしたり、家族や友人からお金を借りたりする
- ギャンブルのことを家族や周りに隠す、嘘をつく
- 仕事、学校、家事、睡眠など、毎日の生活が乱れる
- 罪悪感、後悔、自分への嫌悪感を感じる
子供の症状
- 10代では、ゲーム内のアイテムやガチャ、オンラインでの賭けごとなどにお金を使いすぎる形で現れることがあります
- お小遣いや貯金がなくなる、お金の使い方を隠す、嘘をつく
- スマートフォンやゲームの時間が急に増え、学校を休みがちになる
- 大人が気づきにくいことが多いため、日ごろの様子の変化に注意が必要です
高齢者の症状
- 退職後の時間や孤独、限られた収入の中で、パチンコや公営競技に使うお金が増えることがあります
- うつや、大切な人を亡くした悲しみ、体の変化などが関係する場合があります
- 「楽しみの一つだから」と見過ごされやすいので、家族が気づいたら早めに相談しましょう
原因
主な原因
- 脳の報酬系(気持ちよさや興奮に関わる仕組み)が関係すると考えられています
- ギャンブルの刺激で「もっと」と感じる回路が強まり、やめにくくなることがあります
- ストレス、不安、孤独などをやわらげる手段として使われることがあります
- 遺伝的な傾向や生育環境、うつや注意欠如・多動症(ADHD)など他の健康問題との関連も報告されています
リスク要因
- 若い頃からギャンブルを始める
- スマートフォンから24時間賭けができる環境(オンラインカジノなど)
- うつ、不安、ADHDなどの健康上の悩み
- 借金やお金の苦しさを抱えている
- 退職や引っ越し、大切な人との別れなど、生活の大きな変化
- 家族にギャンブルの問題を抱える人がいる
- 広告や賭けへの誘いが多い環境にいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 自分を傷つけたい、死にたいと考えている(すぐに119番へ)
- 暴力や脅しを受けている、または自分が他者を傷つける恐れがある
- 借金や生活費の問題で、生活が立ち行かなくなっている
- 強い不安や不眠、パニックが続いている
定期受診を予約すべき場合:
- やめたいのにやめられない、やめようとするとつらい
- ギャンブルに使う金額や時間が増えている
- ギャンブルのことを家族や周りに隠すようになった
- 借金がある、またはお金の心配が続いている
- イライラや不眠、気分の落ち込みがある
- 家族や身近な人が心配している、または本人が相談したいと思っている
診断
診断は問診が中心です。医師や精神保健の専門家が、ギャンブルの頻度や金額、やめようとした経験、生活への影響、気分や睡眠、借金の状況などを聞きます。本人だけでなく、家族から話を聞くこともあります。診断は「意志の問題」を責めるためではなく、必要な支援につなげるためのものです。
行われる可能性のある検査
- 特別な血液検査などで診断するものではありません
- 必要に応じて、うつや不安、睡眠、飲酒など他の健康問題の確認
- 借金や生活状況の確認
- 高齢の方では、認知機能の確認を行うことがあります
- 体の健康状態の確認
診察で予想されること
30分から1時間程度の面談が一般的です。話したくないことは話さなくて大丈夫です。プライバシーは守られます。必要に応じて、専門の医療機関や相談窓口を紹介されます。
治療
治療は「一人で頑張る」ものではなく、医療、相談、家族のサポートを組み合わせて進めます。認知行動療法などの心理療法、必要な場合の医療的な支援、借金や生活の相談、家族への支援、自助グループへの参加などが組み合わされます。調子を崩してしまうことは珍しくなく、そのたびに方法を調整していくことが大切です。
自宅でのセルフケア
- ギャンブルに使えるお金を家族に管理してもらう、口座を分けるなど、仕組みで守る
- アプリやサイトの利用制限、自己排除制度(自分で利用を止められる仕組み)を使う
- 借金の整理について、専門の相談窓口で相談する
- ギャンブル以外の楽しみを決めておく(散歩、趣味、人と会う時間など)
- 信頼できる人に打ち明ける
- 調子を崩す前のサイン(イライラする、隠したくなる、お金を借りたくなる)を書き出しておく
医療治療
心理療法(認知行動療法など)が中心になります。考え方や行動の癖を整理し、衝動への対処の仕方を学びます。必要に応じて医師が薬を検討することもありますが、薬は医師の判断で使うものです。具体的な薬の名前や量はここではお伝えしません。かかりつけ医や精神科などで相談してください。家族も一緒に相談できると安心です。
手術が検討される場合
手術で治療する病気ではありません。
この病気と共に生きる
回復は一直線ではなく、波があります。調子が良い日も悪い日もあります。小さな約束を積み重ねることが助けになります。お金の管理を仕組みで守る、ギャンブル以外の楽しみを決めておく、定期的に相談を続ける。こうしたことを少しずつ続けていくことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠を十分にとる
- 無理のない範囲で体を動かす習慣を持つ
- 飲酒を控える(衝動が強まることがあります)
- SNSや広告など、賭けへの誘いを目にする機会を減らす
- 信頼できる人と過ごす時間を増やす
- 家計を家族と一緒に確認する習慣をつける
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスの良い食事と、散歩などの無理のない運動が気分の安定に役立ちます。睡眠も大切にしてください。
精神的健康と心の健康
罪悪感、恥ずかしさ、不安、落ち込み、イライラが起こりやすいです。つらい気持ちが強いときは、自傷や自殺のリスクが高まることがあるため、一人で抱えず、すぐに医療機関や相談窓口、救急(119番)に連絡してください。あなたは一人ではありません。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、リスクを下げることはできます。ギャンブルに使う金額と時間を前もって決める、24時間アクセスできるオンラインでの賭けを避ける、借金をしない、ストレスや孤独への別の対処法を持つ。若い人には教育と大人の見守りが大切です。
検診プログラム
決まったスクリーニング検査はありませんが、かかりつけ医にギャンブルのことを話すと、適切な支援につながります。自治体や相談窓口でチェックリストが利用できることもあります。ゲームやネット上でのお金の使い方も、一緒に確認すると良いでしょう。
合併症
治療しない場合
- 借金の拡大や生活の破綻
- 家族関係の悪化
- 仕事や学業の困難
- うつ、不安、不眠
- 飲酒の問題
- 自傷や自殺のリスクの上昇
- 孤独や社会的な孤立
長期的な見通し
ギャンブル障害は治療できる健康上の問題です。相談して支援につながることで、多くの人が生活を取り戻しています。調子を崩してしまうことがあっても、また戻ってくれば大丈夫。焦らず、一人で抱えず、専門家や周りの人と一緒に進んでいきましょう。
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最終更新: 2026年10月23日
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