検査を受けるとき ― 知っておきたいこと
概要
「検査を受ける」とは、医師が体の状態をくわしく調べるために、血液や尿を調べたり、体の画像を撮ったりすることをいいます。検査は、病気を決めつけるためではなく、症状の原因を知るため、病気の進み具合を確かめるため、そして今後の方針を一緒に決めるために行われます。検査の多くは短時間で終わり、体への負担も少ないものがほとんどです。
重要な事実
- 検査には、血液検査・尿検査のような「体の成分を調べる検査」と、レントゲンや超音波のような「体の形や働きを見る検査」があります。
- 検査は治療そのものではなく、これからの方針を決めるための「判断の材料」です。
- 結果が出るまでには数日かかることがあります。日数は検査の種類によって変わります。
- 検査の内容や準備(食事を抜くかどうかなど)は検査ごとに違うので、事前に医師や看護師、薬剤師に確認しましょう。
- 痛みや不安が強いときは、遠慮なく医療スタッフに伝えてください。配慮してもらえます。
とてもよくあることです。風邪のような軽い症状でも血液検査をすることがあり、健康診断や職場の健診、妊娠の確認など、症状がないときにも検査は行われます。多くの人は年に一度は何らかの検査を受けています。
年齢を問わず、誰でも受ける可能性があります。赤ちゃんから高齢者まで、症状がある人も、症状がなくても健診を受ける人もいます。特別なことではなく、ふだんの医療の一部です。
症状
- 胸の強い痛みや圧迫感が続く
- 息が苦しい、呼吸ができない、唇や顔色が青白い
- 意識がない、またはもうろうとしている
- 突然、体の片側が動かない、ろれつが回らない、言葉が出ない(脳卒中のサイン)
- けいれんが続く、意識を失って倒れた
- 大量の出血が止まらない
- 顔やのどがはれ、息苦しさをともなう(アナフィラキシーの可能性)
- ⚠高い熱が数日続き、ぐったりしている
- ⚠急に始まった強い腹痛
- ⚠水分がとれず、尿がとても少ない(脱水のサイン)
- ⚠急に尿が出なくなった
- ⚠頭を強く打ったあと、吐き気やぼんやりする感じが続く
- ⚠傷が深い、または汚れたものでけがをして、感染が心配される
一般的な症状
- 熱が続く、せきが長引くなど、症状の原因を知りたいとき
- 体がだるい、疲れやすい、食欲がないなど、はっきりしない不調が続くとき
- 痛みの場所や程度を確かめたいとき
- 健康診断や自治体の検診で「もう少し詳しく調べましょう」と言われたとき
- 持病(高血圧や糖尿病など)の経過を定期的に確認するとき
- 手術や処置の前に、体の状態を確認するとき
- 薬の効き目や副作用を確認するとき
- 感染症が流行している時期に、接触のあった人や症状のある人を調べるとき
子供の症状
- 子どもの場合、本人がうまく症状を伝えられないことがあるため、保護者の観察が大切な手がかりになります。
- 発熱、ぐったりしている、水分がとれない、尿が少ない、機嫌が悪く泣き止まないなどは検査のきっかけになります。
- 検査の前には「痛いかもしれないけど、すぐ終わるよ」とやさしく説明すると安心しやすいです。
- 採血のときは抱っこで支える、好きなぬいぐるみを持たせるなど、病院に相談してみてください。
高齢者の症状
- 高齢の方は、重い病気でも熱が高くならないなど、症状が目立たないことがあります。
- 元気がない、食欲が落ちた、いつもと違うといった小さな変化が、検査の手がかりになることがあります。
- 脱水や栄養状態、飲んでいる薬の影響を確かめる検査が行われることもあります。
- 耳が聞こえにくい、理解しにくいときは、結果の説明を書いてもらうなど、わかりやすい方法を相談しましょう。
原因
主な原因
- 症状の原因をはっきりさせるため
- 健康診断やがん検診など、症状がない段階で病気のサインを見つけるため
- 持病の状態や治療の効果を確かめるため
- 手術や処置の前に体の状態を確認するため
- 感染症にかかっているかどうか、広がっていないかを調べるため
- 薬の効き目や副作用を確認するため
- 妊娠やホルモンの状態を確認するため
- 学校や仕事、旅行などの書類のために受ける検査
リスク要因
- 年齢が上がるにつれて、検査を受ける機会は増えます
- 家族に特定の病気が多い場合、その病気に関連する検査をすすめられることがあります
- 喫煙、飲酒、体重の変化、運動不足などの生活習慣は、検査の値に影響します
- これまでにかかった病気や、今治疗中の病気がある場合
- 仕事や生活環境で、特定の物質や感染症にふれる機会がある場合
- 海外への渡航歴や、感染症が流行している場所での接触歴
- 妊娠を考えている、または妊娠中の場合
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の痛み、息苦しさ、意識の変化など、緊急性が疑われる症状があるときは、ためらわず救急車(119)を呼んでください
- 急に始まった強い痛みや、いつもと明らかに違う状態があるとき
- けがのあと、腫れや赤みが急速に広がっているとき
- 医師に「この症状が出たらすぐ連絡を」と言われた症状が出たとき
定期受診を予約すべき場合:
- 症状が軽くても、2週間以上続くとき
- 健診で「要再検査」「要精密検査」と書かれていたとき
- 自治体から検診の案内が届いたとき
- 持病があり、決められた時期の検査が近づいているとき
- 検査結果の意味がよくわからず、不安が残っているとき
- セカンドオピニオン(別の医師の意見)を聞きたいとき
診断
まず問診(症状や生活の様子を聞くこと)と診察を行い、その内容から必要な検査を選びます。検査は「必要最小限で、なるべく体に負担の少ないもの」になるよう配慮されます。結果は医師が総合的に判断し、あなたに説明します。1つの検査だけで決まるとは限らず、いくつかの検査を組み合わせて考えることが多いです。
行われる可能性のある検査
- 血液検査:血の成分を調べ、貧血・炎症・血糖・肝臓や腎臓の働きなどを見ます
- 尿検査:腎臓や膀胱の状態、糖やたんぱくの有無を調べます
- 便検査:消化管の出血や感染症の有無を調べます
- 画像検査:レントゲン、超音波(エコー)、CT、MRIなどで体の形や状態を見ます
- 心電図:心臓の電気の動きを記録します
- 呼吸機能検査:息を吸ったり吐いたりして肺の働きを調べます
- 内視鏡検査:細い管を入れて胃や腸の内側を直接見ます
- 細菌やウイルスの検査:鼻やのどのぬぐい液などで感染症を調べます
- アレルギー検査:特定の物質への反応を調べます
- 組織検査(生検):小さな組織を採って、細胞の状態を詳しく調べます
診察で予想されること
受付で診察券や保険証を出し、問診票を書きます。待ち時間があることもあります。採血は数分で終わることが多く、針を刺すときの痛みは一瞬のことがほとんどです。検査によっては食事を抜く必要があるので、事前に確認してください。結果は当日わかるものもあれば、数日から1〜2週間かかるものもあります。説明を聞くときは、気になることをメモしておくと安心です。よくわからないときは「もう一度説明してください」と伝えてかまいません。
治療
検査そのものは「治療」ではなく、これからの方針を決めるための材料です。結果が出たあと、医師と一緒に次のステップを決めていきます。異常が見つからないこともあります。その場合も、症状が続くなら再度相談することが大切です。
自宅でのセルフケア
- 検査の前の準備(食事を抜く、水分をとる、いつもの薬を飲んでよいか)は、必ず医師や薬剤師に確認する
- 聞きたいことをメモにしておき、診察のときに見せる
- 検査結果の用紙は、なくさずに保管しておく(次回の受診で役立ちます)
- 緊張する場合は、付き添いをお願いしたり、いつもよりゆっくり話してもらうよう伝える
- 結果を待つ間は、普段どおりの生活を心がけ、睡眠を十分にとる
- 検査後に体調が悪くなったら、自己判断せず医療機関に連絡する
医療治療
結果に応じて、次のような流れになることがあります。異常がなければ経過を見る、生活習慣についてアドバイスを受ける、必要なら専門の科を紹介される、定期的に検査を続ける、症状に応じた治療を受ける、などです。治療が必要な場合も、内容や選択肢は医師から詳しく説明されます。治療の方針は、あなたの生活や希望もふまえて一緒に決めていくものです。
手術が検討される場合
検査の結果、手術や処置が必要とわかることもあります。その場合も、すぐに決める必要はなく、必要性や利益、リスク、他の選択肢について説明を受け、よく話し合ってから決めるのが一般的です。
この病気と共に生きる
検査の結果を待つ間は、落ち着かない気持ちになるのが自然です。結果が出る日をあらかじめ確認しておき、その日までは予定を詰め込みすぎず、いつもどおりに過ごすのがおすすめです。結果は必ずしも悪い知らせとは限りません。わからないことがあれば、遠慮なく医療機関に電話で聞いてみましょう。
生活習慣のアドバイス
- 検査の前後は、睡眠と食事をできるだけ整える
- 結果を記録しておくと、体の変化に気づきやすくなる
- 健診の案内や受診の予定は、スマートフォンやカレンダーに記録しておく
- 気になる症状は、その場でメモしておき、次の受診で伝える
- 検査の日は、余裕をもった予定を組み、無理をしない
食事と運動
検査の種類によっては、前の食事が結果に影響します。食事を抜く指示があった場合は必ず守ってください。ふだんの食事や運動は、血液検査の値や血圧にも関係します。特別な食事制限が必要かどうかは検査ごとに違うので、自己判断せず医師や管理栄養士に相談しましょう。ふだんから無理のない範囲で体を動かすことは、多くの検査の値を良い方向に保つ助けになります。
精神的健康と心の健康
検査を待つ間や結果を聞く前は、不安で眠れなくなったり、気持ちが落ち着かなくなったりすることがあります。それは自然な反応です。ひとりで抱え込まず、家族や友人、かかりつけ医に話してみてください。つらさが続き、日常生活に支障があるときは、医療機関やお住まいの自治体の相談窓口に相談しましょう。気持ちが追い詰められて自分を傷つけたい気持ちがわいたときは、すぐに医療機関や緊急の相談先に連絡してください。
予防
検査を受けること自体を「防ぐ」ものではありませんが、検査を定期的に受けることで、病気の早期発見や悪化の予防につながります。反対に、気になる症状を我慢して受診を遅らせると、発見が遅れることがあります。健診の案内が届いたら、面倒がらずに予定を立てることが大切です。
ワクチン
予防接種は、感染症にかかること自体を減らす助けになります。年齢や体の状態によってすすめられるワクチンは異なるため、かかりつけ医や自治体の案内を確認してください。
検診プログラム
日本では、厚生労働省の指針に基づいて、自治体が各種のがん検診や特定健診(生活習慣病を早く見つけるための健診)を行っています。対象年齢や内容は地域や年齢、性別によって異なります。職場の健康診断と合わせて、自分が受けられる検診を確認し、かかりつけ医や自治体の案内を参考に予定を立てましょう。
合併症
治療しない場合
- 病気の発見が遅れ、治療の選択肢が減ることがある
- 症状の原因がわからないまま不安が続く
- 感染症を人にうつしてしまう可能性がある
- 持病の悪化に気づけないことがある
- 治療の効果を確認できず、方針の調整が難しくなる
長期的な見通し
多くの検査は短時間で終わり、体への負担も小さいものです。結果がわかることで、安心できることも少なくありません。もし何か見つかったとしても、早い段階で対応できることが多いのが、検査を受ける大きな意味です。わからないことや不安なことは、そのままにせず、医師に何度でも相談してください。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年10月24日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.