淋病(淋菌感染症)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
淋菌という細菌が原因で起こる性感染症です。性器のほか、のどや肛門などに感染することがあります。
重要な事実
- 主に性行為によって感染します。
- 感染しても症状が出ないこともあります。
- 抗菌薬で治療できますが、放置すると不妊の原因になることがあります。
- 治療中は性行為を避け、パートナーも一緒に治療することが大切です。
日本でも特に若い世代を中心に報告が増えている感染症です。症状が出ない人も多く、実際の患者数は報告よりも多いと考えられています。
性行為をするすべての人がかかる可能性があります。特に25歳以下の若い世代に多く見られます。
症状
- 高熱と激しい腹痛(骨盤内感染症などの重症が疑われる)
- 意識がもうろうとする、血圧が下がる(敗血症ショックの疑い)
- 呼吸困難(重症ののどや気管の感染が疑われる)
- ※このような症状がある場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- ⚠排尿ができない、血尿が出る
- ⚠睾丸の強い腫れや痛み
- ⚠強い下腹部痛
- ⚠妊娠中に感染が疑われる
- ⚠パートナーが淋菌感染症と診断された
一般的な症状
- 男性:尿道から膿や透明な分泌物が出る、排尿時の痛み、尿道のかゆみ
- 女性:おおりものの増加、軽い腹痛、不正出血(※女性は症状がほとんどないことも多いです)
- のどに感染:のどの痛み、違和感
- 肛門に感染:肛門のかゆみ、痛み、出血
原因
主な原因
- 淋菌という細菌が体に入ることで起こります。
- 膣性交、肛門性交、オーラルセックスなどの性行為によって感染します。
- 感染している人の体液(精液、おりもの、尿道の分泌物など)との接触でうつります。
リスク要因
- コンドームを使わない性行為
- 複数のパートナーとの性行為
- 新しいパートナーとの性行為
- 過去に他の性感染症にかかったことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 排尿時の強い痛み、尿道から膿が出る
- 睾丸の強い痛み
- 下腹部の強い痛み
- 妊娠中に感染が疑われる
定期受診を予約すべき場合:
- 性感染症の検査を定期的に受けたいとき
- パートナーが淋菌感染症と診断されたとき
- 気になる症状が軽くても、心配なときは早めに受診
診断
医師の診察と、尿検査やぬぐい液の検査で診断します。必要に応じて血液検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 尿検査:尿の中に淋菌がいるかを調べます。
- ぬぐい液検査:尿道や子宮頸管、のど、肛門の分泌物を綿棒で採取して調べます。
- 核酸増幅検査:遺伝子を検出する精度の高い検査です。
- 培養検査:菌を増やして、どの抗菌薬が効くかを調べる検査です。
診察で予想されること
受診時には、症状や性行為の状況について聞かれます。検査自体は数分で終わり、結果は数日でわかることが多いです。プライバシーは守られるので、安心して相談してください。
治療
淋菌感染症は抗菌薬で治療します。最近では薬が効きにくい耐性菌も増えているため、医師の指示に従って治療を最後まで完了することが大切です。
自宅でのセルフケア
- 治療中は性行為を控える。
- パートナーも一緒に検査や治療を受ける。
- 水分を多めに取る。
- 安静にして十分な睡眠をとる。
- お酒は控える(治療の妨げにならないように)。
医療治療
治療は抗菌薬が中心です。症状がなくても、感染が確認されたら治療の対象になります。通常は注射または内服薬を1回または数日間使用します。医師が患者さんに合った抗菌薬を選びます。治療後は、きちんと治ったか確認するために再検査を行います。
この病気と共に生きる
治療が終わって完治が確認できるまでは、性行為を控えましょう。また、タオルや下着を共用しないようにしてください。再感染を防ぐために、パートナーも治療を受けることが重要です。
生活習慣のアドバイス
- コンドームを正しく使う。
- パートナーと性感染症について話し合う。
- 定期的に性感染症検査を受ける。
- 治療中は十分な睡眠と休息をとる。
食事と運動
特別に必要な食事や運動はありませんが、免疫力を高めるためにバランスの良い食事と適度な運動を心がけましょう。治療中は飲酒を控えるのが安心です。
精神的健康と心の健康
性感染症と診断されると、ショックや不安、恥ずかしさを感じることがあります。それは自然なことです。自分を責めすぎず、信頼できる人に話すことで、気持ちが楽になることもあります。
予防
淋菌感染症は予防できる病気です。コンドームを毎回正しく使用することで、感染のリスクを大きく減らせます。また、パートナーとお互いに検査を受けることも予防につながります。
検診プログラム
定期的に性感染症の検査を受けることが推奨されます。特に新しいパートナーができたときや、心当たりのあるときは早めに検査を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 女性:骨盤内炎症性疾患(子宮や卵巣周囲の炎症)による慢性の骨盤痛や不妊症
- 女性:子宮外妊娠のリスクが上がる
- 男性:精巣上体炎による不妊症
- まれに全身に広がり、敗血症や関節炎を起こす
- 母子感染による赤ちゃんの結膜炎
長期的な見通し
適切な治療を行えば、ほとんどの場合完治します。治療が遅れた場合でも抗菌薬で改善しますが、すでに傷ついた組織が完全に元に戻らないこともあります。だからこそ早めの受診が大切です。多くの人はきちんと治療をして完治しています。あなたも大丈夫です。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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