Hand foot and mouth disease adults
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
手足口病(手、足、口に症状が出る感染症)は、ウイルスが原因で起こる病気です。主に小さなお子さんに多いですが、大人でもかかることがあります。発熱とともに、手のひらや足の裏、口の中に水ぶくれや赤い発疹(ほっしん)が出ます。多くの場合、自然に治りますが、大人の場合は症状が重くなることがあります。
重要な事実
- 手足口病は、主にコクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因で起こります。
- ほとんどの人は1週間から10日で回復しますが、まれに合併症(例えば髄膜炎や脳炎)を起こすことがあります。
- 大人がかかると、子どもより症状が重くなることがあり、特に発疹が広がりやすく、痛みも強くなることがあります。
日本では年間を通して患者が出ますが、特に夏から秋にかけて多く見られます。大人がかかることはそれほど多くありませんが、お子さんのいる家庭や保育園・幼稚園で働く方など、子どもと接する機会の多い大人は感染しやすくなります。
主に5歳以下の子どもがかかりますが、大人でも免疫力が低下しているときや、初めて感染したときに発症することがあります。また、過去にかかったことのあるウイルスとは別の型に感染することもあります。
症状
- 意識がもうろうとしている
- けいれんが止まらない
- 呼吸が苦しそう、または息ができない
- 頭を強く打ったわけでもないのに激しい頭痛がある
- ⚠高熱(39度以上)が3日以上続く
- ⚠水ぶくれが化膿(うみ)して腫れがひどい
- ⚠口の痛みで水分がまったく取れない
- ⚠いつもと違う様子で、呼びかけに反応が弱い
一般的な症状
- 発熱(37~38度程度)
- 口の中や喉にできる痛みのある水ぶくれ(口内炎)
- 手のひら、足の裏、おしりなどにできる赤い発疹や水ぶくれ
- のどの痛み、食欲不振、だるさ
子供の症状
- 上記の症状に加えて、機嫌が悪くなる、よだれが増える、食事を嫌がる
- まれに高熱(39度以上)やけいれんを起こすことがある
高齢者の症状
- 症状が強く出やすく、発疹が広がり痛みが強い
- 発熱が長引くことがある
- 全身のだるさや関節の痛みを伴うことがある
原因
主な原因
- 主な原因はウイルスで、コクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型などが代表的です。
- 感染者のせきやくしゃみ、便、水ぶくれの液に含まれるウイルスが、口や鼻から入ることでうつります。
- 接触感染(ウイルスが付いた手や物を触った後に口に触れる)や飛まつ感染で広がります。
リスク要因
- 小さな子どもと同居している、または保育・教育施設で働く
- 免疫力が低下している(例えば、病気の治療中や疲労がたまっているとき)
- 過去に手足口病にかかったことがない(特に大人が初めて感染すると症状が出やすい)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 意識障害やけいれんがある
- 呼吸が苦しい
- 高熱が続く、または発熱がひどい
定期受診を予約すべき場合:
- 口の中の痛みが強く、食事や水分が十分に取れない
- 発疹が広がったり、痛みが強くなったりした
- 症状が1週間以上続いている
診断
医師が症状(発熱や発疹の特徴)と診察(口の中や手足の様子)から診断します。多くの場合、特別な検査は必要ありません。
行われる可能性のある検査
- 症状が非典型的な場合や、重症化が疑われる場合には、のどのぬぐい液や便を使ってウイルスを調べる検査(PCR検査など)を行うことがあります。
- まれに、髄膜炎などの合併症が疑われる場合には、髄液検査を行うこともあります。
診察で予想されること
診察は数分で終わることがほとんどです。医師が口の中や手足の発疹を確認し、必要に応じて熱のある期間や周囲に同じ症状の人がいないかなどを尋ねます。不安なことは遠慮なく質問してください。
治療
手足口病に特効薬はありません。ウイルスに対する抗ウイルス薬もなく、治療は症状を和らげる対症療法(つらい症状をやわらげる治療)が中心です。ほとんどの場合は1週間ほどで自然に治ります。
自宅でのセルフケア
- しっかり休養をとり、無理をしない
- 水分をこまめに取る(冷たい飲み物やアイスクリームなど、のどごしのよいものでもOK)
- 口の中の痛みには刺激の少ない食べ物(おかゆ、ゼリー、スープなど)を選ぶ
- 発疹は清潔に保ち、かかないようにする(爪を短く切るなど)
- 熱があれば、涼しい服装で室温を快適に保つ
医療治療
医師は症状に応じて、解熱や痛みを和らげるための薬(非ステロイド性消炎鎮痛薬など)を処方することがあります。口の中の痛みには、粘膜を保護する薬やうがい薬が使われることもあります。いずれも医師の指示に従い、自己判断で薬を使わないでください。
手術が検討される場合
通常、手術は必要ありません。
この病気と共に生きる
手足口病の間は、感染力があるため、仕事や学校は休みましょう。発疹がかさぶたになるまでは、人にうつす可能性があります。完全に回復するまでは、食器やタオルを別にするなど、家族内での感染対策を続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 手洗いをこまめに行う(アルコール消毒も効果的ですが、石けんと流水での手洗いが基本)
- タオルや食器の共用を避ける
- 十分な睡眠とバランスの良い食事で体力を維持する
食事と運動
口の中が痛いときは、刺激の少ないもの(冷たいもの、やわらかいもの)を少しずつ食べましょう。無理に運動する必要はなく、安静にして体力の回復を優先してください。
精神的健康と心の健康
口の痛みや発疹で食事や睡眠がうまく取れないと、気分が落ち込むこともあります。また、大人がかかると症状が重く、仕事を休まなければならないストレスも感じるかもしれません。無理をせず、周囲にサポートを求めてください。
予防
手足口病を完全に予防するのは難しいですが、感染リスクを下げることはできます。最も大切なのは、こまめな手洗いと、感染者との濃厚接触を避けることです。
ワクチン
現在、日本で手足口病に対する一般的なワクチンはありません。ただし、エンテロウイルス71型による重症化を防ぐワクチンが一部で研究されていますが、まだ広くは使われていません。
検診プログラム
無症状のことがあるため、定期的な検査(スクリーニング)は推奨されていません。
合併症
治療しない場合
- まれにウイルスが脳や髄膜に達して、髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎(のうえん)を起こすことがあります。
- 心筋炎(しんきんえん:心臓の筋肉に炎症が起きる)や肺水腫(はいすいしゅ:肺に水がたまる)などの合併症もごくまれに報告されています。
- 爪が一時的に変形したり、数週間後に爪が剥がれ落ちることもありますが、自然に新しい爪が生えてきます。
長期的な見通し
手足口病は、ほとんどの人が1~2週間で後遺症なく回復します。大人の場合、症状が強く出ることもありますが、適切な対処と安静によって、多くの方は無事に治ります。合併症はまれであり、早期に受診すれば対応可能です。焦らず、症状に合わせて休養をとりましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月9日
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