頭痛の基本 — 知っておきたいこと
概要
頭痛は、頭のどこかが痛む、重い、締めつけられる、ズキズキする…といった感覚のことです。多くの場合は命に関わるものではなく、疲れ・睡眠不足・肩や首のこり・ストレスなどが関係しています。頭痛には大きく2つの種類があります。ひとつは、脳の病気など別の原因がない「一次性頭痛」(緊張型頭痛や片頭痛など、頭痛そのものが病気のもの)で、頭痛のほとんどがこちらです。もうひとつは、別の病気が原因で起こる「二次性頭痛」で、こちらはまれですが、見逃せないことがあります。自分で判断せず、気になる点は医療機関に相談することが大切です。
重要な事実
- 頭痛はとてもよくある症状で、多くの人は一生のうちに何度も経験します。
- ほとんどは命に関わらない「一次性頭痛」ですが、突然の激しい頭痛など、すぐに受診が必要なサインもあります。
- 痛み止めの使いすぎは、かえって頭痛を悪くすることがあります。使い方に迷ったら薬剤師や医師に相談しましょう。
はい、とてもよくある症状です。日本でも多くの人が頭痛に悩んでいるとされ、仕事や家事、学校生活に影響することもあります。ただ、頻度やつらさは人によって大きく違います。
子どもから高齢者まで、どの年代でも起こります。緊張型頭痛は大人にも子どもにも多く、片頭痛は女性に多い傾向があります。年齢によって気をつけたいポイントが変わります。
症状
- 突然起こった、今まで経験したことのない「最悪」の頭痛
- 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応が悪い
- けいれん(ひきつけ)が起きた
- ろれつが回らない、言葉が出ない、顔や手足の片側が動かない・しびれる
- 頭を強く打ったあとの頭痛
- 高熱とともに、首が硬くて前に曲げにくい
- 急に見えにくくなった、ものが二重に見える
- ⚠何日も続く頭痛、またはだんだん強くなっていく頭痛
- ⚠50歳を過ぎてから初めて経験する頭痛
- ⚠発熱や体重減少など、体のほかの不調をともなう頭痛
- ⚠妊娠中・産後すぐの時期の強い頭痛
- ⚠痛み止めを頻繁に使うようになった、使っても効かなくなってきた
- ⚠頭痛のため仕事や学校を休むことが増えた
一般的な症状
- 頭が締めつけられるように痛む、重い感じがする
- 脈うつようにズキズキ痛む、動くと痛みが強くなる
- 光や音がまぶしく・うるさく感じる
- 吐き気がしたり、気分が悪くなったりする
- 肩や首のこり、目の疲れをともなう
- 痛みが数十分〜数時間、あるいは数日続く
子供の症状
- 機嫌が悪い、ぐずる、泣き止まない
- 遊びたがらない、元気がない、ぼんやりしている
- 食欲が落ちる、吐く
- 「頭が痛い」と言えない小さな子では、頭を押さえる、光を嫌がるなどの様子が見られる
- 学校や園に行きたがらない
高齢者の症状
- 今まで経験したことのない激しい頭痛
- ふらつき、歩きにくさ、見えにくさをともなう頭痛
- 複数の薬を飲んでいる場合は、薬の相互作用が関係することがある
- 発熱やだるさをともなう頭痛(感染症が隠れていることがあります)
原因
主な原因
- 緊張型頭痛:肩や首の筋肉のこり、姿勢、ストレスなどが関係すると考えられています
- 片頭痛:脳の血管や神経の働きの変化が関係すると考えられており、光や音、においなどで悪化しやすい
- 薬の使いすぎによる頭痛:痛み止めを使い続けることで、かえって頭痛が起こりやすくなる状態
- 生活の乱れ:睡眠不足や寝すぎ、空腹、脱水、アルコール、カフェインの取りすぎ・急な中止
- ホルモンの変化:月経の前後などで頭痛が起こりやすいことがある
- かぜや副鼻腔炎(鼻の奥の炎症)、眼精疲労、歯の食いしばりなど
- まれに、くも膜下出血や髄膜炎、脳腫瘍など別の病気が原因のことがある
リスク要因
- ストレスが多い、緊張が続く生活
- 睡眠が足りない、または生活リズムが不規則
- 長時間のパソコン・スマートフォン作業や、同じ姿勢のままの作業
- カフェインの取りすぎ、飲酒、喫煙
- 片頭痛の家族歴がある
- 痛み止めを月に何度も使っている
- 月経のある年代の女性
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の激しい頭痛で、立っていられない・しゃべるのがつらい
- 意識がおかしい、けいれん、手足の麻痺、言葉の出にくさがある
- 頭を打ったあとに頭痛が続く
- 高熱と首の硬さがある
- 頭痛とともに、急な視力の変化がある
定期受診を予約すべき場合:
- 頭痛が月に何度もあり、生活に支障が出ている
- 痛み止めをよく使うようになった、効きが悪くなった
- 頭痛のパターンが変わってきた(痛む場所や時間、強さが違ってきた)
- 自分では原因がよくわからない頭痛が続いている
診断
診察では、まずお話をうかがうことが中心になります。いつから、どこが、どんなふうに痛むか、どのくらい続くか、何をすると悪くなるか、吐き気や光のまぶしさがあるか、どんな薬をどれくらい使っているか、などを聞きます。あわせて血圧を測ったり、手足の動きや目の動きなどを診たりして、別の病気が隠れていないかを確認します。
行われる可能性のある検査
- 問診(頭痛の記録があると役立ちます)
- 血圧測定や神経の診察
- 必要に応じて血液検査
- 必要に応じて頭のCTやMRI検査(危険なサインがある場合など)
- 目や耳、鼻の状態の確認
診察で予想されること
多くの場合、問診と診察で診断の見当がつきます。画像検査が必要になるのは一部の人だけです。検査が必要と言われても、すぐに重い病気というわけではありません。診察の前に、頭痛が起きた日時・強さ・きっかけ・薬の使用を簡単にメモしておくと、話がスムーズになります。
治療
頭痛の治療は、まず「どのタイプの頭痛か」を整理することから始まります。痛みが出たときの対処と、頭痛が起きにくい体づくりの両方を組み合わせていきます。薬は医師や薬剤師と相談しながら使い、使いすぎに注意することが大切です。
自宅でのセルフケア
- 暗くて静かな場所で休む
- 痛む部分を冷やしたり、肩や首を温めたりして、楽な方を試す
- 水分をとり、空腹を避ける
- 睡眠を十分にとり、寝すぎ・夜更かしを避ける
- 長時間の画面作業のあいだに休憩を入れる
- 肩や首を軽く動かすストレッチ
- 頭痛の記録(頭痛ダイアリー)をつけて、きっかけを探す
- カフェインの取りすぎに気をつける
医療治療
医師は頭痛のタイプや頻度に合わせて、痛みが出たときの対処と、頭痛が起こりにくくなるための治療を組み合わせて考えます。薬を使う場合も、使い方や期間について医師・薬剤師の説明をよく聞き、自己判断で量を増やしたり長く使い続けたりしないことが大切です。薬が合わない、効かないと感じたら、遠慮なく相談してください。
手術が検討される場合
頭痛そのもののために手術が必要になることは、ほとんどありません。手術が検討されるのは、検査で別の病気(例:脳の血管の異常など)が見つかった場合に限られます。
この病気と共に生きる
頭痛と上手につきあうコツは、「痛みが出たときの備え」と「日々のリズムを整えること」の両方を持つことです。痛みが来たときにどうするかをあらかじめ決めておくと、慌てずにすみます。また、頭痛の記録をつけると、自分なりのパターンが見えてきます。
生活習慣のアドバイス
- 起きる時間・寝る時間をできるだけそろえる
- 食事を抜かさない
- こまめに水分をとる
- 作業の合間に短い休憩と軽い体操を入れる
- ストレスをためこまないよう、自分なりの息抜きを持つ
- 飲酒や喫煙は控えめに
- 痛み止めの使い方は、かかりつけの医師・薬剤師に相談する
食事と運動
決まった食事のリズムを保ち、水分をこまめにとることが基本です。特定の食べ物が頭痛のきっかけになる人もいますが、自己判断で極端に食事を制限する必要はありません。運動は、ウォーキングや軽いストレッチなど、無理なく続けられるものがおすすめです。激しい運動で悪化する場合は、無理をせず医師に相談しましょう。
精神的健康と心の健康
頭痛が続くと、「また来るかもしれない」という不安や、イライラ、気分の落ち込みが生じることがあります。これは自然なことです。痛みと気持ちは互いに影響し合うため、ひとりで抱えこまず、家族や友人、医療機関に話してみてください。つらい気持ちが続くときは、地域の相談窓口や医療機関に相談しましょう。気持ちが追いつめられて自分を傷つけたいと考えたときは、ためらわず救急(119)や近くの相談窓口を頼ってください。
予防
すべてを防ぐことはできませんが、生活のリズムを整え、頭痛のきっかけを知ることで、回数やつらさを減らせる可能性があります。頭痛の記録をつけて、睡眠・食事・ストレス・天気・月経などとの関係を探してみましょう。
検診プログラム
頭痛そのものを早期に見つけるための決まった健診はありません。ただし、高血圧や睡眠の悩みなど、頭痛に関係する体の状態は、ふだんの健康診断で確認できます。気になる症状があれば、健診の結果を待たずに医療機関に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 痛みが長引いて、仕事や家事、学業に支障が出る
- 痛み止めの使いすぎにより、頭痛がさらに起こりやすくなる
- 睡眠や食欲が乱れ、疲れがたまりやすくなる
- 不安や気分の落ち込みが強くなることがある
- まれに、別の病気が隠れていて発見が遅れる
長期的な見通し
多くの頭痛は、生活の工夫と適切な相談によって上手につきあっていけるものです。よくなったり悪くなったりを繰り返すこともありますが、自分に合った対処法を見つけることで、毎日はずっと過ごしやすくなります。心配なときはひとりで抱えず、医療機関に相談してください。
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最終更新: 2026年10月24日
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