腹腔内出血(ふくくうないしゅっけつ)
概要
腹腔内出血とは、おなかの中にある空間(腹腔)に血がたまった状態です。けがや病気で血管が破れたり、出血が止まりにくくなったりすることで起こります。出血の量が多いと体に大きな負担がかかるため、早めの受診が大切です。
重要な事実
- おなかのけがや病気が原因で起こることがあります。
- 急なおなかの痛み、冷や汗、ふらつきなどがみられることがあります。
- 出血が多いときは、緊急の処置が必要になることがあります。
一般にはまれな状態ですが、事故や腹部の病気、妊娠に関わる問題などで起こることがあります。救急の現場では見逃せない状態の一つです。
腹部にけがをした人、腹部の手術を受けた人、出血しやすい病気のある人、血液を固まりにくくする薬を使っている人などに起こりえます。子どもから高齢者まで可能性はありますが、年齢によって多い原因は異なります。
症状
- 突然の激しいおなかの痛みがある
- 意識がもうろうとする、倒れる、呼びかけに反応が弱い
- 呼吸が速い、息苦しい
- 顔色が真っ青、冷や汗がひどい
- おなかが硬く膨らんでいる
- 大量の出血が疑われるけがをした
- (これらの症状があるときは、ためらわずにすぐ119番に電話してください)
- ⚠おなかの痛みが続く、または強くなる
- ⚠めまいやふらつきが続く
- ⚠吐き気が続いて水分がとれない
- ⚠黒い便や血便がある
- ⚠けがの後から体調が悪くなった
- ⚠妊娠中、または妊娠の可能性がある人でおなかの痛みがある
一般的な症状
- おなかの痛み(突然のことも、徐々に強くなることもあります)
- おなかの張りや圧迫感
- 吐き気や嘔吐
- めまい、ふらつき、立ちくらみ
- 冷や汗、顔色が悪くなる
- 脈が速くなる、息切れがする
- だるさ、意識がぼんやりする
子供の症状
- 言葉で痛みを伝えられないことがあります。
- 不機嫌、ぐったりしている、泣き方が弱い
- おなかを触ると嫌がる、嘔吐する
- 顔色が青白い、元気がない
- けがをした後は、見た目に異常がなくても注意が必要です。
高齢者の症状
- 痛みを感じにくく、症状が目立たないことがあります。
- 急な疲れ、ふらつき、転倒
- 食欲低下、吐き気
- 意識がぼんやりする、会話がかみ合わない
- 貧血のような症状(息切れ、動悸、顔色が悪い)
原因
主な原因
- 腹部のけが(交通事故、転倒、打撲など)
- 腹部の手術後の出血
- 異所性妊娠(子宮の外で妊娠すること)の破裂
- 卵巣のう胞や腫瘍の破裂
- 胃や腸の潰瘍、腫瘍からの出血
- 肝臓や脾臓の病気、破裂
- 血管の病気(動脈瘤の破裂など)
- 血液を固まりにくくする薬の影響
- 出血しやすい病気(血液の病気など)
リスク要因
- 腹部の外傷や手術の経験
- 妊娠の可能性がある
- 血液を固まりにくくする薬を使っている
- 肝臓病や脾臓の病気がある
- 出血しやすい血液の病気がある
- 高齢である
- アルコールを多く飲む習慣がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の強いおなかの痛み
- 意識がぼんやりする、倒れる
- 冷や汗、息苦しさ、顔色が悪い
- けがの後のおなかの痛みや体調不良
- 妊娠中・妊娠の可能性がある人のおなかの痛み
- 黒い便、血便
定期受診を予約すべき場合:
- 軽いおなかの痛みや違和感が続く
- だるさ、食欲不振が続く
- 原因不明の貧血を指摘された
- 腹部の手術後の違和感が続く
診断
問診と身体診察のあと、血液検査や画像検査で出血の有無と量を調べます。必要に応じて、おなかに細い針を入れて液を確認する検査や、手術で直接確認することもあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(貧血や血液の固まりやすさを調べる)
- 腹部超音波検査
- 腹部CT検査
- 妊娠検査
- 腹腔穿刺(ふくくうせんし:おなかに細い針を入れて液を調べる)
- 必要に応じて内視鏡検査や手術
診察で予想されること
救急では、痛みの程度、けがの有無、飲んでいる薬、妊娠の可能性などを聞かれます。画像検査は痛みが少なく、短時間で行われます。出血が多いと判断されれば、入院して点滴や処置が始まることがあります。
治療
治療は、出血の量と原因によって変わります。少ない出血では経過を見ながら検査を続けることがあります。多い出血では、点滴や輸血、出血を止める処置が必要になります。原因そのものの治療も大切です。
自宅でのセルフケア
- 医療者に指示された安静を守る
- 飲酒や激しい運動は、医師の許可が出るまで控える
- 血液を固まりにくくする薬を勝手に中止しない(医師・薬剤師に相談する)
- 処方された薬は指示どおりに使い、自己判断で量を変えない
- 退院後も定期的な受診を続ける
医療治療
病院では、点滴で水分と電解質を補い、必要に応じて輸血を行います。血圧や脈、出血の量を注意深く見守ります。原因に応じて、内視鏡で出血を止める処置、血管内治療(カテーテル)、手術などが行われます。血液を固まりにくくする薬を使っている場合は、続けるかどうかを医師が判断します。
手術が検討される場合
出血が続くとき、出血量が多いとき、血圧が不安定なとき、異所性妊娠の破裂や臓器の破裂が疑われるとき、内視鏡などで止血できないときは手術が検討されます。手術では出血している場所を確認し、確実に止血します。
この病気と共に生きる
退院後は、疲れやすさや不安が残ることがあります。無理をせず、少しずつ日常に戻していきましょう。出血の原因によっては、通院や検査を続ける必要があります。
生活習慣のアドバイス
- 医師の指示に従って通院する
- 飲酒は控えめにし、禁煙を心がける
- 車のシートベルトを正しく着用する
- 転倒予防のために、室内の整理や照明を整える
- 薬の飲み合わせや中止について、自己判断せず医師・薬剤師に相談する
食事と運動
回復に合わせて、バランスの良い食事をとりましょう。鉄分を含む食品(赤身の肉、魚、豆類、緑黄色野菜など)を意識するとよいでしょう。運動は医師の許可を得てから、ウォーキングなど軽いものから段階的に始めます。
精神的健康と心の健康
突然の入院や手術は、不安や恐怖につながることがあります。眠れない、気分が落ち込む、落ち着かないときは、ひとりで抱え込まずに医療者や家族に話してください。こころのつらさが強いときや、自分を傷つけたい気持ちがあるときは、すぐに医療者や地域の相談窓口、救急(119番)に連絡してください。
予防
すべてを防ぐことはできませんが、けがを避けること、持病を適切に管理すること、薬を正しく使うことでリスクを減らせます。
ワクチン
特定のワクチンで防げる状態ではありません。
検診プログラム
原因によっては、定期的な検査や持病の管理が大切です。気になる症状があるときは、かかりつけ医に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 出血が続くと貧血が進む
- 血圧が下がり、ショック状態になる
- 臓器に十分な血が届かなくなる
- 命に関わることがある
- 原因の病気が悪化する
長期的な見通し
腹腔内出血は早く見つけて治療すれば、回復できることが多い状態です。原因や出血の量によって経過は変わりますが、医療者と相談しながら落ち着いて進めることが大切です。不安なことは遠慮なく質問してください。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年10月24日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.