Hydrocele
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
陰嚢水瘤(いんのうすいりゅう)は、精巣(睾丸)の周りに液体がたまって陰嚢(金玉袋)が腫れる状態です。通常は痛みがなく、良性の症状で、自然に治ることもあります。日本語では「水瘤」とも呼ばれます。
重要な事実
- 生まれたばかりの赤ちゃんによく見られますが、年配の男性にも起こります。
- ほとんどは痛みがなく、自然に小さくなることが多いです。
- 放置しても多くの場合問題ありませんが、腫れが急に大きくなったり痛みを伴う場合は受診が必要です。
- 診断は視診と触診、そして超音波検査で行います。
比較的よくある症状で、新生児では約1~2%に見られます。年配の男性でも、加齢に伴う変化で起こることがあります。多くは良性で心配いりません。
新生児(特に男の赤ちゃん)や中年以上の男性に多く見られます。思春期以降の若い男性ではあまり見られません。
症状
- 陰嚢が急激に腫れ、激しい痛みがある(精巣捻転(精巣がねじれる)の可能性がある。すぐに救急車(119番)を呼んでください)。
- 腫れに伴って発熱、悪寒、吐き気がある。
- 腫れた部分が赤くなり、触ると熱を持っている。
- ⚠腫れが急に大きくなった、または痛みを感じるようになった。
- ⚠陰嚢に外傷(打撲など)を受けた後に腫れた。
- ⚠腫れが1週間以上続く、または自然に縮まない。
一般的な症状
- 陰嚢の片側または両側が、ふくらみや重みを感じるように腫れる(多くの場合むくみとして感じる)。
- 腫れは時間とともに大きくなることがあるが、通常は痛みがない。
- 腫れた部分を触ると、水風船のように柔らかく、指で押すとへこむ。
- 立っているときや活動した後で腫れが大きくなり、横になると少し小さくなることもある。
子供の症状
- 生まれたばかりの男の赤ちゃんでは、陰嚢の片側または両側が腫れて見える。
- 泣いたり、いきんだりすると腫れが大きくなることがある。
- 多くの場合は痛みがなく、赤ちゃんは機嫌よく過ごす。
高齢者の症状
- 加齢とともにゆっくりと腫れてくることが多い。
- 重だるさや違和感を感じることがあるが、痛みは伴わないことが一般的。
- 腫れが大きくなると、歩行や座る時に不快感を感じることがある。
原因
主な原因
- 胎児のときに、精巣が腹部から陰嚢に下りる際に通り道(鞘状突起)が閉じず、腹腔から液体が流れ込む(新生児・小児に多い)。
- 精巣や精巣上体の炎症(精巣上体炎など)によって液体がたまる。
- 陰嚢の外傷や手術後(特に鼠径ヘルニアの手術後)に生じる。
リスク要因
- 新生児期(特に早産児)。
- 加齢(中年以降の男性)。
- 陰嚢や鼠径部の手術の既往。
- 精巣上体炎などの感染症。
- 陰嚢の外傷。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 陰嚢の腫れに強い痛みや発熱が伴う場合。
- 急激に腫れが大きくなり、歩行が困難になるほど痛い場合。
- 腫れた部分が赤く熱を持ち、触ると激しく痛む場合。
定期受診を予約すべき場合:
- 痛みはないが、腫れが気になって仕方ない場合。
- 腫れが数週間以上続く場合。
- 腫れが徐々に大きくなっている場合。
- 赤ちゃんの陰嚢の腫れが1歳を過ぎても自然に治らない場合。
診断
医師が陰嚢の触診と、ペンライトを当てて液体がたまっているかどうかを確認する透光(とうこう)検査を行うことがあります。また、超音波(エコー)検査でより詳しく調べます。
行われる可能性のある検査
- 視診・触診:腫れの大きさや硬さ、痛みの有無を確認。
- 透光検査:暗い部屋で陰嚢にペンライトを当て、光が透けるかどうかで液体か固体かを判断。
- 超音波(エコー)検査:陰嚢内の断面を画像で確認。液体のたまり方や精巣の状態を詳しく調べる。
診察で予想されること
診察は数分から十数分で済みます。超音波検査は痛みがなく、ベッドに寝て行います。事前の準備は特に必要ありません。検査後、すぐに結果がわかります。
治療
陰嚢水瘤の治療は、症状の程度や原因によって異なります。痛みがなく、腫れも小さい場合は自然に治るのを待つこともあります。腫れが大きい場合や感染を伴う場合は、医師が治療方法を提案します。
自宅でのセルフケア
- 腫れが気になる場合は、ゆったりとした下着やズボンを選び、陰嚢を圧迫しないようにする。
- 痛みや違和感がある場合は、患部を冷やす(氷のうなどをタオルで包んで当てる)と楽になることがある。
- 激しい運動や長時間の立ち仕事は避け、適度に安静にする。
医療治療
痛みがない軽度の陰嚢水瘤は、経過観察だけで治療しないこともあります。腫れが大きく日常生活に支障がある場合や、炎症が疑われる場合は、医師が穿刺(針を刺して液体を抜く)や抗生物質の投与を検討することがあります。ただし、穿刺は再発しやすいため、根本的な治療には外科手術が行われることがあります。
手術が検討される場合
腫れが大きく歩行や座るのに支障がある場合、または長期間症状が続く場合、あるいは精巣の腫瘍など他の病気が疑われる場合には、手術(陰嚢水瘤摘出術)が検討されます。手術は日帰りで行えることが多く、数週間で日常生活に戻れます。
この病気と共に生きる
痛みがない限り、日常生活に制限はほとんどありません。ただし、急に腫れが大きくなったり痛みが出た場合は、医師に相談してください。定期的に腫れの大きさや状態をチェックする習慣をつけると安心です。
生活習慣のアドバイス
- 長時間の立ち仕事や重い物の持ち上げは避ける(陰嚢への負担を減らす)。
- 適度な運動は問題ありませんが、サイクリングなど陰嚢を圧迫するスポーツはサポート用下着を使用するなど工夫する。
- 入浴時に陰嚢を清潔に保ち、腫れの変化がないか観察する。
食事と運動
特別な食事制限はありません。バランスの良い食事と適度な運動で全体的な健康を維持しましょう。陰嚢水瘤自体が運動制限を必要とすることはありませんが、腫れが大きい場合は医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
陰嚢の腫れが気になって不安になることがあるかもしれません。特に外見が気になる場合や、性生活への影響が心配な場合は、パートナーや医師に相談することで気持ちが楽になります。多くの陰嚢水瘤は治療が可能で、将来に悪影響を与えることはほとんどありません。
予防
新生児の陰嚢水瘤は発生を防ぐことはできません。年配の男性では、陰嚢への外傷や感染を避けることでリスクを減らせる可能性があります。具体的な予防方法は確立されていませんが、健康な生活習慣を心がけることが大切です。
ワクチン
該当するワクチンはありません。
検診プログラム
定期的な検診は推奨されていません。ただし、陰嚢に違和感や腫れを感じた場合には、早めに医師の診察を受けることで安心につながります。
合併症
治療しない場合
- 腫れが大きくなり、歩行や座位に支障をきたすことがある。
- まれに、感染症を起こすと陰嚢の痛みや発熱が生じる可能性がある。
- 大きな陰嚢水瘤が長期にわたると、精巣への血流に影響を与えることがある(非常にまれ)。
- 症状を放置しても、精巣がんなど悪性疾患と間違えられることはないが、診断を確定するためには受診が望ましい。
長期的な見通し
陰嚢水瘤の見通しは非常に良好です。多くの場合、自然に治るか、簡単な治療で改善します。手術が必要でも、ほとんどの人は合併症なく回復し、日常生活にすぐ戻れます。がんなど深刻な病気に発展する心配はほとんどありません。ただし、症状に変化があれば医師に伝えましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月16日
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