高マグネシウム血症
概要
高マグネシウム血症は、血液中のマグネシウムというミネラルが高くなりすぎた状態です。マグネシウムは体に必要な成分ですが、多すぎると脈や呼吸、筋肉の働きに影響することがあります。健康な腎臓は余分なマグネシウムを尿から出して調整しますが、腎臓の働きが低下しているときや、マグネシウムを含む薬を多く使ったときなどに高くなることがあります。自己判断せず、気になる症状があれば医療機関に相談してください。
重要な事実
- 血液中のマグネシウムが高くなりすぎた状態です。
- 初期は症状がないことが多く、検査で見つかることもあります。
- 腎臓の働きが低下している方や、マグネシウムを含む薬を使っている方は注意が必要です。
まれな状態です。一般の外来では多くありませんが、腎臓病のある方や入院中にマグネシウムの点滴を受ける方では注意が必要です。
腎臓の働きが低下している方、高齢者、脱水ぎみの方、マグネシウムを含む下剤や胃薬を長く使う方、入院中にマグネシウムの点滴を受ける方が影響を受けやすいです。健康な人では、ふつうの食事だけで高くなりすぎることはほとんどありません。
症状
- 呼吸が苦しい、息が浅い、呼吸が止まりそう
- 脈がとても遅い、脈が不規則
- 意識を失う、呼びかけに反応しない
- けいれん
- 強い筋力低下で動けない
- ⚠吐き気や嘔吐が続いて水分がとれない
- ⚠強いだるさ、立てないほどの筋力低下
- ⚠動悸、胸の不快感
- ⚠意識がぼんやりする
- ⚠尿量が著しく減った
一般的な症状
- 初期は症状がないことが多い
- 吐き気や嘔吐
- 顔のほてり、体が温かく感じる
- だるさ、筋力低下
- めまい、ふらつき
- 脈が遅くなる
- 血圧が下がる
子供の症状
- 元気がない、ぐったりする
- 母乳やミルクを飲む力が弱い
- 呼吸が浅い、苦しそう
- 反応が弱い、呼びかけに反応しにくい
高齢者の症状
- 意識がぼんやりする、会話がかみ合わない
- 筋力が低下して立ち上がりにくい、転びやすい
- 食欲低下、吐き気
- 便秘薬や胃薬を常用している
- 尿量が減る、むくみが出る
原因
主な原因
- 腎臓の働きが低下して、余分なマグネシウムを尿から出しにくくなる
- マグネシウムを含む下剤、胃薬、サプリメントなどを多く使う
- 入院中にマグネシウムを含む点滴を受ける
- 脱水で腎臓の働きが一時的に低下する
- ホルモンの病気や甲状腺の病気で調整が乱れる
- 一部の薬の影響でマグネシウムのバランスが変わる
リスク要因
- 慢性腎臓病などの腎臓の病気
- 脱水ぎみである
- マグネシウムを含む市販薬やサプリメントの長期使用
- 入院中にマグネシウムの点滴を受けている
- 腸の病気で下剤をよく使う
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 呼吸が苦しい、息が浅い
- 脈がとても遅い、または不規則
- 意識がぼんやりする、反応が弱い
- 強い筋力低下で立ち上がれない
- けいれん、意識を失う
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断でマグネシウムや腎機能の異常を指摘された
- 腎臓病があり、市販の下剤や胃薬をよく使う
- マグネシウムのサプリメントを自己判断で続けている
- 高齢者で原因不明のだるさや転倒が増えた
診断
まず問診で、腎臓の病気、使っている薬、サプリメント、入院や点滴の有無などを確認します。そのうえで血液検査を行い、血液中のマグネシウム値や腎臓の働きを調べます。必要に応じて心電図で心臓への影響も確認します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査で血清マグネシウム値を測る
- 腎機能と他の電解質のバランスを調べる
- 心電図で脈の乱れや心臓への影響を確認する
- 必要に応じて尿検査や画像検査を行う
診察で予想されること
検査の結果が高マグネシウム血症を示すと、原因を探しながら、必要に応じて点滴やモニター管理を行います。軽い場合は原因を取り除いて経過を見ることがあります。入院が必要かどうかは、値の高さ、症状、腎臓の働きなどから医師が判断します。
治療
治療の中心は、マグネシウムが高くなった原因を取り除き、体のバランスを整えることです。症状が強いときや値がとても高いときは、入院して心臓や呼吸の状態を注意深く見ながら治療します。
自宅でのセルフケア
- 医師や薬剤師の指示なく、マグネシウムを含むサプリメントや下剤、胃薬を増やさない
- 市販薬を使うときは成分表示を確認し、薬剤師に相談する
- 水分をこまめにとり、脱水を避ける
- 腎臓病がある方は、定期的な検査と診察を続ける
- 気になる症状が出たら早めに医療機関に相談する
医療治療
マグネシウムを含む薬や点滴を中止し、点滴で水分と電解質のバランスを整えます。心臓のモニターや呼吸の確認を行い、重症の場合は入院して集中的に管理します。腎臓の働きが悪い方では、透析という方法で血液中の余分なマグネシウムを取り除くことがあります。
手術が検討される場合
通常、手術で治す状態ではありません。原因となる薬の中止、点滴、透析などが中心になります。
この病気と共に生きる
原因によって長期的な管理の仕方が変わります。腎臓病がある方は、食事や薬の使い方について医師や管理栄養士、薬剤師に相談しながら、無理なく続けられる方法を見つけていきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 使っている薬やサプリメントを医師・薬剤師に伝える
- 脱水を避けるために水分をこまめにとる
- 腎臓に負担をかけないよう、定期的に検査を受ける
- 体調の変化をメモして診察時に伝える
食事と運動
マグネシウムは食品にも含まれますが、健康な腎臓ではふつうの食事で高くなりすぎることはほとんどありません。腎臓病がある方は、自己判断で極端に食事を制限せず、医師や管理栄養士の指示に従ってください。運動は無理のない範囲で行い、暑い日や運動後は水分をしっかりとりましょう。
精神的健康と心の健康
診断や入院で不安を感じることは自然なことです。特に腎臓病などで長く付き合っていく場合は、気持ちが疲れることもあります。一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に話してみてください。つらい気持ちが続くときは、地域の保健センターやかかりつけ医に相談する方法もあります。
予防
すべてを防ぐことはできませんが、リスクのある方が注意することで防げる場合があります。腎臓病のある方や高齢者は、マグネシウムを含む市販薬やサプリメントを自己判断で使わず、医師や薬剤師に相談することが大切です。
ワクチン
この状態に直接関係するワクチンはありません。
検診プログラム
腎臓病や電解質の異常がある方は、医師の指示に従って定期的に血液検査を受けることで、早めに気づけることがあります。
合併症
治療しない場合
- 脈が乱れる、脈が遅くなる
- 呼吸が浅くなる、呼吸が苦しくなる
- 意識がぼんやりする、昏睡状態になる
- 血圧が大きく下がる
- 心停止に至る危険がある
長期的な見通し
多くは早期に気づいて原因を取り除くことで改善が期待できます。腎臓病がある方は長期的な管理が必要になることがありますが、医療者と一緒に定期的に確認していくことで、安定した生活を目指せます。
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最終更新: 2026年10月24日
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