子宮摘出術(しきゅうてきしゅつじゅつ)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
子宮摘出術は、子宮(赤ちゃんが育つ臓器)を手術で取り除く治療法です。子宮筋腫や子宮内膜症、子宮脱などの病気の症状を改善するために行われることがあります。がんの治療のために行われる場合もあります。
重要な事実
- 子宮摘出術では、子宮の一部または全部を取り除きます。卵巣を取るかどうかは、病気の種類や年齢、患者さんの希望によって異なります。
- 子宮を摘出すると、今後妊娠することはできなくなります。月経(生理)も止まります。
- 日本では、厚生労働省の指針などに基づき、手術を受けるかどうかは医師と患者さんが十分に話し合って決めることが大切とされています。
子宮摘出術は、日本でも一定の数が行われている手術で、決して珍しいものではありません。
子宮を持つ方(多くは女性)が対象になります。良性の病気では、40代から50代の方が多いといわれています。
症状
- 突然、非常に大量の性器出血があり、意識がもうろうとする、冷や汗が出る、動けない —— すぐに119番に電話してください
- 手術後の経過中に、突然の激しい腹痛や鮮紅色の大量出血がある —— すぐに119番に電話してください
- おなか全体の激しい痛みが続き、立っていられない —— すぐに119番に電話してください
- ⚠性器出血が続き、立ちくらみや動悸(どうき)がある —— 当日中に医療機関を受診しましょう
- ⚠発熱とともに、においのあるおりものや腹痛がある —— 当日中に医療機関を受診しましょう
- ⚠手術後の傷口が赤く腫れ、痛みや膿(うみ)がある —— 当日中に医療機関を受診しましょう
一般的な症状
- 月経の量が多い(過多月経)
- 月経痛が重く、日常生活に支障が出る
- 下腹部や腰の慢性的な痛み
- 原因がはっきりしない性器出血や、おりものの異常
高齢者の症状
- 閉経後の性器出血
- 子宮脱などによる下腹部の重だるさ
- 尿が出にくい、頻尿、便を出しにくいなどの違和感
原因
主な原因
- 子宮筋腫(子宮にできる良性の腫瘍)
- 子宮内膜症や子宮腺筋症
- 子宮脱(子宮が骨盤の外に下がってくる状態)
- 子宮がんや卵巣がんなどの悪性腫瘍
リスク要因
- 月経の量が多く、痛みが強い状態を長く続けている
- 出産の経験がある(子宮脱のリスクに関係することがある)
- 家族に子宮がんや卵巣がんなどがある(がんのリスクに関係することがある)
- 肥満や生活習慣病など、ホルモンや免疫の働きに影響する持病がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 大量の性器出血が続く
- 下腹部や腰の痛みが強く、通常の生活ができない
- 閉経後に性器出血があった
定期受診を予約すべき場合:
- 月経の量が多く、貧血を指摘されたことがある
- 月経痛が毎回ひどく、市販の薬などでも十分に楽にならない
- 婦人科の検診で、子宮や卵巣の病気を指摘された
診断
子宮摘出術が必要かどうかを調べるためには、問診、内診、超音波(エコー)検査などが行われます。必要に応じて、MRIやCT、組織を取って調べる検査が追加されることもあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の経過や月経の状態を聞く)
- 内診(医師の手指で子宮や卵巣の状態を確認する)
- 経腟超音波検査(腟から細い器具を入れ、子宮や卵巣を画像で確認する)
- MRI検査(くわしい画像で病気の広がりを調べる)
- 子宮頸部細胞診や子宮内膜組織検査(がんや、がんになる前の変化がないか調べる)
診察で予想されること
検査は婦人科の診察室や病院で行われます。内診や超音波検査は少し不快に感じることがありますが、医師が声をかけながら進めることが多いです。結果をもとに、治療の選択肢を一緒に話し合います。
治療
子宮摘出術は、子宮の一部または全部を取り除く手術です。症状の原因、年齢、妊娠の希望などによって、手術の方法や範囲が変わります。手術以外の治療法も含めて、医師とよく話し合うことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 月経の記録をつけ、出血の量や痛みの変化をあらかじめ把握しておく
- 貧血を防ぐため、鉄分を含む食品(レバー、ほうれん草、赤身の魚など)を意識して食べる
- 強い痛みがあるときは無理をせず、体を休める
- 手術が決まった場合は、禁煙やバランスのよい食事で体調を整える
医療治療
薬による治療では、痛みを和らげる薬、出血量を減らすためのホルモン薬、貧血を改善する薬などが使われることがあります。また、子宮筋腫や子宮内膜症に対しては、手術をせずに治療する方法も選択肢になります。どの治療法が合うかは、医師が症状や検査結果をもとに説明します。
手術が検討される場合
子宮摘出術は、がんなどの悪性腫瘍がある場合や、良性の病気でも症状が重く、ほかの治療法で改善しない場合に検討されます。将来の妊娠を望まない場合や、閉経後に近い年齢で症状が強い場合にも、選択肢の一つになります。手術は一度受けると元に戻せないため、医師と十分に話し合い、納得したうえで決めることが大切です。
この病気と共に生きる
手術後は、体の回復に数週間から数か月かかることがあります。退院後は、重いものを持ち上げる、激しい運動、長距離の運転などは医師から許可が出るまで避け、少しずつ日常生活に戻りましょう。
生活習慣のアドバイス
- 入浴は医師の許可が出るまでシャワーにする
- 散歩など軽い運動から始め、体調を見ながら活動量を増やす
- タバコは避ける(血管や傷の回復に影響するため)
- 調子がよくても、定期検診を忘れずに受ける
食事と運動
回復期は、たんぱく質、ビタミン、鉄分をバランスよく取ることが大切です。便秘を防ぐために、水分や食物繊維も意識しましょう。運動は、ウォーキングなどの軽いものから始め、痛みや出血がないかを確認しながら少しずつ増やしてください。
精神的健康と心の健康
子宮を失うことは、からだの変化だけでなく、気持ちにも影響を与えることがあります。妊娠や月経がなくなることに対して、悲しみや喪失感を感じるのは自然なことです。無理に気持ちを抑えず、家族や友人、医療者に話したり、専門の相談窓口を利用したりして、一人で抱え込まないようにしましょう。
予防
子宮摘出術そのものを予防するのではなく、手術が必要になる原因の病気を早く見つけることが大切です。定期検診を受け、気になる症状があれば早めに相談しましょう。
ワクチン
子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)のワクチンは、対象年齢のうちに接種すると、将来子宮頸がんになるリスクを減らすことが期待できます。接種については、かかりつけ医や自治体の案内で確認してください。
検診プログラム
子宮頸がん検診や、超音波検査を含む婦人科検診を定期的に受けることがすすめられています。20歳を過ぎたら、一度は婦人科検診の仕組みを確認してみましょう。
合併症
治療しない場合
- 原因となる病気を治療せずに放置すると、貧血が進み、疲れやすさや息切れが続くことがあります
- 強い痛みや大量の出血のために、仕事や家事、外出などの日常生活が難しくなることがあります
- 悪性の病気の場合、早期に治療しないと進行する可能性があります
長期的な見通し
子宮摘出術は、多くの方にとって症状を大きく改善し、生活の質を取り戻す治療法です。手術後に感じる変化には個人差がありますが、医師や看護師、相談支援者と一緒に進んでいけば、無理のないペースで新しい生活に慣れていくことができます。がんなどの診断を受けた場合でも、治療法は進歩しており、専門医のサポートを受けながら希望を持って治療に取り組むことができます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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