新型コロナウイルスに接触したかもしれないとき
概要
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、せきや会話のときに飛ぶ細かいしぶき(飛沫)や、空気中にただよう細かい粒子を通して人から人へうつるウイルスです。「接触したかもしれない」というのは、感染が確認された人と近い距離で話した、同じ部屋で過ごした、食事をともにしたなど、うつる可能性があった場面があったという意味です。接触したからといって必ず感染するわけではありません。多くの人は数日のうちに症状が出るかどうかがわかります。あわてずに、できることを一つずつ進めていきましょう。
重要な事実
- ウイルスに触れてから症状が出るまでの期間は、一般に数日程度(多くは2〜7日、長いと10日ほど)といわれています。
- 症状がない人でも、知らないうちに他の人へうつしてしまうことがあります。
- 接触した可能性があるときは、まず体調の変化に気をつけ、人との距離や換気などの基本的な対策をいつもより丁寧に行うことが大切です。
とてもよくあることです。新型コロナウイルスは日常的に流行を繰り返しており、家族・職場・学校・飲食の場などで接触の機会は誰にでもあります。接触したというだけで、自分や相手を責める必要はまったくありません。
年齢を問わず、誰でもなりえます。ただし、高齢の方、心臓や肺・腎臓の病気、糖尿病、免疫の働きが弱まる病気や治療を受けている方、妊娠中の方は、重症化しやすいといわれています。子どもは軽い症状で済むことが多い一方、家族にうつすこともあるため、家族全体で気をつけることが大切です。
症状
- 息が苦しい、呼吸が速い、話すのがつらい
- 胸が痛む、胸が締めつけられる感じがする
- 唇や顔色が青白い、血色が悪い
- 意識がもうろうとしている、反応がおかしい、呼びかけに答えない
- けいれんを起こした
- ⚠高い熱が続き、ぐったりしている
- ⚠水分が飲めない、尿がほとんど出ない
- ⚠症状が急に悪くなってきたと感じる
- ⚠高齢の方や基礎疾患のある方に発熱や息切れが出た
- ⚠妊婦の方で発熱や息苦しさがある
一般的な症状
- 発熱(微熱のこともあります)
- せき、のどの痛み、鼻水
- だるさ、疲れやすさ
- においや味を感じにくくなる
- 筋肉痛や関節の痛み
- 下痢や吐き気などのおなかの症状
子供の症状
- 熱やのどの痛みなど、かぜに似た軽い症状が多い
- おなかの痛み、吐き気、下痢などおなかの症状が出ることがある
- 犬がほえるようなせき(クループという状態)や、声がかすれることがある
- 元気がない、食欲がない、いつもより眠ってばかりいるように見えることがある
高齢者の症状
- 熱がはっきり出ないことがある
- せきよりも、なんとなく元気がない、ぼんやりする、話がかみ合わないといった変化が先に出ることがある
- 息切れやだるさを「年のせい」と思い込みやすい
- 脱水になりやすく、ふらつきや転倒のきっかけになることがある
原因
主な原因
- 感染している人のせき・くしゃみ・会話で飛ぶしぶき(飛沫)を吸い込む
- 換気の悪い部屋で、空気中にただよった細かい粒子を吸い込む
- ウイルスがついた手で目・鼻・口に触れる
- 近い距離で長時間過ごす(食事、会話、歌、運動など)
リスク要因
- 換気の悪い閉じた空間に大勢でいる
- マスクなしで近距離の会話をする
- 大人数での会食や長時間の集まりに参加する
- 高齢である、または基礎疾患(心臓・肺・腎臓の病気、糖尿病、肥満など)がある
- 免疫の働きが弱まる病気や治療を受けている
- 妊娠中である
- これまでにワクチンを接種していない、または時間がたっている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 息苦しさ、胸の痛み、意識の変化などがある(この場合は救急車を呼んでください)
- 高熱が続き、水分がとれない
- 症状が急に悪化している
- 重症化しやすい条件(高齢、基礎疾患、妊娠など)に当てはまり、発熱やせきが出た
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い症状があり、検査を受けたい、今後の過ごし方を相談したい
- 仕事や学校、家族への影響について相談したい
- 症状が長引いている、回復したあともだるさが続く
- 市販の薬を使いたいが、持病の薬と一緒に使ってよいか知りたい
診断
医師が症状、いつからか、どんな人とどこで接触したか(接触の記録)を聞き、必要に応じて検査を行います。症状がない場合や軽い場合でも、周りの人にうつさないために検査が勧められることがあります。検査の必要があるかどうかは、症状や地域の流行状況によって変わります。
行われる可能性のある検査
- 鼻やのどの奥を綿棒でぬぐって調べる検査(抗原検査・PCR検査など)
- 医療機関で行う検査キットによる確認
- 必要に応じて、血液検査や胸部の画像検査(重症が疑われるとき)
- パルスオキシメーター(指にはさむ機械)で血中の酸素の量を測る
診察で予想されること
検査は数分から半日ほどで結果が出ることが多く、鼻やのどの奥を軽くぬぐうため、少しむずがゆさや違和感があります。結果が出るまでは、できるだけ人との接触を減らし、外出を控えて過ごしましょう。結果が陰性でも、症状が続く場合はもう一度相談してください。
治療
多くは、安静にして水分をとりながら、症状に合わせて体を楽にする「対症療法」が中心になります。重症化しやすい方や症状が強い方には、医師が状態を評価したうえで、必要に応じて医療機関での治療が検討されます。どの治療を選ぶかは、年齢・持病・症状の強さによって医師が個別に判断します。
自宅でのセルフケア
- よく休み、睡眠をしっかりとる
- こまめに水分をとる(スープやおかゆなど食べやすいものでもよい)
- 体温と症状を記録し、悪化のサインに気づけるようにする
- 家族と過ごすときは部屋を分け、換気をこまめに行う
- 手洗いを丁寧に行い、タオルは共用しない
- 市販の薬を使う前に、薬剤師や医師に相談する(持病の薬との飲み合わせを確認するため)
- 症状が消えるまでは、人との接触や外出を控える
医療治療
医療機関では、症状の強さと重症化のリスクを評価し、点滴や酸素投与、薬による治療が必要かどうかを判断します。治療の内容は医師が個別に決めるもので、ここで特定の薬の名前をお伝えすることはできません。自分に合う治療について知りたいときは、遠慮なく医師や薬剤師に質問してください。
この病気と共に生きる
自宅で過ごすときは、できるだけ部屋を分け、こまめに換気をしましょう。トイレや洗面所など共用する場所は、使ったあとに掃除や手洗いをすると安心です。食事は別々にとり、食器は洗ってから使いましょう。ごみは袋をしっかり結んで捨ててください。体温や症状をメモしておくと、受診のときに役立ちます。
生活習慣のアドバイス
- 规则正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠をとる
- 禁煙を心がける(肺を守るため)
- 回復後は、無理のない範囲で少しずつ体を動かす
- 人とのつながりを保つ(電話やオンラインでの会話も大切)
- ストレスをためこまず、気分転換の時間をつくる
食事と運動
食事は、たんぱく質・野菜・果物をバランスよくとり、消化のよいものを少量ずつ食べると負担が少なくなります。水分はのどが渇いていなくてもこまめにとりましょう。運動は、熱やだるさがある間は控え、回復してから散歩など軽いものから始めます。息苦しさを感じたら中止し、医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
外出を控えると、不安、孤独、イライラ、眠りにくさを感じることがあります。これは自然な反応です。感染した人や接触した人を責めるような言動(差別)も起きやすく、つらさを強めます。気持ちがつらいときは、一人で抱え込まず、家族や友人、医療機関、地域の相談窓口に話してください。自分を傷つけたい気持ちがわいたときや、どうしても気持ちが落ち着かないときは、すぐに救急(119)や医療機関に連絡してください。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、感染するリスクを下げることはできます。換気、手洗い、人との距離、混雑した場所を避けるといった基本の対策を、流行状況に応じて続けることが役立ちます。体調がすぐれないときは無理に出かけず、家で休みましょう。
ワクチン
ワクチンは、重症化を防ぐのに役立つとされています。接種の時期や回数、自分に合うかどうかは、年齢や持病、これまでの接種歴によって変わるため、かかりつけ医や自治体の案内、厚生労働省の情報を確認し、医師と相談して決めましょう。
検診プログラム
症状があるときや、重症化しやすい方と接する前には、検査が勧められることがあります。検査の必要性や受けられる場所は、地域や流行状況で異なるため、自治体の案内や医療機関に確認してください。
合併症
治療しない場合
- 肺炎を起こし、息苦しさが強くなることがある
- 酸素が足りなくなる状態(呼吸不全)になることがある
- 血液のかたまり(血栓)ができることがある
- 回復したあとも、だるさ・息切れ・集中しにくさなどが長く続くことがある
- 心臓や腎臓など、ほかの臓器に負担がかかることがある
長期的な見通し
多くの人は軽い症状で、1〜2週間ほどで回復します。重症化しやすい方でも、早めに相談し、必要な治療を受けることで回復が期待できます。長引く症状がある場合も、少しずつ良くなっていく例が多く報告されています。不安な点は、遠慮せずに医療機関に相談しながら進めていきましょう。
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最終更新: 2026年10月24日
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