予防接種のよくある質問
概要
予防接種(よぼうせっしゅ)は、ワクチンを使って、病気にかかる前に体に「免疫(めんえき)」という防御力を準備しておくしくみです。免疫とは、体の中の「ばい菌(病原体)をやっつける力」のことです。ワクチンは、弱めた病原体やその一部を使います。そのため、本当の病気にかかる前に、体が戦い方を練習できます。この記事では、予防接種についてよく聞かれる質問に、わかりやすくお答えします。
重要な事実
- ワクチンは、病原体を弱めたものや一部を使って、体に「本番の前に練習」をさせるものです。
- 接種後の熱や腫れの多くは、免疫が作られているサインです。1〜2日で落ち着くことがほとんどです。
- 日本では、法律に基づいて受ける「定期接種」が決まっています。決まった年齢で受けることで、重症になりやすい病気から身を守れます。
はい。日本では、子どもの定期接種が広く行われており、ほとんどの子どもが受けています。大人も、年齢や持病に応じて受けることがすすめられるワクチンがあります。
赤ちゃんから高齢者まで、すべての年齢の人が関係します。特に赤ちゃんと高齢者は、感染症が重症になりやすいので、予防接種の大切さが高いと言われています。
症状
- 息苦しさ、ゼーゼーする呼吸、呼吸が速い
- のどが腫れる、詰まる感じがする、声が出しにくい
- 顔や唇、まぶたが腫れる
- 全身に広がるじんましん
- 意識がもうろうとする、ぐったりして反応が弱い
- けいれんを起こす、何度も嘔吐(おうと)を繰り返す
- これらは、接種後30分以内に起こることが多い「アナフィラキシー」という重いアレルギー反応のサインの可能性があります。少しでも当てはまったら、すぐに119番へ連絡してください。
- ⚠38.5℃以上の熱が続く
- ⚠接種した部分の腫れや赤みがどんどん広がる、うみが出る
- ⚠水分が飲めない、元気がない、ぐったりしている
- ⚠けいれんを起こした
- ⚠このようなときは、その日のうちに医療機関(かかりつけ医や救急外来)に相談してください。
一般的な症状
- 注射した部分が赤くなる、腫れる、痛む(数日で落ち着くことが多い)
- 軽い発熱(37〜38℃くらい)
- だるさ、頭痛、筋肉痛
- 接種した日の夜に少し眠りが浅くなる
- 多くの場合、数時間から2日ほどで自然に軽くなる
子供の症状
- 機嫌が悪い、泣きやすい、いつもより甘えんぼうになる
- 接種した部分を触られるのを嫌がる、腫れている
- 食欲が少し落ちる
- 眠りが浅い、夜中に起きる回数が増える
高齢者の症状
- 接種した部分の痛みや赤み
- 軽いけん怠感(体がだるい感じ)
- 熱は出ても軽いことが多い
- 持病がある人は、体調の変化に気づきにくいことがあるので、周りの人の見守りが大切
原因
主な原因
- ワクチンは、体の免疫のしくみをわざと刺激します。その反応として、熱や腫れが出ます。これは体が守り方を覚えている途中のサインです。
- ワクチンには大きく分けて2種類あります。「生ワクチン」は弱めた病原体を、「不活化(ふかつ)ワクチン」は病原体の一部や処理した成分を使います。反応の出方は少しずつ違います。
- 重いアレルギー反応は非常にまれですが、体質によって起こることがあります。
- 注射した部分の腫れは、注射液の成分や注射の刺激に対する反応として出ることがあります。
リスク要因
- これまでに予防接種で強い反応が出たことがある
- 医薬品や食品(ゼラチンなど)に重いアレルギーがあると言われたことがある
- 免疫の働きが弱くなる病気がある、またはそのような治療を受けている
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある
- その日に熱がある、体調がよくない
- 過去にけいれんを起こしたことがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 息苦しさ、のどの腫れ、顔の腫れ、全身のじんましん、意識がもうろうとする、けいれん、繰り返す嘔吐がある(すぐ119番)
- 38.5℃以上の熱が続く、水分がとれない、ぐったりしている(その日のうちに受診)
- 接種した部分の腫れや赤みが急に広がる、うみが出る(その日のうちに受診)
定期受診を予約すべき場合:
- 接種後に気になる症状が数日以上続く
- 次に受ける時期や回数について相談したい
- アレルギー歴があり、受けられるか不安
- 妊娠中、授乳中、持病がある
- 子どもが注射をとても怖がっていて、受けさせるのが心配
診断
予防接種は「診断」ではなく、安全に受けられるかどうかを確認してから行います。まず問診票に記入し、医師が体調やアレルギー歴、これまでの接種歴を確認します。接種後は、医療機関で15〜30分ほど様子を見ます。
行われる可能性のある検査
- 問診票の記入(体調、アレルギー、今までの接種歴など)
- 体温の測定
- 医師の問診と診察
- 必要に応じて、これまでのアレルギー反応や持病の確認
- 通常は、血液検査などの特別な検査は必要ありません
診察で予想されること
問診票の記入 → 医師の問診 → 接種 → 15〜30分の待機 → 注意点の説明と次回の予定の確認、という流れが一般的です。所要時間は30分〜1時間ほど見ておくと安心です。
治療
接種後の副反応の多くは、特別な治療がなくても、安静にしていれば落ち着きます。重いアレルギー反応が出た場合は、医療機関ですぐに対応します。
自宅でのセルフケア
- できるだけ安静にして、ゆっくり休む
- 接種した部分が腫れて痛むときは、氷をタオルで包んで冷やす
- 水分をこまめにとる
- 接種当日は激しい運動や飲酒を控える
- お風呂は、医師から特に指示がなければ通常どおり入って大丈夫です。心配なときは接種時に確認しましょう
- 熱や痛みがつらいときは、自己判断で薬を使わず、医師や薬剤師に相談する
医療治療
医療機関では、症状に応じて診察を行います。熱や痛みが強いときは、症状を和らげるお薬が使われることがありますが、種類や使い方は医師・薬剤師の指示に従ってください。重いアレルギー反応(アナフィラキシー)が出た場合は、救急処置が必要になります。
手術が検討される場合
予防接種やその副反応で手術が必要になることは、通常ありません。
この病気と共に生きる
母子健康手帳や接種記録で予定を管理し、体調のよい日に受けるようにしましょう。接種の日は予定を詰め込まず、ゆっくり過ごせるようにしておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠と食事をしっかりとり、体調を整えておく
- 自治体から届く案内やスケジュール表を確認する
- 家族で接種記録を共有しておく
- 接種後に気になることがあれば、メモしておいて次回医師に伝える
食事と運動
特別な食事の制限はありません。接種当日は激しい運動を控えめにして、翌日からは体調に合わせて通常どおりの生活で大丈夫です。
精神的健康と心の健康
「注射が怖い」「副反応が心配」「情報が多すぎて不安になる」という気持ちは、とてもよくあるものです。不安が強いときは、信頼できる情報をひとつに絞ること、そして医療者に直接質問することが助けになります。子どもの不安には、優しく説明して安心させてあげましょう。
予防
予防接種そのものが、感染症を防いだり、かかっても重症になりにくくしたりする方法です。受ける前に体調を整えておくことも、安心して受けるための大切な準備です。
ワクチン
日本では、法律に基づいて受ける「定期接種」と、希望して受ける「任意接種」があります。定期接種には、麻しん・風しん、ポリオ、百日せき・ジフテリア・破傷風、BCG、日本脳炎、HPV(子宮頸がん予防)などがあります。任意接種には、インフルエンザ、おたふくかぜ、水痘などがあります。年齢や回数が決まっているものもあるので、お住まいの自治体の案内を確認してください。
検診プログラム
接種前に問診票で健康状態を確認し、スケジュール表で受け忘れがないかチェックしましょう。母子健康手帳は、記録と確認の両方に役立ちます。
合併症
治療しない場合
- 予防接種を受けないと、その病気にかかるリスクが高くなります。
- かかったときに重症になりやすく、入院が必要になることもあります。
- 周りの守りたい人(小さな赤ちゃんや、免疫が弱い人)にうつしてしまう可能性があります。
- 多くの人が受けていないと、その地域で流行が広がりやすくなります。
- なお、副反応が出ることはありますが、重い副反応は非常にまれです。
長期的な見通し
予防接種は、世界中で多くの命を守ってきた安全な方法のひとつです。ほとんどの人は軽い反応だけで、ふだんどおりの生活を続けられます。迷ったときは、ひとりで決めずにかかりつけ医に相談してください。あなたと家族にとって納得できる選択を、一緒に考えることができます。
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最終更新: 2026年10月24日
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