予防接種:自分に必要なワクチンを決めるために
概要
予防接種(ワクチン接種)は、感染症から体を守るための方法です。弱くした病原体やその一部をあらかじめ体に入れることで、免疫(体を守る力)がその病気の攻撃を覚え、本物の病原体が入ってきたときに素早く戦えるようにするものです。「どのワクチンが必要か」は、年齢や持病、生活環境、過去の接種歴などによって一人ひとり違います。
重要な事実
- ワクチンは、かかると重くなりやすい感染症を防ぐのに特に役立ちます。
- 必要なワクチンは、年齢・健康状態・仕事・旅行先などで変わります。
- 接種を迷うときは、かかりつけ医や市区町村の保健センターに相談できます。
日本では、乳幼児から高齢者まで、多くの人が予防接種を受けています。定期接種(法律に基づいて市区町村が実施する接種)と任意接種(希望して受ける接種)があり、どのワクチンをいつ受けるか迷うのはよくあることです。
すべての年代の人が対象です。赤ちゃんや子ども、妊娠を希望する人、高齢者、持病のある人、海外旅行をする人、医療・介護の仕事をする人などは、特に検討が必要な場合があります。
症状
- ワクチン接種後、呼吸が苦しい、唇やまぶたが腫れる、全身にじんましんが出る、意識がもうろうとするなどの強いアレルギー症状が出た場合は、すぐに119番へ電話してください。
- けいれんが続く、呼びかけに反応しない場合も救急車を呼んでください。
- ⚠接種後に38.5℃以上の高熱が続く、接種した部分の腫れが大きく広がる、元気がなく水分がとれない場合は、当日または翌日までに医療機関を受診してください。
一般的な症状
- 「自分にはどのワクチンが必要か分からない」という迷い
- 「副反応(接種後の熱や痛みなど)が心配」という不安
- 「接種の間隔や回数が複雑で分かりにくい」という困りごと
子供の症状
- 接種後に注射した部分が赤くなったり、少し腫れたりすることがあります
- 軽い発熱や機嫌が悪くなることがありますが、多くは数日で落ち着きます
高齢者の症状
- 接種後に腕が痛くなることがあります
- インフルエンザや肺炎球菌などのワクチンでは、重い感染症を防ぐ効果が期待されます
原因
主な原因
- 年齢によって、かかりやすい感染症や重症化しやすい感染症が異なるため
- 持病(心臓・肺・腎臓の病気、糖尿病、免疫が低下する病気など)があると、感染症が重症化しやすいため
- 妊娠中や妊娠を希望する場合、胎児や新生児を守るために検討するワクチンがあるため
- 海外渡航先で流行している感染症があるため
- 過去に接種したか不明・接種回数が足りない場合があるため
リスク要因
- 高齢(65歳以上)
- 妊娠中または妊娠を希望している
- 心臓・肺・腎臓・肝臓の持病、糖尿病、がん治療中など
- 学校・保育園・医療施設・介護施設などで集団生活をする人
- 海外渡航予定がある人
- 脾臓(ひぞう)を摘出した人や免疫が低下している人
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- ワクチン接種後に強いアレルギー症状(呼吸困難、顔の腫れ、全身のじんましん)が出た場合は、ためらわずに119番へ連絡してください。
- 接種後に高熱、けいれん、意識の低下などが見られたら、すぐに医療機関へ連絡してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 自分の接種歴が分からない、母子手帳を紛失した
- 持病がある、妊娠中・妊娠希望、免疫の状態が気になる
- 海外渡航を予定している
- 仕事や学校で特定の感染症のリスクがある
- どのワクチンをいつ受ければよいか迷っている
診断
予防接種の必要性は、問診と記録の確認で判断します。医師や保健師が、年齢、これまでにかかった病気、持病、服用中の薬、妊娠の有無、仕事や学校、海外渡航、過去の予防接種歴(母子手帳など)を確認します。必要に応じて、血液検査で免疫がついているか(抗体があるか)を調べることもあります。
行われる可能性のある検査
- 母子手帳や接種記録の確認
- 問診(健康状態や生活環境の聞き取り)
- 抗体検査(例:風しん、B型肝炎、麻しんなど、免疫が十分か調べる血液検査)
- 妊娠初期の風しん抗体検査(自治体で行われることがあります)
診察で予想されること
診察では、現在の健康状態を確認し、接種してよいかを見極めます。接種が決まれば、当日の流れや次回の接種時期、気をつけること(副反応への対応)を説明されます。分からないことは遠慮なく質問しましょう。
治療
予防接種は、感染症を防ぐための「予防的治療」です。ワクチンには、病原体を弱毒化したもの、不活化したもの、遺伝子の一部を使うものなどがあり、種類によって接種回数や間隔が異なります。どのワクチンを選ぶかは、あなたの年齢や健康状態、リスクに応じて医師と相談して決めます。
自宅でのセルフケア
- 接種前は、十分な睡眠と水分をとり、体調を整えておきましょう。
- 母子手帳や接種記録を用意し、過去の接種歴を確認しておきましょう。
- 接種後は、注射した部分を清潔に保ち、激しい運動や長時間の入浴は当日は控えめにします。
- 接種後の発熱や痛みがつらいときは、冷やしたり休んだりして様子を見て、心配なら医療機関へ相談してください。
医療治療
医療機関では、年齢やリスクに応じたワクチンを接種します。定期接種は市区町村から案内があるもの、任意接種は医師と相談して受けるものです。接種後、副反応が出た場合の対応についても説明があります。薬の名前や量はここではご案内しません。
この病気と共に生きる
予防接種は一度で終わりとは限りません。追加接種(ブースター接種)が必要な場合もあります。母子手帳やお薬手帳に記録を残し、接種日とワクチン名をメモしておくと、次の予定が立てやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 母子手帳や接種記録を大切に保管し、受けたワクチンを記録しておきましょう。
- 定期接種の案内が届いたら、早めに予約を検討しましょう。
- 海外渡航前は、渡航先で推奨されるワクチンについて早めに(できれば出発の1か月以上前)相談しましょう。
- 家族や同居する人も、お互いを守るために接種状況を確認し合うと安心です。
食事と運動
特別な食事制限はありません。普段からバランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動で体調を整えることが、接種後の回復を助けます。接種当日は激しい運動を避け、体を休めましょう。
精神的健康と心の健康
「副反応が心配」「本当に必要か分からない」と不安になるのは自然なことです。信頼できる情報源(厚生労働省や市区町村の保健センターなど)から情報を得て、一人で抱え込まずに相談しましょう。強い不安がある場合は、かかりつけ医や保健師に話すこともできます。
予防
はい。ワクチンで防げる感染症(VPD)は、適切な時期に接種することで、本人の重症化を防ぎ、周囲への感染も減らせます。
ワクチン
日本では、定期接種として子ども向け(ヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎、四種混合、BCG、麻しん・風しん、水痘、日本脳炎、HPVなど)と高齢者向け(インフルエンザ、肺炎球菌など)があります。任意接種には、おたふくかぜ、帯状疱疹、A型肝炎、狂犬病、黄熱などがあります。どのワクチンが必要かは、年齢・持病・妊娠・渡航先などで異なるため、必ず医療機関で確認してください。
検診プログラム
母子手帳や接種記録で接種歴を確認することが第一歩です。風しんやB型肝炎などは抗体検査で免疫の有無を調べることができます。妊娠を希望する人は風しん抗体検査が推奨されています。
合併症
治療しない場合
- 推奨されるワクチンを接種しないと、かかったときに重症化するリスクが高まる感染症があります(例:麻しん、風しん、インフルエンザ、肺炎球菌、帯状疱疹など)。
- 周囲の人、特に赤ちゃんや高齢者、免疫の弱い人に感染を広げる可能性があります。
- 妊娠中に風しんに感染すると、おなかの赤ちゃんに影響が出ることがあります。
長期的な見通し
多くのワクチンは、適切に接種すれば高い効果が期待できます。接種が遅れた場合でも、多くの場合、あとから接種を再開・追加できます。不安な点は医療者と相談しながら、無理なく計画を立てることが大切です。
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最終更新: 2026年10月24日
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