中学・高校生の予防接種(ワクチン)について
概要
中学・高校生の時期の予防接種は、これからかかる可能性のある感染症から体を守るための「備え」です。ワクチンには、病原体の一部や、弱くした病原体などが入っています。体はそれを見て「敵の顔」を覚え、本当の感染症が入ってきたときにすぐ戦える仕組み(免疫)を作ります。日本の学校では、生徒の接種歴を確認したり、自治体から案内が届いたりして、この時期に受けるワクチンが決まっています。国の制度で決められた「定期接種」と、希望して受ける「任意接種」があります。
重要な事実
- 中学・高校生の時期に受けられるワクチンには、国の制度で決められた「定期接種」と、希望して受ける「任意接種」があります。
- ワクチンは、病原体の一部や弱めたものを体に入れて、本物の感染症に対する備え(免疫)を作るものです。
- 接種後は、腕の痛みや発熱など軽い反応が数日続くことがありますが、多くは自然に治まります。
はい、とてもよくあることです。日本では多くの生徒が、小学校から高校までの間にいくつかの予防接種を受けます。学校で接種歴の確認が行われたり、自治体から案内の手紙が届いたりするので、身近な出来事だといえます。
主に中学生・高校生とその保護者・家族です。思春期は、赤ちゃんの頃に受けたワクチンの効果が時間とともに弱くなる時期でもあり、追加の接種が勧められることがあります。また、将来の病気を防ぐためにこの年代で受けるワクチンもあります。
症状
- 接種後まもなく、息が苦しい、のどや顔が腫れる、全身にじんましんが出る(アナフィラキシーの可能性)
- 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が弱い、ぐったりしている
- けいれんが起きて止まらない、または繰り返す
- 唇や顔色が青白い、呼吸が速くて苦しそう
- このようなときは、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。
- ⚠38℃以上の発熱が続く、または日がたつにつれてどんどん悪くなる
- ⚠接種した部分が大きく腫れて痛みが強い、膿が出る、熱を持つ
- ⚠強い頭痛、繰り返す嘔吐、首が硬くて動かしにくい
- ⚠じんましんが広がっている、または顔や体がむくんできた
- ⚠これらの症状があるときは、その日のうちに医療機関に連絡して相談してください。
一般的な症状
- 予防接種は病気を防ぐためのものなので、「症状」というより「接種後の反応」が中心になります。
- 接種した腕が赤くなる、腫れる、押すと痛い(数日で軽くなることが多い)
- 軽い発熱、だるさ、頭痛、食欲が少し落ちる
- 接種した日に眠くなったり、機嫌が変わったりする
- 数日以内に自然に治まることがほとんどです。
子供の症状
- 中学生年代では、注射の痛みや緊張から気分が悪くなったり、冷汗が出たりすることがあります。接種後はしばらく座って休むと落ち着くことが多いです。
- 腕の痛みで服を着替えにくい、体育を休みたいと感じることもあります。
- 緊張や不安が強いと、接種前に眠れない、食欲がないといった様子が見られることがあります。
高齢者の症状
- 大人になってからも、破傷風などのように追加の接種が必要なワクチンがあります。自分の接種歴を母子健康手帳などで確認しておくと安心です。
- 家族の中で赤ちゃんや高齢者、免疫が弱い人がいる場合、周りの人が接種しておくことで感染を広げにくくできます。
- 保護者自身が接種を忘れていることも多いので、この機会に家族全員で記録を見直してみましょう。
原因
主な原因
- 感染症を起こす病原体(ウイルスや細菌)から身を守るために、ワクチンで免疫を作ることが予防接種の目的です。
- 思春期には、赤ちゃんの頃に受けたワクチンの効果が少しずつ弱まることがあり、追加接種が必要になることがあります。
- この年代でしか受けにくいワクチン(将来のがんを防ぐものなど)があるため、中学・高校生の時期が大切にされています。
- 多くの人が接種することで、地域全体に感染が広がりにくくなる効果(集団免疫)も期待できます。
リスク要因
- 接種の案内が届いたことに気づかず、受けるのを忘れてしまう
- 部活や行事が忙しく、受診のタイミングを逃してしまう
- 注射が苦手、痛みへの不安が強い
- 当日に熱がある、強いアレルギー歴がある、免疫を下げる治療を受けている、妊娠中またはその可能性があるなど、医師の判断が必要な事情がある
- これまでの接種歴が分からない、母子健康手帳が見つからない
- SNSなどで不確かな情報を見て迷ってしまう
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 接種後、息苦しさ・のどの腫れ・全身のじんましん・意識がぼんやりするなどの症状が出たとき(すぐに119番)
- 高い熱が続く、または症状が日ごとに悪くなるとき
- 接種した部位の腫れや痛みが強く、日常生活に支障があるとき
- けいれん、強い頭痛、繰り返す嘔吐があるとき
定期受診を予約すべき場合:
- どのワクチンをいつ受ければよいか分からないとき
- 接種の時期を逃してしまった、受け忘れがあるとき
- アレルギー歴や持病があり、受けられるか相談したいとき
- 海外留学や旅行を予定していて、追加のワクチンを検討したいとき
- 母子健康手帳や接種記録が見つからないとき
診断
予防接種は「診断」するものではなく、安全に受けられるかどうかを事前に確かめる「予診(よしん)」という流れがあります。予診票に記入し、医師が体調やアレルギー歴、これまでの接種歴を確認したうえで接種します。自治体の案内や母子健康手帳で、対象年齢や必要な回数を確認しておくとスムーズです。
行われる可能性のある検査
- 予診票(問診票)の記入と内容の確認
- 体温測定と当日の体調チェック
- これまでの接種歴・アレルギー歴・持病・服薬の確認(母子健康手帳など)
- 必要に応じて医師による簡単な診察
- 抗体(免疫)がどのくらいあるかを調べる血液検査(希望する場合。自費になることが多い)
診察で予想されること
接種は数分で終わります。腕の消毒、注射、止血のあと、15〜30分ほど会場で休んで体調の変化がないか見守ります。その後は通常どおり生活できますが、当日は激しい運動は控えめにしましょう。接種済みの記録は母子健康手帳や接種済証に残り、学校に提出を求められることがあります。
治療
予防接種そのものは治療ではなく、これから先の感染症を防ぐためのものです。接種後に出る軽い反応は、体が免疫を作っている途中の自然な変化で、多くは数日で治まります。強い反応や長引く症状があるときは、医療機関で状態に合わせた対応を受けます。
自宅でのセルフケア
- 接種当日は安静を心がけ、激しい運動や長時間の運動は控える
- 接種した部分は清潔に保ち、強くもんだりこすったりしない
- 発熱やだるさがあるときは、水分をこまめにとり、しっかり休む
- 接種後しばらくは体調の変化に気を配り、気になる症状があれば医療機関に連絡する
- 母子健康手帳や接種済証に記録し、次の接種の予定を家族で共有する
- 次に受けるワクチンの時期をカレンダーに書き込んでおく
医療治療
接種後に強い腫れや高い熱が出た場合は、医療機関で状態に応じた対応を受けます。痛みや発熱がつらいときは、自分で判断して薬を使うのではなく、まず医師や薬剤師に相談してください。重いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起きた場合は、医療機関で緊急の対応が必要になります。
この病気と共に生きる
接種は1日で終わる出来事ですが、記録を残して次の予定を管理することが大切です。母子健康手帳や接種済証をひとつのファイルにまとめ、学校への提出物と一緒に保管しておくと安心です。接種当日は予定を詰め込みすぎず、ゆっくり過ごすようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 接種の前日はしっかり睡眠をとり、当日の朝は体温を測って体調を確認する
- 朝ごはんを食べてから出かける(空腹や寝不足は気分が悪くなりやすい)
- 接種当日は部活や体育など激しい運動を控えめにする
- 家族全員の接種記録を1か所にまとめて保管する
- 自治体の案内通知は捨てずに、スマホで写真に残しておく
- SNSの情報だけで判断せず、かかりつけ医や自治体の窓口に確認する
食事と運動
特別な食事制限はありません。ふだんどおりの食事で大丈夫ですが、接種当日はアルコールを控え、水分をしっかりとりましょう。運動は、接種当日の激しいトレーニングや長時間の部活は控え、翌日以降に体調を見ながら戻していくと安心です。
精神的健康と心の健康
注射が苦手で緊張する、痛みが不安、ワクチンについての情報が多くて迷う、といった気持ちは自然なものです。不安が強いときは、事前に学校の保健室の先生やかかりつけ医に「注射が怖い」と伝えておくと、工夫してもらいやすくなります。不安で眠れない日が続く、気持ちが沈み続けるといったときは、一人で抱えず、学校のスクールカウンセラーやかかりつけ医、自治体の相談窓口を頼ってください。つらい気持ちが続くときは、地域の相談窓口や医療機関に相談することが大切です。
予防
ワクチンで防げる感染症は多くあります。決められた時期に接種を受けることが、本人だけでなく周りの人を守ることにもつながります。逆に、受け忘れがあると、本来防げたはずの病気にかかる可能性が高くなります。
ワクチン
中学・高校生の時期には、日本脳炎やジフテリア・破傷風の追加接種のように、国の制度で時期が決められているものがあります。また、子宮頸がんを防ぐワクチンは、公的な定期接種として中学・高校生年代が対象になっています。インフルエンザ、おたふくかぜ、水ぼうそうなどは希望して受けるワクチンです。対象年齢・回数・費用の扱いは自治体によって案内が異なるため、届いた通知や自治体の窓口、かかりつけ医で確認してください。
検診プログラム
「スクリーニング」というより、接種歴の確認が大切です。母子健康手帳や接種済証を見て、受け忘れがないかをときどき見直しましょう。免疫がどのくらい残っているかは血液検査で調べられますが、通常は必要に応じて医師と相談して決めます。
合併症
治療しない場合
- ワクチンを受けないまま感染症にかかると、重症化するリスクが高まります。日本脳炎や破傷風、麻疹(はしか)などは、重い後遺症や命にかかわることもある病気です。
- 子宮頸がんを防ぐワクチンを受けない場合、将来の関連するがんのリスクを下げる機会を失うことになります。
- 本人だけでなく、赤ちゃんや免疫が弱い家族、周りの人に感染を広げてしまうことがあります。
- 学校や部活の集団生活では、感染が広がりやすく、学級閉鎖などにつながることもあります。
長期的な見通し
多くの生徒にとって、予防接種は短い時間で終わる安全な予防の手段です。接種後の軽い反応は数日で落ち着き、その後は免疫という「見えない備え」が体に残ります。分からないことや不安なことは、かかりつけ医や自治体の窓口に相談しながら、納得して一歩ずつ進めていけば大丈夫です。
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最終更新: 2026年10月24日
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