予防接種の副反応(ワクチンのあとに出る体の変化)
概要
予防接種の副反応とは、ワクチンを接種したあとに体に现れる、ふつうは一時的な変化のことです。ワクチンは、病気から身を守る力を体の中で練習させるためのものです。その練習が始まると、注射した場所がはれたり、熱が出たり、だるくなったりすることがあります。これは体がちゃんと反応しているサインでもあり、多くは数日で自然におさまります。
重要な事実
- 副反応のほとんどは軽く、注射した部分の痛み・はれ・赤みや、軽い発熱、だるさなどです。
- こうした症状は通常1〜3日ほどで落ち着きます。長く続くことはあまりありません。
- ごくまれに、息苦しさや全身のじんましんなど命に関わる重い反応(アナフィラキシー)が起きることがあります。接種後30分以内に多いとされますが、数時間後に出ることもあります。
とてもよくあることです。接種を受けた人の多くが、何らかの軽い症状を経験します。ただし重い副反応が起きる割合は非常に低いことが知られています。
年齢を問わず、どの年代でも起こりえます。子どもは発熱が出やすい傾向があります。高齢者では症状が軽いことが多い一方、持病がある方は体調の変化に注意が必要です。過去に接種で強い症状が出たことのある方、アレルギー歴のある方、免疫の働きを抑える治療を受けている方は、接種前に必ず医師に伝えてください。
症状
- 息が苦しい、呼吸が速い、ゼーゼーする
- のどがはれて、声が出にくい、飲み込みにくい
- 顔・唇・まぶたが急にはれる
- 全身にじんましんが出て広がっている
- 意識がもうろうとしている、反応が弱い、ぐったりしている
- けいれんが5分以上続く、またはけいれんを繰り返す
- これらの症状は接種後30分以内に多いとされますが、数時間後でも起こりえます。少しでも疑わしければ、すぐに119番へ連絡してください。
- ⚠38.5度以上の高い熱が出た、または熱が2日以上続く
- ⚠注射した場所の赤みやはれが広がり続ける、熱を持つ、膿のようなものが出る
- ⚠痛みが強くて腕(または脚)を動かせない
- ⚠短時間でもけいれんがあった
- ⚠強い頭痛や繰り返す嘔吐がある
- ⚠症状が数日たっても良くならない、または悪化している
- ⚠以上の場合は、当日中に医療機関へ相談してください。
一般的な症状
- 注射した場所の痛み、はれ、赤み、熱っぽさ(数日で軽くなることが多い)
- 軽い発熱(37.5度前後が多い)
- だるさ、疲れやすさ
- 筋肉痛、関節痛
- 腋の下などのリンパ節が少しはれる
- 軽い吐き気、食欲がわかない
- 接種当日から翌日にかけて出やすく、1〜3日ほどでおさまることが多い
子供の症状
- 熱が出やすい(接種当日〜翌日が多い)
- 不機嫌になる、泣き止まない、ぐずる
- 眠気が強い、よく寝る
- 食欲が落ちる
- 注射した場所を触られるのを嫌がる、動かしたがらない
- 生ワクチン(弱めた病原体を使うワクチン)の中には、接種後1〜2週間ほどしてから軽い発熱や発疹が出るものもあります
- 発疹が広がる、ぐったりして反応が弱いときは早めに受診を
高齢者の症状
- 発熱は軽く済むことが多い
- だるさ、食欲低下が数日続くことがある
- 注射した場所の痛みや赤み
- 持病(心臓・肺・糖尿病など)の調子が崩れていないか注意してみてください
- 脱水になりやすいので、水分をこまめにとることが大切です
原因
主な原因
- 体がワクチンに反応して、病気を防ぐ力(抗体)を作り始めているため
- 注射した部分に一時的な炎症が起きるため(痛み・はれ・赤み)
- ワクチンに含まれる成分(免疫の反応を助ける添加物など)に対する体の反応
- 注射という刺激そのものによる一時的な反応
- 不安や緊張による一時的な気分の悪さ・めまい(血管迷走神経反射と呼ばれるもの)
リスク要因
- 年齢が低い(子どもは発熱が出やすい)
- 過去の予防接種で強い副反応が出たことがある
- アレルギー歴がある(特にワクチンの成分に対するもの)
- 免疫の働きを抑える治療を受けている、または免疫が弱い状態にある
- 心臓・肺・腎臓などの持病がある
- 接種当日の体調がすぐれない、睡眠不足、空腹
- 同じ日に複数のワクチンを接種する(同時接種)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 呼吸が苦しい、のどや顔がはれる、全身にじんましんが出る(ためらわず119番へ)
- 意識がぼんやりする、ぐったりして反応が弱い
- けいれんが起きた、または繰り返す
- 38.5度以上の高熱が続く、熱が2日以上下がらない
- 注射した場所の赤み・はれがどんどん広がる、膿が出る
- 強い頭痛、繰り返す嘔吐、水分がとれない
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い発熱やだるさが3日以上続くとき
- 注射した場所の痛みやはれが長引くとき
- 気になる症状があり、どうすればよいか判断できないとき
- 次回の接種を受けてよいか相談したいとき
- 症状の記録を残しておくと、受診のときに役立ちます(いつ、どんな症状が、どのくらい続いたか)
診断
多くは問診だけで判断できます。いつ接種したか、どのワクチンだったか、どんな症状がいつから出たか、を医師に伝えてください。通常は特別な検査は必要ありません。重いアレルギー反応が疑われる場合は、救急の場で速やかに判断されます。
行われる可能性のある検査
- 通常は検査は不要です
- 症状によっては血液検査を行うことがあります
- アレルギーの詳しい検査は、症状が落ち着いてから後日行うことがあります
- 発熱の原因が他にないか確認するための検査が必要な場合もあります
- 接種したワクチンの種類や接種日が分かる記録(母子健康手帳・接種証明書)を持参すると役立ちます
診察で予想されること
診察では、接種からの時間と症状の経過を聞かれます。症状が軽ければ、自宅で様子を見るように説明されることが多いです。日本では、医師が副反応を疑った場合に厚生労働省へ報告する仕組み(副反応疑い報告制度)があり、今後の安全対策に役立てられています。
治療
ほとんどの場合、特別な治療は必要ありません。安静にして、水分をとり、注射した場所を冷やすなどして様子を見ます。つらい症状があるときは、医師や薬剤師に相談したうえで、症状をやわらげる対応をとります。重いアレルギー反応(アナフィラキシー)が疑われる場合は、救急で速やかな処置が必要です。
自宅でのセルフケア
- 接種当日は激しい運動や長時間の入浴を避け、ゆっくり休む
- 水分をこまめにとる(子どもは特に注意)
- 注射した場所は冷やしてもむのではなく、そっと冷やす
- 発熱やだるさがあるときは無理せず横になる
- 症状の経過をメモしておく(いつ・どんな症状・どのくらい)
- 市販の解熱鎮痛薬などを使う場合は、必ず薬剤師や医師に相談してから(年齢や持病によって使えないものがあります)
- 接種後しばらくは、子どもの様子をこまめに見てあげる
医療治療
症状に応じた対応が中心です。発熱や痛みがつらいときは、体質や年齢に合わせた薬が検討されます。アレルギー反応が強い場合は、アレルギー反応を抑える治療や、気道を確保する処置が行われることがあります。いずれも医師の判断のもとで行われます。具体的な薬の名前や使い方については、必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
予防接種の副反応で手術が必要になることは、まずありません。
この病気と共に生きる
接種のあとは、その日と翌日を「ゆっくりする日」と決めておくと安心です。仕事や学校は無理をせず、体調を見ながら過ごしましょう。子どもの場合は、熱や機嫌の変化をこまめに確認し、いつもより早めに休ませてあげてください。
生活習慣のアドバイス
- 接種前日は十分な睡眠をとり、体調の良い日を選ぶ
- 接種当日は空腹や寝不足を避ける
- 接種後はこまめに水分をとる
- 入浴はぬるめのシャワー程度にし、長湯やサウナは控える
- 接種後しばらくは飲酒を控える
- 症状の記録を残しておくと、次回の接種の参考になる
食事と運動
特別な食事制限は必要ありません。消化のよいものを少量ずつ、無理なくとりましょう。運動は、発熱やだるさがおさまるまで控え、回復したら徐々に元に戻してください。アルコールは体調が戻るまで控えるのがおすすめです。
精神的健康と心の健康
「また副反応が出たらどうしよう」「次の接種がこわい」と感じるのは自然なことです。不安なときは、ひとりで抱え込まず、かかりつけ医や保健師、薬剤師に気持ちを話してみてください。接種のメリットとリスクを一緒に整理してもらうことで、気持ちが軽くなることがあります。つらい気持ちが続くときは、地域の相談窓口や心の相談サービスを利用してください。
予防
副反応を完全に防ぐことはできません。ただし、体調の良い日に接種する、接種前日はよく眠る、接種後は無理をせず休むといった工夫で、つらさを軽くできることがあります。また、接種前に予診票で体調やアレルギー歴を正確に伝えることが、重い副反応を防ぐうえでとても大切です。
ワクチン
ワクチンの種類によって、副反応の出やすさや出る時期は異なります。同じワクチンでも2回目以降のほうが症状が強いことがあります。生ワクチンでは接種後1〜2週間ほどしてから軽い発熱や発疹が出ることがあります。次回の接種の前に、今回の症状を医師に伝えて相談してください。
検診プログラム
接種前の予診票では、当日の体調、アレルギー歴、過去の接種での副反応、服薬中の薬、持病の有無を確認します。正確に記入し、気になることは遠慮なく医師に伝えましょう。
合併症
治療しない場合
- 多くの症状は、何もしなくても数日で自然におさまります
- ごくまれに、息苦しさや血圧の低下を伴う重いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあり、迅速な対応が必要です
- 接種直後に気分が悪くなったり意識が遠のいたりする失神(血管迷走神経反射)が起きることがあります。転倒によるけがに注意が必要です
- 高い熱が続く場合は、脱水や体力の低下につながることがあります
- 注射した場所の赤みが広がり膿が出る場合は、別の感染を合併している可能性があります
長期的な見通し
ほとんどの方は数日で元の状態に戻ります。副反応は体が免疫を作っている途中の反応であり、特別なことではありません。重い副反応は非常にまれで、万が一起きた場合も医療機関での対応が可能です。心配なことがあれば、次回の接種前に医師に相談しながら、安心して予防接種を続けていきましょう。
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最終更新: 2026年10月24日
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