赤ちゃんの黄疸(おうだん)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
赤ちゃんの黄疸は、血液の中のビリルビンという黄色い色素が増えて、肌や白目が黄色くなる状態です。多くは一時的なもので、赤ちゃんの体が未熟なために起こります。
重要な事実
- 新生児の約6~8割にみられる、よくある症状です。
- 通常は生後2~3日目に現れ、1~2週間で自然に消えます。
- 早めに気づいて正しく治療すれば、ほとんどの場合、後遺症なく回復します。
はい。特に新生児では非常に多くみられる症状です。
主に生後1週間以内の新生児にみられます。早産で生まれた赤ちゃんや、母乳栄養の赤ちゃんに多くみられる傾向があります。
症状
- ぐったりして、呼びかけても反応がない
- けいれん(ひきつけ)を起こしている
- 呼吸が苦しそう、または息が止まるような様子がある
- 黄疸が急に強くなり、手足の先まで黄色くなった
- このような症状が1つでもあれば、すぐに119番に電話してください。
- ⚠生後24時間以内に黄疸が現れた
- ⚠黄疸が2週間以上続いている(早産児では3週間以上)
- ⚠便が白っぽい、または尿が濃い
- ⚠発熱や嘔吐がある
- ⚠おしっこが極端に少ない、または飲みが悪い
- ⚠次の症状があれば、当日中に小児科を受診しましょう。
一般的な症状
- 肌が黄色っぽくなる(顔、胸、おなか、足へと広がることがあります)
- 白目が黄色くなる
- 元気がなく、ぐったりしている
- 授乳量が少なく、おしっこの回数や量が減る
子供の症状
- 肌や白目が黄色くなる
- 尿の色が濃くなる、便の色が白っぽくなる
- かゆみやおなかの痛みを訴えることがある
- 発熱や吐き気をともなうこともある
高齢者の症状
- 肌や白目が黄色くなる
- 尿の色が濃くなる、便の色が薄くなる
- 全身のかゆみやだるさを感じることがある
- この記事は赤ちゃんの黄疸を中心にしています。成人の黄疸は別の病気が原因であることが多いため、気づいたら早めに医師に相談してください。
原因
主な原因
- 新生児の肝臓がまだ未熟で、ビリルビンを処理する力が弱いため
- 赤血球の寿命が短く、血液中のビリルビンが増えやすいため
- 母乳に含まれる成分の影響で黄疸が長引く「母乳性黄疸」があるため
リスク要因
- 早産で生まれた
- 出生時の体重が小さい
- 母子の血液型が合わない(血液型不適合)
- 上の子にも黄疸が出たことがある
- 母乳栄養で、母乳の量が不足している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 生後24時間以内に黄疸がみられる
- 手足まで黄色くなっている
- ぐったりしている、けいれんがある
- 便が白い、または発熱がある
定期受診を予約すべき場合:
- 黄疸が2週間以上続く(早産児では3週間以上)
- 母乳やミルクの飲みが悪く、体重が増えていない
- 黄疸の程度を一度医師に確認してもらいたい
診断
医師が赤ちゃんの肌や白目の色を見て診察し、黄疸の程度を確認します。必要に応じて、専用の機械で皮膚の黄色さを測定したり、血液検査でビリルビンの値を調べたりします。
行われる可能性のある検査
- 視診(肌の色、白目の色、全身の状態を確認)
- 経皮黄疸計(肌に光を当てて、黄疸の程度を調べる)
- 血液検査(総ビリルビン値や、必要に応じて直接ビリルビン値を測定)
診察で予想されること
診察では、赤ちゃんの体重、哺乳量、おしっこ・便の様子もあわせて確認します。痛みをともなう検査は血液検査くらいです。結果に応じて、母乳栄養のアドバイスや、光線療法などの治療の必要性を説明されます。
治療
治療は黄疸の強さと赤ちゃんの日齢・体重によって決まります。軽度の場合は、そのまま様子をみて自然に回復するのを待ちます。中程度以上の場合や、重症化のリスクがある場合は、光線療法を行います。
自宅でのセルフケア
- 母乳またはミルクを、赤ちゃんが欲しがる時に欲しがるだけ与える
- おむつの交換のたびに、肌の色やうんちの色を確認する
- 直射日光に長時間あてるような自己流の処置はしない
医療治療
光線療法(体内のビリルビンを光の力で分解し、尿や便として出しやすくする治療)が最もよく行われます。治療中は赤ちゃんを専用の光の下で寝かせ、目を保護します。光線療法で改善しない重症の場合には、交換輸血(血液中のビリルビンを含む血液を新しい血液に入れ替える治療)が行われることもあります。治療法は医師が赤ちゃんの状態に合わせて判断します。
手術が検討される場合
黄疸の原因が胆道閉鎖症(胆汁がうまく流れない病気)など外科的な病気の場合は、手術が必要になることがあります。これはまれですが、早めの診断と治療が大切です。
この病気と共に生きる
自宅では、赤ちゃんの肌の色、うんちの色、おしっこの回数、飲みの状態、元気さを毎日チェックしましょう。黄疸は顔から足へと広がりやすいので、変化に気づいたらメモしておくと医師に伝えやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 授乳は赤ちゃんのペースに合わせて、タイミングよく行う
- 規則正しい生活リズムを心がける
- かかりつけ医や保健師の指示に従って健診を受ける
食事と運動
赤ちゃんの食事は母乳またはミルクです。水分をしっかりとり、うんちやおしっこをよく出すことで、ビリルビンが体外に排出されやすくなります。特別な運動は必要ありませんが、うつぶせ遊びやおなかのマッサージは便通を促す助けになります。
精神的健康と心の健康
赤ちゃんの黄疸があると、親御さんはとても心配になると思います。多くの場合は自然に治るものなので、過度に心配しすぎないことが大切です。それでも不安が続く場合は、パートナーや家族、医師、保健師などに話してみましょう。
予防
新生児の生理的な黄疸は、未熟な肝臓の働きによるものなので、完全に予防することはできません。しかし、十分な授乳と体重増加を確認することで、黄疸を軽い状態に保ち、重症化を防ぐことができます。また、退院後の新生児健診を必ず受けるようにしましょう。
ワクチン
予防接種は黄疸の予防に直接つながるものではありませんが、赤ちゃんの健康を守るために、通常の予防接種スケジュールに従って受けることが大切です。
検診プログラム
日本では、退院前の診察や新生児健診、1か月健診などで黄疸のチェックが行われます。特に生後24時間以内に黄疸が現れた場合は、注意が必要なため、医療機関で詳しく検査されます。
合併症
治療しない場合
- 黄疸が強くなりすぎると、ビリルビンが脳にまで達することがある(核黄疸)
- 脳に影響が及ぶと、聴力障害や運動発達の遅れなどが残る可能性がある
- まれに、治療が必要な病気が隠れていることがあり、見逃すと重症化するリスクがある
長期的な見通し
多くの赤ちゃんの黄疸は自然に治るか、光線療法などで速やかに改善します。適切なタイミングで診断と治療が行われれば、ほとんどの場合、後遺症を残さず、健康に育ちます。心配な症状があれば早めに相談することが、赤ちゃんの将来の健康につながります。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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