カサバッハ・メリット症候群(KMS)
概要
カサバッハ・メリット症候群は、乳幼児にみられる非常にまれな病気です。体のどこかにできる血管の異常なかたまり(血管性腫瘍)が、血を止める小さな細胞である血小板をたくさん取り込んでしまい、血小板が減って出血しやすくなる状態をいいます。普通の赤ちゃんのあざとは違い、専門的な診療が必要です。
重要な事実
- 非常にまれな病気で、多くは1歳未満の乳児にみられます。
- 血管の異常な腫瘍が血小板を取り込むことで、出血しやすくなります。
- 専門医による早期の評価と継続的なフォローが大切です。
非常にまれです。一般の乳児血管腫(いわゆる赤ちゃんのあざ)とは別の病気で、小児科や専門外来での診療が必要になります。
多くは1歳未満の乳児、とくに生後数か月以内に発症します。成人では非常にまれです。
症状
- 止まらない出血がある
- 息が苦しい、呼吸が速い
- 意識がない、呼びかけに反応が乏しい
- けいれんがある
- しこりが急激に大きくなり、顔色が悪い
- ⚠新しいあざや点状出血が広がっている
- ⚠しこりが急に大きくなった
- ⚠ミルクの飲みが悪い、繰り返す嘔吐がある
- ⚠発熱とぐったりした様子がある
一般的な症状
- 急に大きくなる、赤みのあるしこりや腫れ
- 皮膚の点状の出血(点状出血)や新しいあざが増える
- 鼻血や口の中など、止まりにくい出血
- 顔色が悪い、元気がない、疲れやすい
- しこりを触ると張っている、痛がる様子がある
子供の症状
- ミルクや母乳の飲みが悪い
- 不機嫌が続く、ぐったりしている
- 体重が増えにくい
- しこりが急に大きくなる
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くみえる)がみられることがある
高齢者の症状
- 成人では非常にまれで、主に乳幼児の病気です。大人で似た症状がある場合は、別の原因も含めて医師の診察が必要です。
原因
主な原因
- 血管の異常な腫瘍(カポジ型血管内皮腫や房状血管腫など)が血小板を取り込み、血小板と血液を固める成分が消耗されることで起こります。
- 親の育て方や妊娠中の行動が原因になる病気ではありません。
リスク要因
- 乳児期であること
- カポジ型血管内皮腫や房状血管腫と呼ばれる血管性腫瘍があること
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 出血が止まりにくい、または出血が続く
- しこりが急に大きくなる
- 顔色が悪い、ぐったりしている
- 呼吸が苦しそう、ミルクの飲みが悪い
定期受診を予約すべき場合:
- あざやしこりが大きくなっている
- 出血しやすい、あざが増えている
- 血小板が少ないと指摘された
- 血管性腫瘍と診断され、経過をみている
診断
症状と診察、血液検査、画像検査を組み合わせて、医師が総合的に判断します。血小板が減り、出血しやすい状態があることが手がかりになります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(血小板数や血液を固める働きを調べる)
- 超音波検査
- MRI検査
- 必要に応じて組織を調べる検査(生検)
診察で予想されること
小児科や専門外来に紹介され、血液検査を繰り返して血小板の変化をみます。治療中は出血の危険を見ながら、こまめに診察します。
治療
治療の目的は、血管の異常な腫瘍を抑え、血小板を保ち、出血を防ぐことです。小児科や血液腫瘍の専門チームが、状態に合わせて治療を組み立てます。
自宅でのセルフケア
- ぶつけたり強く押したりしないようにする
- 出血したら清潔なガーゼで押さえ、止まらなければ救急へ連絡する
- 受診予定を守り、気になる変化は早めに伝える
- 新しいあざや出血の様子を記録しておく
- 緊急時の連絡先と受診先を家族で確認しておく
医療治療
治療は、血管の異常な腫瘍の働きを抑える薬物療法、血小板や血液を固める働きを支える治療、出血に対する支持療法などを組み合わせます。薬の種類や量は医師が状態に合わせて決めます。
手術が検討される場合
手術は、腫瘍の位置や大きさ、出血の危険性によって検討されます。出血しやすい状態では手術の危険が高いため、まず薬物療法などで状態を整えることがあります。手術をするかどうかは専門チームが判断します。
この病気と共に生きる
日常はやさしく抱っこし、ぶつけやすい遊びを避けます。出血の跡やしこりの変化を観察し、受診時に伝えると診療の助けになります。
生活習慣のアドバイス
- 爪を短く切り、引っかき傷を防ぐ
- 締め付けの少ない服を選ぶ
- 入浴や保湿はやさしく行う
- 年齢に合った生活リズムを保つ
食事と運動
特別な食事制限は通常ありません。乳児は母乳やミルクを普段どおり与えます。運動は状態に合わせ、ぶつかる遊びは避けます。
精神的健康と心の健康
保護者は不安や罪悪感を感じやすいですが、この病気は育て方のせいではありません。つらいときは医療チームや相談先に話してください。
予防
この病気を防ぐ方法は知られていません。血管性腫瘍がある場合は、早期に専門医へ相談し、経過をみることが大切です。
ワクチン
この病気を防ぐワクチンはありません。通常の予防接種については医師と相談してください。
検診プログラム
一般的なスクリーニング検査はありません。血管性腫瘍がある場合は、医師の指示で経過を観察します。
合併症
治療しない場合
- 重い出血
- 血圧低下やショック
- 腫瘍が臓器を圧迫することによる症状
- 腫瘍が長く残ることによる影響
長期的な見通し
まれで重い病気ですが、専門的な治療で状態が良くなる子どもは多くいます。早く専門医につながることが大切で、長期的なフォローが必要なこともあります。
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最終更新: 2026年10月24日
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