背中が丸くなる(脊柱後弯症)
概要
脊柱後弯症(せきちゅうこうわんしょう)は、背骨が前後に強く曲がり、背中が丸くなる状態です。円背(えんぱい)とも呼ばれます。背骨は本来ゆるやかなS字をしていますが、胸のあたりが後ろに大きく曲がると背中が丸く見えます。姿勢のくせで一時的に見えることもありますが、骨の変化や生まれつきの形が関係することもあります。
重要な事実
- 背中が丸くなる見た目の変化と、背中や腰の痛みが主な症状です。
- 加齢や骨粗鬆症(こつそしょうしょう:骨が弱くなる病気)が関係することが多いです。
- 多くは運動や生活の工夫で管理できますが、脚のしびれや麻痺など神経の症状があれば早めに相談してください。
加齢に伴う軽い円背はよく見られます。強く曲がる人は多くありませんが、骨粗鬆症のある高齢者では珍しくありません。
高齢者、特に閉経後の女性や骨粗鬆症のある方に多いです。思春期の子どもや、生まれつき背骨の形に特徴がある人にも起こることがあります。
症状
- 転倒や事故のあと、突然歩けないほどの背中の痛みがある(すぐに119番)
- 脚が動かない、力が入らない、麻痺がある(すぐに119番)
- 尿や便の漏れ、トイレに行けないなどの排せつ障害がある(すぐに119番)
- 胸の痛み、息苦しさ、意識がもうろうとする(すぐに119番)
- ⚠痛みがどんどん強くなる
- ⚠新しく脚のしびれや脱力が出てきた
- ⚠発熱を伴う背中の痛みがある
- ⚠転倒後から痛みが続いている
- ⚠歩行が急に不安定になった
一般的な症状
- 背中が丸くなり、肩が前に出る
- 身長が低くなったように感じる
- 背中や腰の痛み、疲れやすさ
- 長時間立つとつらい、バランスが悪い
- 見た目の変化が気になる
子供の症状
- 思春期に背中が丸くなってきた
- 肩の高さが左右で違う
- 背中や腰の痛みを訴える
- 運動後に疲れやすい
- 姿勢をまっすぐにしにくい
高齢者の症状
- 身長が縮む
- 背中が急に丸くなる
- 転びやすい、歩くのが不安定
- 歩行や家事がつらい
- 食後におなかが張る、息苦しさを感じる
原因
主な原因
- 加齢による背骨や椎間板(ついかんばん:背骨の間のクッション)の変化
- 骨粗鬆症による背骨の圧迫骨折
- 生まれつきの背骨の形
- 思春期の成長に伴う背骨の変化
- 長い間の姿勢のくせ(一時的なこともあります)
- けが、感染症、腫瘍など(まれです)
リスク要因
- 高齢である
- 閉経後の女性
- 骨粗鬆症がある
- 運動不足
- カルシウムやビタミンDの不足
- 転倒しやすい環境
- 思春期の急速な成長
- 家族に似た傾向がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の強い背中の痛み
- 脚の麻痺や新しい脱力
- 排尿や排便の障害
- 発熱を伴う背中の痛み
- 転倒後の強い痛み
定期受診を予約すべき場合:
- 少しずつ背中が丸くなってきた
- 身長が縮んだ
- 慢性的な背中や腰の痛みがある
- 姿勢の変化が気になる
- 歩行やバランスに不安がある
診断
問診と診察で、背中の形、動き、痛み、しびれなどを確認します。必要に応じて画像検査を行い、原因や神経への影響を調べます。
行われる可能性のある検査
- レントゲン(X線)
- MRI(磁気共鳴画像)
- CT(コンピューター断層撮影)
- 骨密度検査
- 血液検査
診察で予想されること
検査は痛みが少ないものが多く、日帰りでできることが一般的です。小児では成長に合わせて経過を見ることがあります。
治療
治療の目標は、痛みを減らし、背骨の曲がりをゆっくりにし、日常生活を送りやすくすることです。多くは保存的に行われます。
自宅でのセルフケア
- 姿勢を意識し、背中に負担をかけない
- 無理のない範囲で体を動かす
- 疲れたら早めに休む
- 重い物を一度に持たない
- 転倒しにくい環境を整える
- 禁煙し、適正体重を保つ
医療治療
理学療法で筋力や姿勢を整える、装具を使う、痛みに応じた薬を検討する、骨粗鬆症があればその治療を行う、といった方法があります。原因となる病気がある場合は、その治療も行います。具体的な治療は医師と相談して決めます。
手術が検討される場合
神経の圧迫が強い、曲がりが速く進む、保存的な治療では日常生活が難しい場合に、手術が検討されます。手術は専門医とよく相談して決めます。
この病気と共に生きる
背中に負担をかけない姿勢や動作を心がけ、疲れたら休みましょう。重い物を一度に持たず、転倒しにくい住環境を整えることも大切です。
生活習慣のアドバイス
- ウォーキングやストレッチ、筋力トレーニングを無理なく続ける
- 転倒予防のために照明や手すりを見直す
- 禁煙する
- 適正体重を保つ
- 十分な睡眠をとる
食事と運動
カルシウム(乳製品、小魚、大豆製品、青菜など)とビタミンD(魚、きのこなど)をバランスよくとりましょう。日光を適度に浴び、ウォーキングやストレッチ、筋力トレーニングを無理のない範囲で行うことが助けになります。
精神的健康と心の健康
見た目の変化や痛みで自信を失ったり、不安や落ち込みが続くことがあります。それは珍しいことではありません。つらいときは一人で抱えず、医療者や信頼できる人に話してください。気持ちがとてもつらいときや自分を傷つけたい気持ちがあるときは、地域の相談窓口や医療機関に連絡し、緊急時は119番に電話してください。
予防
すべてを防ぐことはできませんが、骨を丈夫に保ち、転倒を防ぎ、姿勢と筋力を保つことでリスクを下げられます。
ワクチン
特定のワクチンで脊柱後弯症そのものを防ぐことはできません。予防接種は年齢や健康状態に合わせてかかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
自治体の健康診断や骨粗鬆症検診を活用しましょう。厚生労働省や自治体の案内を参考にしてください。
合併症
治療しない場合
- 慢性的な痛み
- 歩行や家事がつらくなる
- 転倒や骨折のリスクが増える
- 神経の圧迫によるしびれや脱力
- 呼吸が浅くなる、食事がとりにくい
- 見た目の悩みや気分の落ち込み
長期的な見通し
多くはゆっくり進み、生活の工夫と適切なケアで痛みを和らげたり、進行を緩やかにしたりできます。心配な変化があれば早めに相談することが大切です。
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最終更新: 2026年10月24日
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