陰唇癒合(小陰唇がくっつく状態)
概要
陰唇癒合(いんしんゆごう)は、女の子の小陰唇(しょういんしん:腟の入り口の左右にある皮膚のひだ)が、薄い膜のようにくっついてしまう状態です。多くは後天性(後から起こるもの)で、女性ホルモンが少ない幼児期によくみられます。
重要な事実
- 小陰唇は腟の入り口の左右にある皮膚のひだです。
- 多くは幼児期に起こり、思春期前に自然に開くことが多いです。
- 保護者の洗い方やしつけのせいで起こるものではありません。
乳幼児期の女児に比較的よく見られ、決して珍しいものではありません。
症状
- 尿がまったく出ない、または少量しか出ず下腹部が激しく張って痛む(ためらわず119番に連絡してください)
- 高熱とぐったりした様子があり、尿路感染症が強く疑われる
- 意識がぼんやりしている、顔色が悪い
- ⚠排尿時に強く痛がる、血尿がある
- ⚠発熱がある、膿のような分泌物がある
- ⚠陰唇が急に腫れて痛む
一般的な症状
- 多くは無症状で、健康診断やおむつ交換のときに気づかれます。
- 尿の流れが左右に分かれたり、後ろへ飛んだりすることがあります。
- 陰唇の間に薄い膜のようなものが見えることがあります。
子供の症状
- おむつかぶれのような赤みやかゆみ
- 排尿時に尿が飛び散る、股が濡れやすい
- 排尿時痛や頻尿(尿路感染症を合併した場合)
- 陰唇がくっついて見える
高齢者の症状
- 思春期以降は非常にまれです。
- 成人や閉経後にみられる場合は、腟の入り口の違和感、排尿しにくさ、性交時の痛みなどがあります。
原因
主な原因
- 女性ホルモンの一種であるエストロゲンが少ない時期に、小陰唇の皮膚が薄くもろくなり、くっつきやすくなります。
- おむつかぶれや皮膚の炎症、こすれなどがきっかけになることがあります。
- 生まれつきの形の異常ではなく、多くは後天性(後から起こるもの)です。
リスク要因
- おむつかぶれを繰り返している
- 石けんや洗浄剤で強く洗いすぎる
- 皮膚炎や尿路感染症(尿の通り道の感染症)がある
- 陰部をこする習慣がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 尿がまったく出ない、下腹部が激しく張る
- 発熱と排尿時痛が強い
- 陰唇が急に腫れる、出血する
定期受診を予約すべき場合:
- 尿の流れが気になる
- 陰唇がくっついて見えるが痛みはない
- おむつかぶれが長引く
- 健診や学校検診で指摘された
診断
問診と視診で診断できます。医師が陰唇の状態をやさしく見て、尿の流れや皮膚の炎症を確認します。
行われる可能性のある検査
- 通常は特別な検査は不要です。
- 排尿時痛や発熱があるときは尿検査を行うことがあります。
- 必要に応じて皮膚の状態を詳しく観察します。
診察で予想されること
診察は短時間で、痛みはほとんどありません。無理に陰唇を開いたり剥がしたりしないため、安心して受診してください。
治療
症状がなければ、清潔と保湿を保ちながら自然に開くのを待つことが多いです。症状がある場合は、医師の判断で治療を行います。
自宅でのセルフケア
- 陰部は前から後ろへ、やさしく洗う
- 石けんや洗浄剤をたくさん使わない、こすらない
- おむつはこまめに替え、通気性を保つ
- 刺激の少ない保湿剤で皮膚を守る(医師・薬剤師に相談)
- 無理に引き離さない
医療治療
症状に応じて、医師の判断で外用薬を使うことがあります。薬の種類や量はここではお伝えしません。自己判断で市販薬を使わず、医師・薬剤師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
通常は手術は不要です。尿がまったく出ない、尿路感染症を繰り返すなどで日常生活に支障がある場合は、小児科や婦人科で専門的な処置を検討することがあります。
この病気と共に生きる
多くは日常生活に大きな影響はありません。入浴時やおむつ交換時にやさしく観察し、気になる変化があれば記録しておくと受診時に役立ちます。
生活習慣のアドバイス
- 通気性のよい下着を選ぶ
- 排便後は前から後ろへ拭く
- 陰部をこすらない、強く洗わない
- おむつかぶれを早めにケアする
食事と運動
特別な食事制限や運動制限はありません。水分を十分にとり、便秘を防ぐことが排尿や皮膚への負担を減らすのに役立ちます。
精神的健康と心の健康
保護者が不安になったり、自分を責めたりすることがありますが、育て方のせいではありません。子どもの年齢に合わせてやさしく説明し、つらいときは一人で抱え込まずに相談してください。緊急の場合は119番に連絡してください。
予防
すべてを防ぐことはできませんが、おむつかぶれや皮膚の炎症を早めにケアすることで、負担を減らせる可能性があります。
ワクチン
この状態に特異的なワクチンはありません。
検診プログラム
特別なスクリーニング検査(ふるい分けの検査)はありません。健診や受診のときに気になることを伝えてください。
合併症
治療しない場合
- 尿路感染症(尿の通り道の感染症):排尿時痛、頻尿、発熱など
- 尿が飛び散ることによる皮膚の炎症
- まれに尿閉(尿が出なくなる状態)
- 保護者や本人の不安
長期的な見通し
多くは思春期前に自然に改善し、必要な治療もよく効きます。心配しすぎず、気になる症状があれば早めに相談してください。
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最終更新: 2026年10月24日
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