レーザー近視矯正手術とレンズ(水晶体)手術
概要
レーザー手術とレンズ手術は、どちらも「目のピント合わせ」を助けて、メガネやコンタクトレンズへの頼り方を減らすための手術です。レーザー手術は、目の表面にある角膜(黒目のカバーのような透明な部分)の形をほんの少し整えて、光のピントが合いやすくします。レンズ手術は、目の中にある水晶体(レンズの役割をする透明な部分)を、人工のレンズに入れ替えたり、レンズを追加したりする方法です。白内障(水晶体がにごる病気)の治療として行われることもあれば、近視・遠視・乱視・老視(老眼)を改善する目的で行われることもあります。
重要な事実
- レーザー手術は角膜の形を整える方法、レンズ手術は目の中のレンズを替える・足す方法で、しくみが異なります。
- 向いている人・向いていない人は、角膜の厚さや目の状態、年齢、生活スタイルによって変わります。
- 多くの場合は保険がきかない自由診療(自費)で、費用は手術の種類や医療機関によって幅があります。
- 手術で視力が良くなっても、目の病気そのものがなくなるわけではないため、定期的な目の検査は続けて大切です。
近視の矯正を目的としたレーザー手術は、日本でも海外でも広く行われており、決して珍しいものではありません。また、白内障に対するレンズ手術は、高齢者を中心に非常に多く行われている一般的な手術です。一方で、近視や乱視を治す目的でのレンズ手術は、レーザー手術に比べると行われる数は限られています。
レーザー手術を考えるのは、メガネやコンタクトレンズの手間から離れたい近視・遠視・乱視のある方(おおむね20歳以上で、度数が安定している方が目安)が多いです。レンズ手術は、白内障のある方や、強い近視・遠視でレーザー手術が向かないと判断された方などが対象になります。妊娠中・授乳中の方、目の病気がある方、運転や仕事上どうしても視力が安定していてほしい方などは、事前にしっかり相談が必要です。
症状
- 急に見えなくなる、視野の一部が急に欠ける
- 目の強い痛みに頭痛や吐き気を伴う(急性緑内障発作の可能性)
- 目に強い衝撃を受けた、薬品が入ったなど目のけが
- 手術後に激しい痛みや急激な視力低下が起きた
- ⚠手術後に視界が急に曇る、光の輪が強く出る
- ⚠目やにが増える、充血が強い、まぶたが腫れる
- ⚠飛蚊症(黒い点や糸くずのようなものが見える)が急に増えた、光がピカッと走る
- ⚠コンタクトレンズをしたまま痛みが続き、外しても改善しない
一般的な症状
- 遠くが見えにくい、近くが見えにくい、またはその両方がある
- メガネやコンタクトレンズがないと日常生活が不便に感じる
- コンタクトレンズの装用で目が乾く、充血する、ゴロゴロする
- 夜間に光がにじむ、まぶしく感じる(ハロー・グレア)
- 白内障の場合、目がかすむ、光がまぶしい、物の色が薄く見える
子供の症状
- 小児では近視の進行が早いことがあり、手術の対象になることはほとんどありません
- 黒板が見えにくい、目を細める、テレビに近づくなどの様子があれば眼科で相談しましょう
- 子どもは目の発達途上なので、手術よりもメガネや生活習慣の見直しが中心になります
高齢者の症状
- 水晶体がにごる白内障は加齢とともに増え、かすみやまぶしさが目立ちます
- 老視(老眼)で近くのピント合わせが難しくなります
- ドライアイや緑内障など、ほかの目の病気を併せ持つことがあります
- 持病の薬(特に出血に関わるもの)の影響について、事前に医師へ伝えることが大切です
原因
主な原因
- 近視・遠視・乱視は、角膜のカーブや目の長さ(眼軸)のバランスによってピントがずれることで起こります
- 老視(老眼)は、水晶体が硬くなりピント調節がしにくくなることで起こります
- 白内障は、水晶体のたんぱく質が変化してにごることで起こります(多くは加齢によるもの)
- 生まれつきの強い屈折異常や、けが・病気の後の変化などが関係する場合もあります
リスク要因
- 近くを見る時間が長い生活(スマートフォンやパソコンの長時間使用)
- 屋外で過ごす時間が少ないこと(子どもの近視進行と関連)
- 加齢(白内障・老視)
- 糖尿病などの生活習慣病、紫外線への長期的な露出、喫煙
- コンタクトレンズの長時間装用や不適切なケアによる目のトラブル
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急激に視力が下がった、視野が欠けた
- 目の強い痛み、頭痛、吐き気がある
- 手術を受けたあと、強い痛みや急な見え方の悪化がある
- 目に異物が入った、薬品がかかった
定期受診を予約すべき場合:
- メガネやコンタクトレンズの度数が合わなくなってきた
- レーザー手術やレンズ手術を考え始めた(適応の相談)
- 白内障の症状(かすみ・まぶしさ)が生活に影響してきた
- ドライアイや目の疲れが続いている
- 糖尿病があり、目の定期検査の時期が来た
診断
手術が自分に向いているかどうかは、眼科での詳しい検査で判断します。視力や度数の測定だけでなく、角膜の厚さや形、目の奥(眼底)の状態、眼圧などを調べ、「手術で得られる見え方」と「起きうるリスク」の両方を確認します。同時に、緑内障や網膜の病気など、手術の前に見つけておくべき病気がないかもチェックします。
行われる可能性のある検査
- 視力検査・屈折検査(近視・遠視・乱視の度数を測る)
- 角膜形状検査(角膜のカーブを地図のように調べる)
- 角膜厚検査(レーザー手術で削る量と安全面の確認)
- 眼圧検査(緑内障の手がかり)
- 眼底検査(網膜・視神経の状態)
- 涙液・ドライアイの検査
- 瞳孔の大きさや暗い場所での見え方の確認
診察で予想されること
検査は痛みがほとんどなく、機械をのぞき込むものが中心です。瞳孔を広げる目薬を使う検査では、数時間まぶしさを感じたり近くが見えにくくなったりするので、自分で車の運転をして帰らないようにしましょう。検査のあとは、医師から「どの方法が合いそうか」「合わない場合の理由」の説明を受けます。納得できない点は遠慮なく質問してかまいません。
治療
治療の選択肢は大きく分けて、メガネ・コンタクトレンズで矯正する方法、レーザーで角膜の形を整える方法、目の中にレンズを入れる(入れ替える)方法があります。どれが最善かは、目の状態・年齢・生活スタイル・費用の考え方によって変わります。「手術をすれば必ずメガネが不要になる」とは限らない点も、事前に理解しておくと安心です。
自宅でのセルフケア
- 目を長時間使い続けず、ときどき遠くを見て休める
- コンタクトレンズは装用時間とケアの指示を守る
- ドライアイ対策として、部屋の乾燥を避け、意識してまばたきをする
- 屋外では帽子や日傘、紫外線を抑えるサングラスを活用する
- 禁煙と、糖尿病などの持病の管理を続ける
- 手術後は、目をこすらない・決められた通院を欠かさない・指示された目薬を使う(内容は医師の指示に従う)
医療治療
手術以外では、メガネやコンタクトレンズによる矯正が基本になります。ドライアイやアレルギーなどがある場合は、医師の判断で目薬によるケアが行われることがあります。近視の進行が気になる子どもでは、生活習慣の見直しや、医師が必要と判断した場合の治療が検討されます。薬の名前や使い方は医師・薬剤師の説明に従ってください。
手術が検討される場合
手術は、メガネやコンタクトレンズでの不便が大きく、検査で安全性の見通しが立った場合に検討されます。レーザー手術は角膜を削るため、角膜が薄い方や強い近視の方、ドライアイが強い方などには向かないことがあります。レンズ手術は、白内障がある方や、レーザー手術が適さないと判断された方などが対象になります。妊娠中・授乳中、目の感染症があるときは、手術を先に延ばすことが一般的です。
この病気と共に生きる
手術をしても、目は一生つきあっていく大切な器官です。見え方が良くなったあとも、定期的な検査で眼圧や眼底の変化を確認することが安心につながります。手術直後は見え方が不安定に感じたり、光がにじんだりすることがありますが、多くの場合は時間とともに落ち着いていきます。気になる変化があれば、自己判断せずに早めに眼科へ相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 手術後の一定期間は、目をこすらない・プールや海での水泳を控えるなど、医師の指示を守る
- 運転は見え方が安定してから、医師の許可を得て再開する
- 紫外線対策と、眼精疲労をためない生活リズムを心がける
- コンタクトレンズに戻る場合は、許可の時期と装用ルールを確認する
- 目の乾きを感じたら、我慢せずに医師・薬剤師に相談する
食事と運動
特別な食事療法があるわけではありませんが、バランスのよい食事と適度な運動は、糖尿病や高血圧など目の血流にも関わる病気の予防につながります。緑黄色野菜や魚を含む食事を心がけ、喫煙は避けましょう。手術後は、汗が目に入らないようにする、激しい運動は許可が出てから再開するなど、医師の指示を優先してください。
精神的健康と心の健康
手術は「見え方が変わる」大きな出来事なので、期待と同時に不安を感じるのは自然なことです。思ったような見え方にならなかったときや、光のにじみが気になるときは、落ち込みやいらいらが続くこともあります。ひとりで抱え込まず、眼科の医師や看護師、家族に気持ちを話してみてください。つらさが続くときは、自治体の相談窓口や医療機関の相談体制を利用することもできます。
予防
近視・遠視・乱視の多くは、体質や目の成長のしかたが関係しており、完全に防ぐことは難しいとされています。ただし、子どもの近視の進行をやわらげるために、屋外で過ごす時間を増やす、近くを見続ける時間を区切るといった生活の工夫が勧められています。白内障は、紫外線を避ける、禁煙する、糖尿病を適切に管理することが予防につながるとされています。なお、手術を受けたからといって、緑内障や網膜の病気のリスクがなくなるわけではありません。
検診プログラム
定期的な視力検査と眼科の健診は、見え方の変化や目の病気を早く見つける助けになります。糖尿病のある方は、症状がなくても眼科の定期検査を受けることが大切です。40歳を過ぎたら、節目ごとの目の検査を習慣にするとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- 手術をしない場合でも、メガネやコンタクトレンズで矯正すれば生活上の不便は軽減できます
- 白内障を放置すると、見えにくさが進み日常生活(運転・読書・歩行)に影響することがあります
- 強い近視のある方は、網膜剥離や緑内障などのリスクが高いとされ、定期検査が大切です
- コンタクトレンズの不適切な使用は、角膜の傷や感染の原因になります
長期的な見通し
レーザー手術・レンズ手術ともに、多くの方で見え方の改善が期待できる確立された方法です。一方で、ドライアイ、光のにじみ(ハロー・グレア)、矯正の不足や行き過ぎ、まれな感染など、起こりうる合併症もきちんと説明されています。手術を受けるかどうかは、検査結果とリスクの説明を聞いたうえで、自分の生活に照らしてゆっくり決めてよいものです。迷ったら、別の眼科でセカンドオピニオンを求めることもできます。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年10月24日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.