目の前に糸くずのような影…飛蚊症とレーザー治療の可能性
概要
飛蚊症(ひぶんしょう)は、目の前に黒い点、糸くず、輪、蚊のような影が浮かんで見える状態です。多くは、目の中を満たしている「硝子体(しょうしたい)」という透明なゼリー状の組織が加齢などで変化し、濁りができることが原因です。この記事では、その濁りにレーザーを当てて小さくする「レーザー治療」が飛蚊症の選択肢になりうるかについて、わかりやすく説明します。ただし、この治療はまだ研究が続いている段階で、すべての人に適しているわけではありません。
重要な事実
- 飛蚊症の多くは害のない変化ですが、急に増えたときは網膜の病気のサインのことがあります。
- レーザー治療(レーザー硝子体融解術)は、硝子体の濁りにレーザーを当てて減らす試みで、実施できる医療機関は限られています。
- 効果や安全性についての証拠はまだ十分ではなく、日本で広く標準的に行われている治療ではありません。
とてもよくある症状で、多くの人が一生のうちに一度は経験します。年齢とともに増えていきます。
近視の人、50歳以上の人、白内障の手術を受けた人、目をけがしたことがある人、目の炎症を経験した人に多くみられます。子どもでは比較的まれです。
症状
- 視野の一部が急に欠けて見える(カーテンが下りたような影がかかる)
- 急に視力が大きく下がった
- 目の強い痛みと視力低下が同時に起きた
- ⚠飛蚊が急にたくさん増えた
- ⚠光の点滅(光視症)が続く
- ⚠視野の端に動く影やチラチラする光を感じる
一般的な症状
- 視界に黒い点、糸くず、輪、蚊のような影が浮かぶ
- 白い壁、青空、白い紙など明るい背景で特に目立つ
- 目を動かすと影も動き、視線を止めるとゆっくり漂う
- 片目だけ、あるいは両目に感じることがある
子供の症状
- 子どもではまれで、うまく言葉にできないことがあります
- 目を細める、頭を傾ける、まぶしがるなどの様子がみられる
- 「目にゴミがいる」「虫が見える」などと言う
高齢者の症状
- 年齢とともに硝子体が縮んで網膜から離れる「後部硝子体剥離」が起こり、飛蚊症が現れやすくなります
- 多くの場合は自然に落ち着きますが、光の点滅や急な増加は網膜裂孔(もうまくねっこう)や網膜剥離のサインのことがあります
- 白内障の手術を受けたあとに感じることもあります
原因
主な原因
- 加齢による硝子体の変化(後部硝子体剥離)— 最も多い原因です
- 強い近視による目の形の変化
- 目のけがや炎症(ぶどう膜炎など)
- 白内障手術などの眼内手術のあと
- 糖尿病網膜症などによる目の中の出血
リスク要因
- 50歳以上である
- 強い近視がある
- 眼内の手術を受けたことがある
- 目の外傷の経験がある
- 目の炎症を起こしたことがある
- 糖尿病などの全身の病気がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 飛蚊が急に数多く増えた
- 光の点滅が続く
- 視野の端にカーテン状の影や動く影が出る
- 急に視力が下がった、視野が欠けてきた
定期受診を予約すべき場合:
- 以前からある飛蚊が気になっている
- 少しずつ増えている気がする
- 読書や仕事、運転に集中しづらい
- 片目だけに症状がある
診断
眼科で、瞳を開く目薬(散瞳薬)を使って目の奥まで詳しく観察します。網膜に穴が開いていないか、剥がれていないかを確認することが最も大切です。
行われる可能性のある検査
- 視力検査
- 眼圧検査
- 散瞳眼底検査(瞳を開いて網膜を観察)
- 細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょう)
- 光干渉断層計(OCT)による網膜の断面の観察
- 必要に応じて眼の超音波検査
診察で予想されること
散瞳の目薬を使うと、数時間まぶしく感じ、近くが見えにくくなります。その日は車の運転を避け、サングラスがあると便利です。検査そのものに痛みはありません。
治療
多くの飛蚊症は治療の必要がなく、脳が少しずつ慣れていく(順応する)のを待つことが基本です。気になって仕方がない場合に、レーザー治療や手術が検討されることがありますが、適応は限られています。
自宅でのセルフケア
- 明るい場所ではサングラスや帽子でまぶしさをやわらげる
- パソコンやスマートフォンの画面の明るさや背景色を調整する
- 影が気になったら、視線を上下に動かして影を視界の外へ移す
- 睡眠と休息をとり、目の疲れをためない
- 定期的に眼科で目の状態を確認する
医療治療
飛蚊症を消す確立された薬はなく、点眼薬や飲み薬で濁りをなくす治療は一般的ではありません。選択肢としては、①経過を見守る、②レーザー硝子体融解術、③硝子体手術があります。レーザー治療は、硝子体の濁りにレーザーを当てて小さく砕いたり気化させたりする方法で、症状が強く生活に支障がある場合に検討されます。ただし効果には個人差があり、研究の蓄積はまだ十分ではなく、網膜を傷つける、出血する、眼圧が上がる、白内障が進むなどのリスクが報告されています。日本では保険診療として広く行われているわけではなく、実施している医療機関も限られます。受けるかどうかは、眼科医と利益とリスクをよく話し合って決めましょう。
手術が検討される場合
硝子体手術(濁った硝子体を取り除く手術)は、飛蚊症が非常に強く日常生活に大きな支障がある場合に限って検討されます。目の内側を操作する手術で、感染、出血、網膜剥離、白内障の進行などのリスクがあるため、症状の程度とリスクをよく話し合って判断します。
この病気と共に生きる
飛蚊症は、多くの場合「付き合っていく」症状です。気にしすぎると余計に目立つことがあるので、視線を動かして影を視界から外す、背景を工夫するなどのコツが役立ちます。
生活習慣のアドバイス
- 長時間の画面注視を避け、こまめに目を休める
- 目の疲れをためない
- 喫煙を控える
- 血圧や血糖を管理する(糖尿病がある場合)
食事と運動
特別な食事で飛蚊症が消えるという確かな根拠はありません。バランスのよい食事、適度な運動、禁煙、血圧や血糖の管理は、目の健康全般に役立ちます。網膜剥離のリスクがあると言われた場合は、運動の内容について医師の指示に従ってください。
精神的健康と心の健康
視界に影が浮かぶと集中しづらく、不安やストレスを感じることがあります。つらい気持ちが続くときは、一人で抱え込まず、眼科医やかかりつけ医、地域の相談窓口に話してみてください。気持ちが追い詰められていると感じたら、早めに医療機関や相談窓口に連絡してください。
予防
加齢による硝子体の変化そのものを防ぐ方法は知られていません。ただし、目のけがを防ぐ、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を管理する、定期的に眼科を受診するといったことが、目の健康を守る助けになります。
検診プログラム
自治体が行う健康診査や、勤務先の健康診断を活用して、目の状態を定期的に確認しましょう。飛蚊症が急に変わったときは、健診を待たずに眼科を受診してください。
合併症
治療しない場合
- 多くは問題なく経過し、視力への影響もありません
- まれに、網膜裂孔や網膜剥離が背景にあることがあり、放置すると視力に影響することがあります
- 濁りが非常に強いと、読書や運転など日常生活に支障が出ることがあります
- レーザー治療を受けた場合、網膜の損傷、出血、眼圧の上昇、視野の一部が欠けるなどの合併症が報告されています
長期的な見通し
ほとんどの飛蚊症は時間とともに気にならなくなり、視力にも影響しません。レーザー治療はまだ発展途上の選択肢ですが、研究は進んでいます。症状が急に変わったときは早めに眼科へ、それ以外は定期的に相談しながら付き合っていくのが安心です。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年10月24日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.