足がつる(こむら返り)
概要
足がつる、いわゆる「こむら返り」は、ふくらはぎや足の裏などの筋肉が急にギュッと縮んで硬くなり、強い痛みが出る状態です。多くは数秒から数分で自然におさまり、そのあと少し筋肉が痛んだり、だるさが残ったりします。特別な病気が隠れていないことも多いですが、体の水分や塩分のバランス、疲れ、冷え、ときには別の病気や薬の影響が関係していることもあります。
重要な事実
- 多くは一時的なもので、命に関わるものではありません。
- 夜、寝ているときに起こることが多く、何度も目が覚めてつらい方もいます。
- 水分や食事、ストレッチなどの生活の工夫で、起こる回数を減らせる場合があります。
とてもよくある症状です。大人の多くの人が一生のうちに何度か経験し、年齢が上がるほど起こりやすくなります。
高齢の方、スポーツをする方、立ち仕事や長時間同じ姿勢で過ごす方、妊娠中の方によく見られます。糖尿病や腎臓病、甲状腺の病気などの持病がある方、一部の薬を飲んでいる方にも起こりやすいことがあります。
症状
- 胸の痛み、息苦しさ、冷や汗、強いだるさを伴う(心臓や血管の緊急事態の可能性)
- ろれつが回らない、顔や手足の片側が動かない、急に力が入らない(脳卒中の可能性)
- 足が白っぽい・青っぽい、冷たい、感覚がない、痛みがどんどん強くなる(血の流れが止まっている可能性)
- 筋肉の激しい痛みと腫れに加えて、尿が濃い茶色になる(筋肉が壊れる病気の可能性)
- ⚠足の腫れ、赤み、熱感があり、押すと痛む(血栓などの可能性)
- ⚠短時間に何度も繰り返し、日常生活に支障が出ている
- ⚠痛みで歩けない、足に力が入らない
- ⚠薬を飲み始めてから急に増えた
- ⚠体重が減る、微熱が続くなど、体全体の不調を伴う
一般的な症状
- ふくらはぎが突然硬くなり、強く痛む
- 足の指や足の裏がつる
- 痛みは数秒から数分続き、その後ゆるむ
- つったあと、しばらく痛みやだるさ、違和感が残る
- 夜中に痛みで目が覚める(夜間こむら返り)
- 同じ場所に何度も起こることがある
子供の症状
- 運動のあとや、暑い日にたくさん遊んだあとに起こりやすい
- 成長期に一時的に起こることがある
- 多くは一時的で、水分をとって休めば改善する
- 痛がって泣く場合は、無理に動かさずゆっくり伸ばしてあげる
高齢者の症状
- 夜間に起こる回数が増えやすい
- 筋肉量が減ることで起こりやすくなることがある
- 飲んでいる薬が関係していることもある
- つまずきや転倒のきっかけになることがある
- 足のむくみや血のめぐりの変化を伴うことがある
原因
主な原因
- 筋肉の使いすぎや疲れ(運動、長時間の立ち仕事など)
- 水分や塩分(電解質)の不足、脱水
- 冷えや、寝ているときの姿勢
- 長時間同じ姿勢でいること
- 年齢による筋肉量の減少
- 妊娠に伴う体の変化
- 薬の影響(飲み始めてから増えた場合は医師・薬剤師に相談)
- 糖尿病、腎臓病、甲状腺の病気、血のめぐりの病気、神経の病気などの持病
- アルコールの飲みすぎ
リスク要因
- 高齢であること
- よく運動する、または急に運動量が増えた
- 暑い環境での作業や運動
- 水分をあまりとらない、汗をたくさんかく
- 肥満や体重の急な変化
- 立ち仕事や長時間のデスクワーク
- 持病がある、または複数の薬を飲んでいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 足が腫れる、赤くなる、熱をもつ
- 足が冷たく、色が悪い、感覚がおかしい
- 強い痛みが続いて歩けない
- 尿が濃い茶色になる、筋肉の激しい痛みと腫れがある
- 胸の痛みや息苦しさなど、全身の症状がある
定期受診を予約すべき場合:
- 週に何度も起こる、または毎晩のように起こる
- 生活の工夫をしても改善しない
- 糖尿病、腎臓病、甲状腺の病気などの持病がある
- 飲んでいる薬を変えてから回数が増えた
- 足のむくみや、だるさが続く
診断
多くは問診と診察で判断します。いつ、どのあたりが、どのくらいの時間つるのか、きっかけは何か、飲んでいる薬、持病、生活習慣などを確認します。必要に応じて検査を行い、隠れた原因がないかを調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(水分や電解質のバランス、血糖、腎臓の働き、甲状腺ホルモン、筋肉の酵素など)
- 足の血管の超音波(エコー)検査
- 心電図(必要に応じて)
- 神経の伝わり方を調べる検査(必要に応じて)
診察で予想されること
診察だけで終わることも多く、結果によっては生活の工夫や持病の治療を進めます。緊張せず、気になっていることをメモして持っていくと話しやすくなります。
治療
足がつる治療の中心は、つったときの正しい対処と、原因に合わせた生活の見直しです。多くの方は生活の工夫で回数が減ります。持病や薬が関係している場合は、その対応を医師と相談して進めます。
自宅でのセルフケア
- つったら、足首をゆっくり手前に曲げて、ふくらはぎをじんわり伸ばす
- 無理に強くもまず、痛みが引くまでゆっくり伸ばす
- つったあとは、温める、軽くマッサージするなどして休める
- 寝る前にふくらはぎのストレッチを習慣にする
- 水分をこまめにとる(寝る前にも少し)
- 布団や掛け布団が重すぎないか見直す
- 冷え対策として、靴下や室温を調整する
- 長時間同じ姿勢を避け、ときどき動かす
医療治療
原因が見つかった場合は、その原因に合わせた対応を行います。水分や塩分などのバランスを整える、持病の治療を進める、薬の内容や量の見直しを検討する、といった方法があります。どの方法が合うかは体の状態によって変わるため、自己判断で薬をやめたり始めたりせず、必ず医師や薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
足がつる症状そのもののために手術が必要になることは、ふつうはありません。ただし、足の血管が狭くなっているなど別の原因が見つかった場合は、専門医と相談のうえで治療方針を決めることがあります。
この病気と共に生きる
ついたときに落ち着いて伸ばせるよう、対処法を覚えておくと安心です。起こった日時や状況を簡単にメモしておくと、受診したときに原因を探る手がかりになります。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活と、十分な睡眠を心がける
- 適度な運動を続ける(急に運動量を増やさない)
- 長時間の立ち仕事やデスクワークの合間に、こまめに動く
- 冷えを避け、体を温める
- 喫煙は控えめにする
- アルコールの量を見直す
- 寝る前のストレッチを日課にする
食事と運動
水分をこまめにとり、バランスのよい食事を心がけましょう。野菜、果物、大豆製品、ナッツ、乳製品など、体の調子を整える栄養を含む食品を組み合わせるとよいです。運動は、ウォーキングや軽いストレッチ、無理のない筋力づくりを続けることが役立ちます。暑い日や汗をたくさんかいた日は、水分と一緒に少し塩分をとることも大切です。
精神的健康と心の健康
夜中に何度も起こると眠りが妨げられ、疲れや不安がたまることがあります。妊娠中の方や、持病と付き合っている方は、特に不安を感じやすいかもしれません。つらさを一人で抱え込まず、かかりつけ医やご家族に話してみてください。気持ちが落ち着かない状態が続くときは、地域の保健センターや自治体の相談窓口、かかりつけ医に相談しましょう。
予防
ある程度は予防できます。水分や食事、ストレッチ、冷え対策などの生活の工夫で、起こる回数を減らせる場合が多くあります。
検診プログラム
足がつる症状そのものを防ぐための検査は特にありません。ただし糖尿病や腎臓病などの持病がある方は、定期的に受診して体の状態を確認しておくと安心です。
合併症
治療しない場合
- 夜中に目が覚めることで、睡眠不足や日中の疲労感が続く
- 高齢者の場合、足がついたときに転倒する危険がある
- 生活の質が下がり、外出や運動を控えてしまうことがある
- まれに、血の流れの障害や筋肉が壊れる病気など、別の重大な原因が隠れていることがある
長期的な見通し
多くは命に関わるものではなく、生活の工夫や原因への対応で良くなっていきます。つらい症状が続くときは、我慢せずに相談することが、安心につながります。
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最終更新: 2026年10月24日
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