レジオネラ症(レジオネラ肺炎)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
レジオネラ症は、レジオネラ菌という細菌が原因で起こる感染症です。主に肺に炎症を起こし、肺炎を引き起こします。空気中に漂う細菌を含んだ水滴を吸い込むことで感染します。
重要な事実
- レジオネラ菌は自然の水や土壌にいますが、冷却塔、循環式浴槽、加湿器など人の手で作られた水回りで増えやすいことがあります。
- 感染しても多くの人は軽い症状で済みますが、高齢者や基礎疾患のある人は重症化しやすいです。
- 咳、発熱、息切れなど、一般的な肺炎とよく似た症状が現れます。早期に医療機関で診てもらうことが大切です。
日本では年間に数百人程度の報告がある比較的まれな病気で、肺炎全体の中ではごく一部です。ただし、同じ施設を利用した人に続けて起こる集団発生が時々報告されています。
50歳以上の人、喫煙者、慢性の肺疾患や心臓病、糖尿病などの基礎疾患がある人、免疫力が低下している人がかかりやすい傾向があります。健康な若い人でも、まれに発症することがあります。
症状
- 呼吸がとても苦しく、息ができない
- 唇や爪が青紫色になっている
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- ⚠高熱が続く(解熱剤を使っても下がらない)
- ⚠咳や痰がひどくなり、胸が痛む
- ⚠痰に血が混じる
- ⚠水分が取れない、食事がとれない
- ⚠ぐったりしている、元気がない
一般的な症状
- 高熱(多くの場合38度以上の熱)
- 悪寒(さむけ)
- 咳(最初は乾いた咳で、次第に痰が出ることがあります)
- 強い倦怠感(だるさ)
子供の症状
- 子どもでは比較的まれですが、発熱、咳、だるさに加えて、食欲が落ちる、嘔吐や下痢などの消化器の症状を伴うことがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、熱がはっきりしないこともあります。元気がない、ぼんやりする、意識がもうろうとする、転びやすくなるなど、肺炎らしくない症状が現れることがあるため注意が必要です。
原因
主な原因
- レジオネラ菌を含む細かい水滴(エアロゾル)を吸い込むことで感染します。
- 菌は20~45度の温水で増えやすく、冷却塔、循環式浴槽、ジャグジー、加湿器、噴水、温泉施設などで増殖することがあります。
- 人から人へはうつりません。
- 飲み水から感染することはまれですが、誤って水を吸い込むと感染する可能性があります。
リスク要因
- 50歳以上の年齢
- 慢性の肺疾患(COPDなど)や心臓病
- 免疫を抑える薬の使用や病気による免疫力低下
- がんや血液疾患
- 大量のお酒を飲む習慣
- 最近の旅行や宿泊施設・入浴施設の利用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱、咳、息切れなど肺炎を疑う症状がある場合は、すぐに医療機関に電話して受診してください。
- 特に、息苦しさを感じたり、体の具合が急に悪くなった場合は、ためらわずに119番に連絡してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 症状が軽くても、熱や咳が2~3日以上続く場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
- 基礎疾患がある方は、発熱や咳があるときは早めに受診してください。
診断
医師が症状の経過、渡航歴や入浴施設の利用歴などを確認し、肺炎が疑われた場合に、尿や痰の検査、画像検査などを行って診断します。
行われる可能性のある検査
- 尿中抗原検査(尿にレジオネラ菌の一部が出ているかを調べる)
- 喀痰培養検査(痰の中の菌を調べる)
- 胸部X線またはCT検査(肺の炎症の様子を確認)
- 血液検査(炎症の程度や全身状態を確認)
診察で予想されること
医療機関では、問診と身体診察に加えて、採血や尿検査、レントゲンなどが行われます。レジオネラ症はほかの肺炎と似ているため、検査結果を待って診断が確定します。確定後は必要に応じて入院し、抗菌薬による治療が始まります。
治療
レジオネラ症は細菌感染症なので、抗菌薬(ばい菌を退治する薬)による治療が中心となります。症状の程度によって、入院して治療するか、外来で内服薬を使って治療するかが決まります。重症の場合は酸素投与や呼吸を助ける処置が行われます。
自宅でのセルフケア
- 体をしっかり休める
- 水分をこまめにとる(医師から指示された場合)
- 喫煙している人は禁煙する
- 医師に指示された薬は、症状がよくなっても途中でやめずに飲み切る
- 具合が変わったら、遠慮せず医療機関に連絡する
医療治療
抗菌薬による治療を行います。薬の種類や飲み方(内服か点滴か)は、症状の重さや年齢、基礎疾患を考慮して医師が決定します。軽症の場合は自宅で内服薬を飲みながら経過を見ることもありますが、高齢者や基礎疾患がある方は入院して治療することが一般的です。抗菌薬は飲み終えるまで継続することが重要です。
手術が検討される場合
外科的な処置が必要になることは通常ありません。
この病気と共に生きる
治療中は安静が第一です。解熱して症状が落ち着いてからも、体力の回復には時間がかかることがあります。無理をせず、医師の許可が出るまでは通常の活動を控えましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を続ける
- 十分な睡眠をとる
- バランスのよい食事を心がける
- 定期的に通院し、経過を確認する
- 手洗いを徹底する
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、食欲がなくても無理のない範囲で、消化のよいものを少しずつ食べましょう。水分補給も大切です。運動は、完治するまで控え、担当医に相談してから始めてください。
精神的健康と心の健康
肺炎の治療中は、息苦しさや不安から気分が落ち込むこともあります。特に入院中は孤立感を感じることがあります。不安やつらい気持ちは、家族や友人、医療スタッフに話してください。気分の落ち込みが続く場合も、一人で抱え込まずに医療機関や相談窓口に相談しましょう。
予防
レジオネラ症は、原因となる菌を水回りで増やさないようにすることで予防できます。家庭では、給湯器や加湿器、エアコンの水回りを定期的に掃除・メンテナンスしましょう。旅行先や公共施設でも、衛生管理体制が整っているかどうかを気にかけることが大切です。免疫力が低い人は、メンテナンスが不十分な入浴施設や加湿器の使用を避ける工夫も役立ちます。
ワクチン
レジオネラ症を予防するワクチンは現在ありません。
検診プログラム
症状がない人が定期的に検査することは推奨されていません。発熱や咳などの症状がある場合は、早めに受診することが早期発見につながります。
合併症
治療しない場合
- 重症の肺炎が進行して呼吸不全(呼吸ができなくなること)を起こすことがあります。
- 敗血症(細菌が血液の中に入り、全身に広がる病気)になることがあります。
- 腎臓などの臓器の働きが低下する、多臓器不全になることがあります。
長期的な見通し
早期に診断されて適切な治療が始まれば、多くの人は回復します。健康な人では、ほとんど後遺症なく治ることが多いです。高齢者や基礎疾患のある人でも、治療が早く始まれば回復の可能性は十分にあります。治療後も、だるさや咳が続くことがありますが、時間とともに楽になることがほとんどです。気になる症状があれば相談してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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