レプトスピラ症
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
レプトスピラ症は、レプトスピラという細菌によって起こる感染症です。主にネズミなどの動物の尿で汚染された水や土に触れることで感染します。発熱や頭痛、筋肉の痛みなどの症状が出ます。
重要な事実
- レプトスピラ症は、動物から人にうつる感染症です(人から人へはほとんどうつりません)。
- 感染しても症状が出ない人もいますが、重症化すると黄疸(皮膚や目が黄色くなること)や腎臓の障害が出ることがあります。
- 早期に治療を始めれば、多くの人は元どおりに回復します。
- 日本では、海外での感染例や、水害後の汚染された水に触れて感染する例が報告されています。
日本ではめずらしい感染症です。しかし、世界では熱帯・亜熱帯地域を中心に毎年多くの感染者がいます。日本でも、大雨の後に水に浸かった土地を歩いたり、田んぼや川の水に触れたりした場合に感染することがあります。
田んぼや畑で働く人、下水道や清掃などの仕事をしている人、レジャーで川や湖の水に触れる人、動物と関わる仕事をしている人などが感染することがあります。また、子どもや高齢者は重症化しやすいと言われています。
症状
- 呼吸が苦しい
- 意識がもうろうとする
- けいれん
- 血を吐く、または大量の出血
- おしっこが出ない
- これらの症状がある場合は、すぐに119番に連絡して救急車を呼んでください。
- ⚠目や肌が黄色い(黄疸)
- ⚠高熱が続く
- ⚠激しい頭痛や筋肉痛
- ⚠嘔吐が続いて水分が取れない
- ⚠これらの症状がある場合は、その日のうちに医療機関へ相談してください。
一般的な症状
- 突然の発熱(高熱)
- 筋肉の痛み、特にふくらはぎの痛み
- 目の充血
- だるさ(倦怠感)
- 吐き気や嘔吐
原因
主な原因
- レプトスピラという細菌に感染すること
- 感染したネズミやその他の動物の尿で汚染された水、土、泥に触れること
- 細菌が皮膚の傷や目の粘膜などから体内に入ること
リスク要因
- 農作業や屋外での仕事で田んぼや水場に足を踏み入れる
- 川、湖、池などの淡水で泳ぐ、または水遊びをする
- 洪水や大雨の後に水に浸かった場所を歩く
- 下水道工事や清掃などの仕事に携わる
- 犬などのペットが感染した尿に触れる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発熱に加えて、強い頭痛や筋肉痛があるとき
- 肌や目が黄色くなったとき
- おしっこの量が減ったとき
- 息苦しさがあるとき
- 災害後などの水に触れた後に熱が出たとき
定期受診を予約すべき場合:
- 数日続く微熱やだるさがあるとき
- 感染する可能性があったかどうか心配なとき
診断
医師があなたの症状と、最近どこで水に触れたかなどの経過を確認します。その後、血液や尿の検査で細菌や抗体を調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査
- PCR検査(病原体の遺伝子を調べる検査)
- 抗体検査(血液中の免疫の反応を調べる検査)
診察で予想されること
病院では、まず問診(症状や生活の状況を聞かれること)があります。その後、血液や尿を採って検査します。結果が出るまでに数日かかることもありますが、治療が必要な場合は、検査を待たずに早めに薬が始まることがあります。
治療
レプトスピラ症の治療の中心は、抗菌薬(細菌をやっつける薬)と、症状をやわらげる支持療法です。軽症の場合は外来で治療できますが、重症の場合は入院しての治療が必要になることがあります。
自宅でのセルフケア
- 十分に休む
- 水分をこまめにとる
- 熱があるときは、体を冷やし、医師の指示に従って無理をしない
- 症状を他の人に移さないために、手洗いなどの衛生管理をしっかりする(人から人へはほとんどうつりませんが、一般的な予防として大切です)
医療治療
感染症の専門医が、原因となる細菌に効果のある抗菌薬を処方します。重症の場合は、入院し、点滴や呼吸のサポートなど、全身の状態を保つための治療が行われます。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
レプトスピラ症自体に対して手術が必要になることはありません。
この病気と共に生きる
治療中の間は、体調を見ながら無理をせず、静かに過ごすことが大切です。症状が落ち着いてからも、腎臓や肝臓の状態を確認するために定期的な通院が必要になることがあります。
生活習慣のアドバイス
- 完全に治るまでは、激しい運動を避け、十分な睡眠をとる
- お酒は肝臓に負担をかけるため、医師の許可が出るまで控える
- 再発防止のため、川や田んぼなど不衛生な水に触れるときは長靴や手袋を着用する
食事と運動
治療中は、消化の良い食事をとり、水分を多めに飲むようにしてください。回復後は、医師の許可があれば徐々に運動を再開できます。
精神的健康と心の健康
原因がわからず不安や恐怖を感じることがあるかもしれません。しかし、治療が始まり症状が落ち着けば気持ちも楽になります。気分がつらく続くときは、医師や看護師、家族に相談しましょう。
予防
はい、予防することができます。レプトスピラがいる可能性のある水や土に触れないことが一番の予防です。どうしても触れる場合は、長靴や手袋、防水性のある服を着用しましょう。
ワクチン
日本では、ヒト用のレプトスピラ症ワクチンは一般的にはありません。予防は、水や土との接触を避けることが中心です。犬用のワクチンはありますが、動物の感染予防のためのものです。
検診プログラム
この病気は、症状がない場合に定期的な検診を受けるような病気ではありません。ただし、感染する可能性があった場合や症状が心配な場合は、医師に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 黄疸(皮膚や目が黄色くなる)
- 急性腎不全(腎臓が急に働かなくなること)
- 肺出血(肺から出血すること)
- 髄膜炎(脳や脊髄を包む膜に炎症が起こること)
- 肝機能障害
長期的な見通し
早期に診断と治療を受ければ、ほとんどの人が後遺症なく回復します。重症化しても、適切な医療を受ければ回復は可能です。心配な症状があれば、早めに医師に相談することが大切です。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。