脂肪吸引術(リポサクション)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脂肪吸引術は、体の特定の部分にたまった脂肪を、細い管を使って吸い出す美容手術です。おなかや太もも、お尻など、部分的に気になる脂肪を減らして、体のラインを整えるために行われます。
重要な事実
- 脂肪吸引は、脂肪を減らすための手術であり、肥満治療やダイエットの代わりになるものではありません。
- 吸引した部分の脂肪細胞は減りますが、残った脂肪細胞は大きくなることがあります。
- 術後はむくみや内出血がしばらく続くことが一般的で、完全な仕上がりが見えるまでに数か月かかることがあります。
脂肪吸引は、世界中で行われている一般的な美容手術のひとつです。国内でも多くの美容外科クリニックで実施されています。
主に成人の男女を対象とし、体の特定の部分の脂肪が気になる方に行われることが多いです。健康状態によっては手術を受けられない場合もあります。
症状
- 呼吸が苦しい、胸が痛い
- 大量の出血が止まらない
- 意識がもうろうとする
- 動けないほどの強い痛み
- 吸引した部位が急に腫れて熱を持つ(感染の重症サイン)
- ⚠38度以上の発熱
- ⚠傷口から異臭や黄色い膿が出る
- ⚠腫れや痛みが時間とともに悪化する
- ⚠脚のむくみが一方的に強くなる(血栓の疑い)
- ⚠傷口が開いてしまった
一般的な症状
- 手術直後から数週間続く腫れ(むくみ)
- 内出血やあざ
- 痛みやピリピリした感覚
- 皮膚のしびれ
- 術後数か月続く引きつれ感
原因
主な原因
- ダイエットや運動では部分的な脂肪が減りにくいという悩み
- 遺伝的に脂肪がつきやすい部位がある
- 加齢による体のラインの変化が気になる
- セルフイメージや見た目への満足度を高めたいという希望
リスク要因
- 肥満や糖尿病、高血圧などの持病
- 心臓や肺の病気
- 血栓ができやすい体質
- 喫煙(血行不良や創傷治癒の遅れにつながる)
- 血液を固まりにくくする薬を服用している場合
- 肌の弾力が乏しい、または極端な痩せ方
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 術後に高熱や強い痛みがある場合
- 呼吸困難や胸の痛みが現れた場合
- 傷口からの出血や膿が続く場合
- 片足だけの強いむくみや痛みがある場合
定期受診を予約すべき場合:
- 脂肪吸引を検討していて、自分に合うかどうか知りたい場合
- 過去の手術や麻酔について不安がある場合
- 持病がある方で、手術が安全に受けられるか相談したい場合
- 別の医療機関で受けた術後の経過について診てもらいたい場合
診断
脂肪吸引の前に行うのは、病気の診断というより、安全に手術を受けるための「術前評価」です。医師が問診、身体診察、血液検査などを行い、心身の状態を確認します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(貧血や糖尿病、感染症の有無などを調べる)
- 心電図(心臓の状態を確認する)
- 胸部レントゲン(肺や心臓の異常を確認する)
- 体脂肪率や体重の測定
- 皮膚の状態や弾力の確認
- 吸引する範囲の写真撮影(術前後の比較用)
診察で予想されること
まずは美容外科または形成外科のクリニックを受診し、相談します。医師が気になる部位を診て、脂肪吸引が適しているか、どの方法が安全かを説明します。リスクや費用、術後の経過についても詳しく聞くことができます。当日に同意書を書くことは避け、数日間考える時間を持つことも大切です。
治療
脂肪吸引は手術によって脂肪を物理的に取り除く治療です。一般的には、吸引する部位に細い管(カニュラ)を差し込み、超音波やレーザーなどで脂肪を柔らかくしながら吸引します。麻酔は局所麻酔か全身麻酔が選ばれます。
自宅でのセルフケア
- 術後は指示に従って圧迫衣(ガードルなど)を装着し、患部を安静に保つ
- 飲酒や激しい運動は医師の許可があるまで控える
- シャワーは翌日から可能なことが多いが、入浴は傷が治るまで控える
- 術後の腫れを抑えるため、冷却や適度な安静を心がける
- 痛みや腫れが続いていても、自己判断で薬を変えたり増量したりしない
- 通院や診察は必ず指示された日に受ける
医療治療
術後、痛みに対しては医師が処方する鎮痛薬が使われます。感染予防のために抗菌薬が処方されることもありますが、必ず医師の指示に従って服用します。内出血や腫れを抑える薬や、患部の回復を助ける外用薬も処方されることがあります。いずれも医師が状態に合わせて選ぶもので、自己判断で市販薬を併用しないでください。
手術が検討される場合
脂肪吸引自体が手術です。吸引しても脂肪が再び増えることはありますが、傷跡やリスクを伴うため、適応かどうかを慎重に判断する必要があります。著しい肥満や重度の脂肪のたるみがある場合、脂肪吸引ではなく減量や他の手術法がすすめられることもあります。
この病気と共に生きる
術後1〜2週間は腫れや痛みがあるため、仕事や家事のペースを調整しましょう。圧迫衣は指定された期間、ほぼ一日中着用します。1か月ほどで日常生活に戻れることが多いですが、完全に落ち着くまでには数か月かかることもあります。
生活習慣のアドバイス
- 結果を長持ちさせるために、急激な体重変動を避ける
- 適度な運動を習慣にする(筋トレや有酸素運動など)
- 十分な睡眠をとる
- 術後は特に禁煙する(タバコは血行を悪くし、回復を遅らせる)
- ストレスをためすぎないように、自分なりのリラックス方法を持つ
食事と運動
脂肪吸引だけに頼るのではなく、バランスのよい食事と定期的な運動を組み合わせることが大切です。吸った部分の脂肪細胞は減っても、残った細胞が大きくなると、見た目が元に戻る可能性があります。野菜やたんぱく質を中心にした食事と、毎日のウォーキングや軽い筋トレを続けるとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
手術後の見た目が思ったように変わらないと、がっかりしたり、焦りを感じることがあります。また、腫れが引くまでの時期は気持ちが落ち込むこともあります。周りの人に相談したり、症状が続くようであれば、医療機関で心のケアについても相談してください。自分を大切にしながら、無理のないペースで回復を目指しましょう。
予防
脂肪吸引そのものを予防するというより、脂肪吸引を必要としない体づくりをすることが大切です。日頃から適度な運動と健康的な食事を続け、体重の急激な変化を避けることで、部分的な脂肪のつきすぎを防ぎやすくなります。すでに気になる脂肪がある場合でも、手術の前にまず生活習慣の見直しを考える価値があります。
ワクチン
手術前に、インフルエンザや肺炎などの感染症予防接種を受けているか確認することも、術後の感染リスクを下げるために役立つことがあります。ただし、脂肪吸引前に特別に受けるべきワクチンはありません。かかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
脂肪吸引を受ける前に、持病や健康状態をきちんと評価することが重要です。血液検査や心電図などの術前検査は、合併症を予防するためのスクリーニングとして行われます。
合併症
治療しない場合
- 皮下の脂肪を吸引した後の内出血や血腫(あざに血がたまること)が放置されると、強い痛みや感染の原因になる
- 創部の感染が広がると、重い場合は敗血症(血液中に細菌が回ること)になる危険がある
- 脂肪の塊が血管に入って詰まると、肺塞栓症を起こし、突然の呼吸困難や生命の危険につながることがある
- 吸引しすぎによる皮膚の凹凸やたるみが残る
長期的な見通し
脂肪吸引は、合併症を防ぐための適切な検査と安全な麻酔、そして術後のケアをしっかり行えば、多くの方が満足のいく結果を得られます。完全に回復するまでには時間がかかりますが、焦らずに担当医の指示に従うことが大切です。手術後の経過が良好であれば、日常生活への影響は少なく、改善された体のラインを長く維持することも可能です。自分の健康と向き合う良い機会と考えて、前向きに過ごしましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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