水いぼ(伝染性軟属腫)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
水いぼ(伝染性軟属腫)は、ウイルスが皮膚に感染してできる、小さな盛り上がったブツブツのことです。多くは痛みがなく、健康な子どもにみられます。自然に消えることが多い病気ですが、うつる性質があります。
重要な事実
- 感染力が強い皮膚の感染症ですが、健康なら多くの場合、数か月から数年で自然に消えます。
- プールやタオルの共有、肌と肌の直接の接触でうつることがあります。
- こすったり引っかいたりすると、ウイルスが他の場所に広がりやすくなります。
はい、特に子どもではよくある皮膚の病気です。保育園や幼稚園、学校で広がることがあります。
主に子ども(特に5歳から10歳ごろ)に多くみられます。ただし、アトピー性皮膚炎のある人や、免疫力が低下している大人でもかかることがあります。大人の場合は性器周辺に出ることもあり、その場合は性感染症としての注意が必要です。
症状
- 高熱(38.5度以上)が出て、全身の状態が悪い
- 呼吸が苦しい、意識がもうろうとする
- 患部から突然、激しい痛み・腫れ・赤みが広がる(重い細菌感染の可能性)
- ⚠ブツブツが急に腫れて、膿(うみ)が出る、痛みが強い
- ⚠赤みや熱感が周りに広がる(化膿性感染の疑い)
- ⚠目の周りやまぶたにできて、目が腫れぼったい、痛む
- ⚠自分で触った後に発熱や悪寒がある
一般的な症状
- 肌色〜真珠のような半透明の小さなブツブツ(1〜5ミリ程度)
- ブツブツの中央が少しくぼんで見える
- かゆみを伴うことがある
- 顔、首、わきの下、腕、脚、おなかなどに出やすい
子供の症状
- 顔、体幹(胸やおなか)、腕や脚にできやすい
- 引っかくと赤くなったり、かさぶたになったりする
- かゆみのせいで不機嫌になったり、眠りが浅くなったりすることがある
高齢者の症状
- 性器やその周辺、内ももにできることがある
- 大人では感染が広がりにくい一方、自然に治るまで時間がかかることがある
- 免疫力が低下している場合は、数が多くなったり、大きくなったりすることがある
原因
主な原因
- ポックスウイルスというウイルスの一種による感染
- 感染した肌と直接触れること
- タオル、衣服、遊具など感染した物を共有すること
- 引っかいた手で他の場所を触り、ウイルスを広げてしまうこと
リスク要因
- 子ども(特に免疫力が未熟な時期)
- アトピー性皮膚炎や湿疹があり、皮膚のバリアが弱っている
- 免疫力が低下している(病気や薬の影響など)
- プールやスポーツなどで肌が接触する機会が多い
- 家族や仲間内で感染が出ている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- ブツブツが化膿して、赤く腫れたり痛んだりするとき
- 目の周りや口の中など、気になる場所にできたとき
- 発熱や強いかゆみで日常生活に支障があるとき
- 大人の性器周辺にできたとき(性感染症の可能性の確認のため)
定期受診を予約すべき場合:
- 「これが水いぼかどうか」を確認したいとき
- 新しいブツブツが次々と増えているとき
- 6か月以上たっても消えない、またはかゆみが強いとき
- 家庭での対応に自信が持てないとき
診断
医師が皮膚の状態を目で見て診断するのが一般的です。水いぼに特徴的な「中央のくぼみ」を確認したり、大きさや色、場所をチェックします。
行われる可能性のある検査
- 特別な検査は必要ないことがほとんどです。
- 見た目ではっきりしない場合は、皮膚の一部を小さく取って顕微鏡で調べる皮膚生検(ひふせいけん)を行うことがあります。
- 大人の場合、性器周辺にあれば性感染症の検査が検討されることがあります。
診察で予想されること
診察室では、医師がブツブツを観察し、できた時期や広がり、かゆみの有無などを聞かれます。「感染から時間がたっているか」「触って広げた可能性はないか」などを尋ねられることもあります。診断は通常、数分で終わります。
治療
健康な子どもでは、治療をしなくても数か月から1年ほどで自然に消えることがよくあります。ただし、広がりが早い、かゆみが強い、人にうつす心配がある場合は、医師と相談して治療を選ぶこともあります。
自宅でのセルフケア
- 触ったり、つまんだり、引っかいたりしない(手でウイルスを広げる原因になります)。
- 石けんと水で手をよく洗い、爪は短く切りましょう。
- プールの後は、シャワーで体をよく洗い、清潔なタオルで拭きましょう。
- タオル、衣類、ヘルメット、体操着などの共用を避けましょう。
- ブツブツが服でこすれる場合は、医療用テープや包帯で覆うと摩擦を防げます。
医療治療
医療機関では、医師の判断のもとに行う処置として、凍結療法(液体窒素で冷やして取り除く)、電気乾固法(電気で焼く)、レーザー療法、あるいは内容物をピンセットで取り除く方法などが行われることがあります。他に、免疫の働きを助ける塗り薬や、ウイルスに作用する塗り薬を使う場合もありますが、これらはすべて医師の診察と処方が必要です。
手術が検討される場合
通常、手術が必要になることはありません。医師が「取ったほうがよい」と判断する場合は、外来で簡単な処置が行われることがあります。
この病気と共に生きる
水いぼは多くの場合、健康な範囲で自然に治ります。日常生活を大きく制限する必要はありません。ポイントは「うつさない」「広げない」ことです。プールや入浴は、水いぼを覆ったままにしたり、専用のタオルを使うなどして工夫すると安心です。
生活習慣のアドバイス
- 肌を清潔に保ち、爪を短く切る
- 患部を覆って、家族や友達への感染を防ぐ
- 運動や遊びは普通に楽しんでよいが、タオルや汗をふく物は共有しない
- 日々のスキンケアで保湿を心がける(皮膚のバリアを保つため)
食事と運動
特別な食事や運動制限はありません。バランスのよい食事、十分な睡眠をとり、免疫力を高く保つことが結果的に回復を助けます。激しい運動もかまいませんが、汗をかいたらすぐに拭き、シャワーを浴びるとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
水いぼは見た目が気になることがあり、特に学校や交友関係の中で「自分だけ何かある」と感じると、恥ずかしさや不安になることがあります。しかしこれは一時的なものであり、自然に消えることを理解しておくと安心です。必要なら医師に相談して治療や対処法を選ぶこともできます。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、感染を広げるリスクは減らせます。肌の接触を避ける、タオルや衣服の共用をしない、手洗いを徹底する、プールの後はしっかり体を洗うことが効果的です。水いぼがあるあいだは、レスリングなどの密着するスポーツを避けるのも一つの方法です。
ワクチン
水いぼに対する予防接種はありません。
検診プログラム
健康診断などで特別に調べる病気ではありません。ただし、保育園や学校で複数の子どもに広がっている場合は、保健室や学校医に相談してください。
合併症
治療しない場合
- かき壊して細菌が入ると、とびひ(膿痂疹)や蜂窩織炎などの化膿性の皮膚感染症になることがある
- 跡(瘢痕)や色素沈着が残ることがある
- 自分の体の他の場所にウイルスを広げてしまい、ブツブツが増えることがある
- 免疫力が低下している人では、感染が長引いたり、数が増えたりすることがある
長期的な見通し
大多数の人は、特別な治療をしなくても数か月から1〜2年以内に自然に消えます。また、医師の処置を受ければ、より早くきれいに治ることも多いです。合併症はまれで、あっても治療で良くなります。心配しすぎる必要はありません。
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最終更新: 2026年7月31日
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