Nephritic syndrome awareness
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ネフローゼ症候群は、腎臓(尿を作る臓器)のろ過のしくみ(糸球体)に炎症が起こり、尿にたんぱく質や血液が漏れ出す病気です。その結果、体がむくんだり、血圧が上がったりします。
重要な事実
- ネフローゼ症候群は、腎臓の小さな血管の集まり(糸球体)の炎症が原因です。
- 主な症状は、血尿(尿に血が混じる)、むくみ(特に顔や足)、高血圧です。
- 適切な治療で多くの場合、症状は改善しますが、慢性化することもあります。
ネフローゼ症候群は、子どもから大人まで発症しますが、頻度は高くありません。特定の感染症(溶連菌感染後など)や自己免疫疾患が原因となることがあります。
子ども(特に2~12歳)と若い成人に多く見られますが、高齢者でも発症することがあります。
症状
- 息苦しさや呼吸が苦しい
- 意識がもうろうとする
- 尿が全く出ない(24時間以上)
- 激しい頭痛や視力の低下(高血圧性脳症の可能性)
- ⚠急にむくみがひどくなった
- ⚠血尿が続く、または悪化する
- ⚠血圧が非常に高い(家庭で測定して180/110以上)
- ⚠吐き気や嘔吐がある
一般的な症状
- 血尿(尿が赤茶色やコーラ色に見える)
- むくみ(特に朝のまぶたや夕方の足首)
- 尿の量が減る
- 疲れやすさ
子供の症状
- 風邪やのどの痛みの後、1~2週間して突然、血尿やむくみが出ることがある
- おしっこの回数が減る、または泡立つ尿が出る
- 顔や手足のむくみに気づきやすい
高齢者の症状
- 高血圧やむくみが目立つ
- 急な体重増加(水分貯留のため)
- 倦怠感や食欲不振を訴えることが多い
原因
主な原因
- 感染症(特に溶連菌感染後の急性糸球体腎炎)
- IgA腎症(免疫グロブリンAという抗体が腎臓に沈着する)
- 全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患
- 血管炎(ANCA関連血管炎など)
- 特定の薬剤や感染症(B型肝炎、C型肝炎など)
リスク要因
- 過去に溶連菌感染(咽頭炎やとびひ)を起こしたことがある
- 家族に腎臓病の人がいる
- 糖尿病や高血圧などの基礎疾患がある
- 自己免疫疾患(関節リウマチなど)がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合はすぐに119番(救急車)を呼ぶか、救急外来を受診する
- 尿の量が急に減った、または全く出ない
- 息苦しさがある
定期受診を予約すべき場合:
- 尿の色が赤っぽい、または泡立つ
- 顔や足のむくみが気になる
- 健康診断で尿たんぱくや血尿を指摘された
- 血圧が高めである
診断
診断は、まず問診(症状や経過)と身体診察(むくみや血圧の確認)を行い、尿検査や血液検査で腎臓の炎症の程度を調べます。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(血尿、たんぱく尿の有無と量)
- 血液検査(腎機能(クレアチニン、eGFR)、補体価、抗ストレプトリジンO抗体など)
- 超音波検査(腎臓の大きさや形を調べる)
- 腎生検(腎臓の組織を針で採取し、顕微鏡で詳しく調べる確定診断のための検査)
診察で予想されること
診断には数日から1週間ほどかかることがあります。腎生検を行う場合は、入院が必要になることもあります。医師が症状や検査結果を総合的に判断して、治療方針を決めます。
治療
治療の主な目的は、炎症を抑え、腎臓の機能を守ることです。原因疾患や症状の重さによって治療法が異なります。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示に従い、塩分やたんぱく質の摂取を控える(むくみや高血圧を防ぐため)
- 十分な休息をとる
- 体重を毎日測定し、急な増加がないか確認する
- 血圧を定期的に測定する
医療治療
治療には、炎症を抑える薬(ステロイド薬など)、血圧を下げる薬(ACE阻害薬やARBなど)、免疫の働きを調整する薬(免疫抑制薬)が使われます。原因が感染症の場合は、抗菌薬が用いられることもあります。治療は医師の指導のもと、慎重に行われます。
手術が検討される場合
腎機能が著しく低下し、透析が必要になることはまれですが、進行した場合には透析や腎移植の検討が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
ネフローゼ症候群の管理には、定期的な通院と自己管理が重要です。症状が落ち着いていても、再発の可能性があるため、注意が必要です。
生活習慣のアドバイス
- 医師の指示に従い、塩分制限やたんぱく質制限を行う
- 適度な水分摂取を心がける(医師の指示に従う)
- 禁煙・節酒
- 血圧と体重を記録する
- 感染症予防のため、手洗いや予防接種を受ける(医師と相談)
食事と運動
食事は、塩分(1日6g未満を目標)とたんぱく質の量を医師と相談して調整します。むくみがあるときは水分制限が必要なこともあります。運動は、むくみや高血圧がひどくなければ、軽いウォーキングなどは可能ですが、医師に確認してください。
精神的健康と心の健康
慢性的な病気と向き合うことはストレスになります。不安や落ち込みを感じることは自然です。家族や友人、医師に気持ちを話すことが大切です。必要に応じて、カウンセラーや精神科医の支援も受けてください。
予防
すべてのネフローゼ症候群を予防することはできませんが、感染症の予防(手洗い、うがい、予防接種)や、糖尿病・高血圧の適切な管理がリスク低下につながります。また、市販の痛み止め(非ステロイド抗炎症薬)の乱用は腎臓に負担をかけるため注意が必要です。
ワクチン
インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなどの接種は、感染症による腎臓の悪化を防ぐために推奨されます。必ず医師と相談してから受けてください。
検診プログラム
健康診断の尿検査(尿たんぱく、尿潜血)や血圧測定が早期発見に役立ちます。年に1回は検査を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 腎機能の低下(慢性腎臓病の進行)
- 高血圧の悪化(心血管疾患のリスク増加)
- むくみがひどくなり、胸水や腹水がたまる
- 急性腎障害で透析が必要になることもある
長期的な見通し
早期に発見し、適切な治療を行えば、多くの場合、症状は改善します。急性期を乗り越えれば、腎機能は正常に戻ることもあります。ただし、慢性化するケースもあり、長期的な経過観察が必要です。医師と協力して、腎臓を守る生活を続けていきましょう。
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- 日本腎臓学会 · 日本
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月16日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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