骨髄炎(こつずいえん)とは? 症状・原因・治療・予防
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨髄炎は、骨の内部の柔らかい組織(骨髄)や骨の周囲に細菌が入り込んで感染・炎症を起こす病気です。骨が赤く腫れて痛みが出たり、発熱することがあります。
重要な事実
- 感染は血液を介して広がる場合と、傷口や手術などから直接骨に達する場合があります。
- 治療は通常、抗菌薬(抗生物質)を数週間~数か月間使う長期間の治療になります。
- 早期に発見して治療を始めれば、骨の破壊や重症化を防ぐことができます。
骨髄炎は比較的まれな病気ですが、骨折後の感染や糖尿病による足の潰瘍から起こることがあり、専門的な治療が必要です。
子どもから高齢者までどの年齢でもかかる可能性があります。特に、糖尿病、血液透析を受けている方、免疫力が低下している方、骨折の手術後、人工関節を入れた方、血流が悪い方はリスクが高まります。
症状
- 高熱とともに、がまんできない強い骨の痛みがある
- 意識がもうろうとする、または呼びかけに反応が弱い
- 呼吸が苦しい、または胸が痛む
- けいれんが起きる
- これらの症状があれば、すぐに119番で救急車を呼んでください。
- ⚠骨の痛みや腫れが数日続いて悪化している
- ⚠発熱が続く(38度前後)
- ⚠傷口から膿(うみ)や異臭のある液が出ている
- ⚠糖尿病などの持病があり、足の傷や色の変化に気づいた
- ⚠小さな傷でも、赤みが広がり熱を持っている
- ⚠これらの症状は当日中に医療機関を受診してください。
一般的な症状
- 骨の深いところにズキズキとした痛みを感じる(動かすと強くなる)
- 患部の皮膚が赤く腫れて、触ると熱を持つ
- 発熱や悪寒が続く
- 全身がだるく、疲れやすい
- 痛みでその部位を動かしにくい
子供の症状
- 手足の長い骨(太ももや腕の骨)のあたりを痛がる
- 歩きたがらない、またはかばって歩く
- 機嫌が悪く、泣きやすい
- 食欲がなくなる、元気がない
- 熱が続く
高齢者の症状
- 腰や背中に痛みが出ることが多い(背骨の感染)
- はっきりしない微熱や倦怠感が続く
- 急に動きが鈍くなる、転びやすくなる
- せん妄(意識が混迷する)のような状態が見られることもある
原因
主な原因
- 細菌(主に黄色ブドウ球菌)が骨の中で増殖して起こる
- 血流に乗った細菌が骨に到達する(血液感染)
- 開放骨折や手術の傷、深い刺し傷などから直接骨に細菌が入る
- 床ずれ(褥瘡)や糖尿病による足の潰瘍から骨へ感染が広がる
リスク要因
- 末梢動脈疾患(手足の血管が細くなり血流が悪くなる病気)
- 人工透析を受けている
- 免疫力が低下している(長期間ステロイド薬を使用、がん治療中など)
- 最近骨折した、骨の手術を受けた
- 人工関節などのインプラント(体内に埋め込む医療機器)を入れている
- 注射薬の使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 骨の痛みが急に激しくなり、動かせない
- 高熱とともに悪寒(さむけ)がある
- 患部の赤みや腫れが急速に広がっている
- 膿や異臭のある分泌物がある
- これらの症状が一つでもあれば、当日中に整形外科などを受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 骨の痛みや腫れがゆっくり続いている
- 微熱が続く
- 糖尿病などで足の感覚が鈍く、傷や変色に気づかないことがある
- 小さな傷がなかなか治らず、周りが赤い
診断
医療機関では、まずあなたの症状や病歴、最近のけがや手術の有無、持病の有無を詳しく伺います。そのうえで、血液検査や画像検査を行い、骨の炎症や感染の原因を調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(白血球の数や炎症反応CRPを調べる)
- 血液培養(細菌が血液中にいないか調べる)
- X線(レントゲン)検査(骨の変化を確認)
- MRI検査(骨や周囲の組織の炎症を詳しく映す)
- CT検査(骨の破壊や膿のたまりを評価)
- 骨生検(骨の組織を採取し、感染している細菌を突き止める)
診察で予想されること
最初に問診と診察を受け、必要に応じて採血やX線検査を行います。MRIやCTは数十分ほどかかります。骨生検は局所麻酔をして行うので、強い痛みはほとんどありません。結果が出るまで数日かかる場合がありますが、担当医が今後の治療方針を説明してくれます。
治療
骨髄炎の治療は、感染している細菌を除去し、骨の破壊を防ぐことを目的とします。通常は抗菌薬(抗生物質)を点滴や内服で数週間から数か月間使用します。膿がたまっている場合や骨が大きく壊されている場合は、手術が必要になることもあります。
自宅でのセルフケア
- 患部を安静にし、無理に動かさない
- 腫れている場合は、心臓より高い位置に上げて休む
- 処方された薬は、指示された時間と量を守って飲み切る
- 十分な水分と栄養をとり、体の回復を助ける
- 患部の皮膚を清潔に保ち、傷の状態に変化がないか観察する
医療治療
感染を抑えるため、抗菌薬(抗生物質)を点滴または内服で長期間使用します。治療中は血液検査などで効果を確認しながら進めます。痛みが強い場合には、炎症を抑え痛みを和らげる薬が処方されることもあります。薬の種類や投与方法は、感染の程度や原因となった細菌によって異なります。
手術が検討される場合
膿が骨の中にたまっている、感染が骨の広い範囲に広がっている、人工関節などの埋め込み物に感染が及んでいる、または抗菌薬だけでは改善しない場合には、外科的に膿を取り除いたり、壊れた骨を取り除いたりする手術が行われます。
この病気と共に生きる
治療が長引くこともありますが、その間も日常生活の質を保つことが大切です。痛みが強い時期は安静にし、症状が落ち着けば医師の指導のもとで少しずつ動かすようにしましょう。通院を続けて、状態を定期的にチェックしてもらいましょう。
生活習慣のアドバイス
- 喫煙をしている場合は禁煙を検討する(血流を悪くし回復を遅らせるため)
- 患部の皮膚を清潔に保ち、小さな傷も感染させないようにする
- 糖尿病の方は、血糖コントロールを継続する
- 床ずれを防ぐため、寝たきりの場合は定期的な体位変換を行う
食事と運動
骨の回復には、たんぱく質、カルシウム、ビタミンDを含むバランスのよい食事が役立ちます。運動は、医師や理学療法士の指導を受け、患部に負担をかけずに体力を維持できる範囲で行いましょう。ウォーキングや関節の曲げ伸ばしなどは、許可が出てから始めるのが安全です。
精神的健康と心の健康
長期間の治療と痛みが続くと、気分が落ち込んだり、不安になったりすることも自然なことです。つらい気持ちは一人で抱え込まず、担当医や看護師、家族、友人に話してみてください。必要に応じて、心のケアの専門家に相談することも選択肢の一つです。
予防
骨髄炎を完全に予防することはできませんが、感染のリスクを下げることはできます。けがをしたらすぐに傷口を清潔にして消毒し、異変があれば早めに医師の診察を受けましょう。糖尿病や血流が悪い方は、足を毎日観察し、小さな傷でも放置しないことが大切です。
ワクチン
骨髄炎そのものを防ぐワクチンはありません。ただし、インフルエンザや肺炎球菌などの予防接種は、他の感染症にかかるリスクを減らし、結果的に骨髄炎の予防につながる可能性があります。
検診プログラム
特別な集団検診はありません。ただし、糖尿病・透析・免疫力が低下している人では、皮膚の小さな感染症や潰瘍が骨に達することがあるため、定期的な診察と日ごろのセルフチェックが大切です。
合併症
治療しない場合
- 慢性の骨髄炎に進行し、根治が難しくなる
- 骨の破壊が進み、骨折しやすくなる
- 関節に感染が広がり、関節の機能が損なわれる
- 感染が血液中に広がり、敗血症(全身感染症)を起こす
- 重症の場合、患部の切断が必要になることがある
長期的な見通し
骨髄炎は、早く見つけて適切な治療を始めれば、多くの人が治る可能性があります。治療期間は長いときもありますが、あきらめずに治療を続け、医療者とこまめに相談することで、歩く機能や日常生活を取り戻すことができます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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