Otitis externa
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
外耳炎(がいじえん)は、耳の穴から鼓膜までの外耳道(がいじどう)という部分が炎症を起こす病気です。細菌やカビが原因で、耳の穴の中が赤く腫れたり、かゆくなったりします。多くは軽い症状ですが、適切にケアしないと痛みが強くなることがあります。
重要な事実
- 外耳炎は耳の穴の皮膚が炎症を起こす病気です。
- 水泳や耳掃除のしすぎが原因になることがあります。
- ほとんどの場合、点耳薬で治ります。
- 糖尿病の方や免疫力が弱い方は、重症化しやすいので注意が必要です。
外耳炎はよく見られる病気です。特に夏場の水泳シーズンに増えます。
子どもから大人まで誰でもかかります。水泳をする人や、耳掃除を頻繁にする人はリスクが高くなります。アトピー性皮膚炎や乾癬(かんせん)などの皮膚疾患がある方もかかりやすいです。
症状
- 耳の周りや首まで腫れが広がる
- 高熱が出る(38度以上)
- 激しい痛みで眠れない
- 顔の片側が動かしにくい、または麻痺する
- ⚠市販の痛み止めが効かないほどの痛みがある
- ⚠耳だれが血のように赤い、または悪臭がある
- ⚠3日以上症状が続く
- ⚠糖尿病や免疫力が低下する病気がある方で、症状が出た
一般的な症状
- 耳の穴の中がかゆい
- 耳を引っ張ったり、耳の穴の前の小さな出っ張り(耳珠:じしゅ)を押すと痛い
- 耳から透明や黄色っぱい液体が出る
- 耳が詰まった感じがする
- 少し聞こえにくい
子供の症状
- 子どもは痛みを言葉で伝えられないことがあります。耳を触る、泣く、機嫌が悪い、熱が出ることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者は症状が軽く感じられがちです。痛みよりも、耳だれや聞こえの悪さを訴えることが多いです。糖尿病の方は重症化しやすいので注意が必要です。
原因
主な原因
- 細菌(黄色ブドウ球菌など)やカビ(真菌)による感染
- 耳の穴の皮膚を傷つけること(綿棒での耳掃除など)
- 水泳やシャワーで耳の中が湿った状態が続く
リスク要因
- 頻繁な水泳や入浴(外耳道が湿る)
- 綿棒や耳かきで耳掃除をしすぎる
- 補聴器やイヤホンの長時間使用
- アトピー性皮膚炎、乾癬などの皮膚疾患
- 糖尿病や免疫抑制状態(ステロイド治療中など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい痛みがあり、耳を触れない
- 耳の周りが赤く腫れている
- 高熱がある
- 顔の麻痺やめまいが伴う
定期受診を予約すべき場合:
- 軽いかゆみや違和感があるが1~2日で治らない
- 耳だれが出ている
- 耳掃除をした後に症状が出た
- 補聴器を使っていて、耳の調子が悪い
診断
医師が問診と診察を行います。耳の穴の中を専用の器具(耳鏡:じきょう)で観察します。
行われる可能性のある検査
- 耳鏡または顕微鏡で外耳道の状態を見る
- 耳だれがある場合は、細菌やカビの検査(培養検査)をすることもあります
- 難聴が疑われる場合は、聴力検査を行うことがあります
診察で予想されること
診察中に耳の穴の中の汚れや耳垢(みみあか)を吸引してきれいにすることがあります。検査は痛みを伴いませんので、リラックスして受けてください。
治療
治療の中心は点耳薬です。炎症を抑える薬や感染を治す薬を耳の穴に数滴たらします。症状が重い場合は、腫れが強いと点耳薬が入りにくいため、ガーゼのようなものを外耳道に入れて薬をしみこませる方法(耳浴)をとることもあります。
自宅でのセルフケア
- 耳を濡らさない(シャワーの時は耳栓や濡らさないキャップを使う)
- 入浴や水泳は症状が治るまで控える
- 綿棒や耳かきで耳掃除をしない(症状を悪化させます)
- 痛みがある場合は冷たいタオルで耳の外側を冷やすと和らぐことがあります
医療治療
医師の処方による点耳薬を使用します。抗菌薬や抗真菌薬、ステロイドが含まれるものがあります。症状に合わせて選ばれます。重症の場合は経口薬や点滴が必要になることもありますが、それは稀です。自己判断で市販の点耳薬を使わないでください。
手術が検討される場合
非常にまれですが、炎症が骨や軟骨まで広がった場合(悪性外耳炎)は、手術が必要になることがあります。糖尿病の方などに起こりやすいので注意が必要です。
この病気と共に生きる
治療中は耳を乾燥した状態に保つことが大切です。洗髪や入浴時には耳栓やタオルで保護します。補聴器やイヤホンは治るまで使用を控えてください。
生活習慣のアドバイス
- 水泳は完全に治ってから再開する(医師の許可を得る)
- 耳掃除は控え、耳垢は自然に出るのを待つ
- 補聴器やイヤホンは清潔に保つ
- 糖尿病の方は血糖コントロールをしっかり行う
食事と運動
特に食事制限はありません。バランスの良い食事を心がけ、免疫力を落とさないようにしましょう。激しい運動で汗をかくと耳の中が湿るため、運動後は清潔なタオルで耳を拭いてください。
精神的健康と心の健康
耳の痛みや聞こえにくさが続くと、ストレスや不安を感じることがあります。症状が長引く場合は、医師に相談して適切な治療を受けてください。多くの場合は数日で改善します。
予防
はい、予防できることが多いです。耳の穴を傷つけない、濡れたままにしないことが基本です。
ワクチン
外耳炎に特化したワクチンはありませんが、インフルエンザなどの予防接種で全身の免疫力を保つことは間接的に役立ちます。
検診プログラム
特に定期的な検診の必要はありませんが、糖尿病の方は年に1回は耳のチェックを受けると安心です。
合併症
治療しない場合
- 慢性外耳炎(長く続く炎症)
- 鼓膜穿孔(こまくせんこう:鼓膜に穴があく)
- 悪性外耳炎(まれだが重篤:炎症が骨や神経に広がる)
- 伝音難聴(でんおん なんちょう:一時的な聞こえの低下)
長期的な見通し
ほとんどの外耳炎は適切な治療で1〜2週間以内に改善します。放置しても自然に治ることもありますが、早めに治療すれば痛みや不快感が早く和らぎます。重症化することはまれですが、糖尿病の方や高齢者は特に注意すれば安心です。適切なケアを続ければ再発も防げます。
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最終更新: 2026年7月9日
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