Paget disease of bone
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
パジェット病(骨パジェット病)は、骨の一部で新しい骨を作るスピードと古い骨を壊すスピードのバランスが乱れ、骨が異常に大きくなったり、形が変わる病気です。骨がもろくなりやすく、痛みや変形の原因になります。
重要な事実
- 多くの場合、症状がなく偶然見つかります。
- 骨の形が変わることで、脚の湾曲や頭蓋骨の肥厚などを起こすことがあります。
- 治療により症状の改善や進行の抑制が期待できます。
日本ではまれな病気ですが、欧米では高齢者に多く見られます。正確な有病率は不明です。
主に55歳以上の方に多く、年齢とともにリスクが高まります。男性や女性どちらにも起こりますが、やや男性に多いとされています。
症状
- 突然の強い骨の痛みや、少しの衝撃で骨が折れた場合(骨折の可能性)
- 意識を失ったり、呼吸が苦しくなった場合(まれに高カルシウム血症の可能性)
- 症状119番に電話し、救急車を呼んでください。
- ⚠骨の痛みが急に悪化したとき
- ⚠歩けなくなったり、脚に力が入らないとき
- ⚠聴力が急に低下したとき
一般的な症状
- 骨の痛み(特に腰、骨盤、頭蓋骨、脚の骨)
- 関節のこわばりや腫れ
- 骨の変形(脚の湾曲、頭蓋骨の大きくなる)
- 骨折しやすくなる
- 聴力低下(頭蓋骨の病変による)
子供の症状
- 小児では非常にまれですが、まれに若年性のパジェット病があり、骨の成長障害や痛みが見られます。
高齢者の症状
- 高齢者では股関節や膝の痛みが目立ち、歩行障害につながることがあります。
- 骨の変形が進行し、身長が減少することもあります。
- 聴力低下や歯の問題が生じることもあります。
原因
主な原因
- 原因ははっきりわかっていません。ウイルス感染や遺伝的な要因が関係していると考えられています。
リスク要因
- 年齢(高齢になるほどリスクが上がります)
- 家族歴(親族にパジェット病の方がいる場合)
- 特定の遺伝子の変化
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 骨の痛みが突然強くなり、動けなくなったとき
- 骨折が疑われるとき
定期受診を予約すべき場合:
- 長く続く骨の痛みや関節の痛みがあるとき
- 脚が曲がってきた、頭蓋骨が大きくなったと感じるとき
- 聴力の低下や歯並びの変化に気づいたとき
診断
診断は、まず問診と身体診察を行い、その後画像検査と血液検査で確認します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(特にALPという骨の代謝を示す値を調べます)
- X線検査(骨の変形や厚みを確認)
- 骨シンチグラフィ(放射性物質を使って全身の骨の活動を調べる検査)
- CTやMRI(詳しい骨の状態を知るために行うことも)
診察で予想されること
診断のために血液検査やX線検査などが行われます。痛みを伴う検査はほとんどありません。骨シンチグラフィでは静脈から薬を注射しますが、痛みはありません。結果は数日~数週間でわかります。
治療
治療の目的は、骨の痛みを和らげ、変形や骨折を防ぎ、生活の質を保つことです。症状がない場合は経過観察のみの場合もあります。
自宅でのセルフケア
- 痛みがあるときは安静にし、無理な動きを避ける
- バランスの良い食事をとる(特にカルシウムとビタミンDを十分に)
- 転倒を防ぐため、家の中の障害物を取り除く
医療治療
薬物療法としては、骨の壊れるスピードを抑える薬(ビスホスホネート系薬剤など)が使われます。これらの薬は医師の指示のもと、定期的に経口または注射で投与されます。また、痛みに対してはアセトアミノフェンなどの鎮痛薬が使用されることもありますが、具体的な薬名や用量については医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
骨の変形が強く、日常生活に支障をきたす場合や、関節の損傷(変形性関節症)が進行した場合、骨折のリスクが高い場合などには、手術が検討されることがあります。例えば、股関節や膝関節の置換術、骨のゆがみを矯正する手術などです。
この病気と共に生きる
パジェット病とともに生活するには、定期的な通院と医師の指示を守ることが大切です。痛みや変形に合わせて生活動作を調整し、転倒を防ぐ工夫をしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 無理のない範囲で運動を続ける(ウォーキングや水中運動など)
- 筋力を維持し、関節を守るためにリハビリを行う
- 補聴器や装具が必要な場合は早めに相談する
食事と運動
カルシウムとビタミンDを十分に含む食事(牛乳、小魚、緑黄色野菜など)を心がけましょう。日光浴もビタミンD合成に役立ちますが、過度な紫外線対策も忘れずに。運動は医師と相談し、骨に過度な負担がかからないものを選びましょう。
精神的健康と心の健康
慢性的な痛みや体の変化により、気分が落ち込んだり不安を感じることがあるかもしれません。そうした気持ちは自然なことです。必要なら医師やカウンセラーに相談し、家族や友人にも理解を求めましょう。
予防
現時点ではパジェット病を完全に予防する方法はわかっていません。しかし、早期発見と適切な治療で合併症を予防することは可能です。定期的な健康診断や、気になる症状があれば早めに受診しましょう。
検診プログラム
一般の人へのスクリーニング検査は推奨されていません。ただし、家族にパジェット病の方がいる場合は医師に相談するとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- 骨の変形が進行し、脚の湾曲や頭蓋骨の変形が目立つようになる
- 骨折のリスクが高まる
- 関節炎(特に股関節や膝)による慢性的な痛み
- 聴力の低下や難聴
- まれに骨肉腫(悪性の骨腫瘍)のリスクがわずかに上昇する
長期的な見通し
パジェット病は適切に治療すれば、多くの場合症状は改善し、進行を抑えることができます。治療によって痛みが和らぎ、骨折や変形のリスクも減らせます。長い目で見て、医師と協力しながら管理していくことで、普段の生活を大きく変えることなく過ごせる方がほとんどです。
サポートを探す
地域の団体
- 厚生労働省 難病情報センター ↗ · 日本全国
相談窓口
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月9日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。