動悸の合併症サインに気づく – 心臓と循環の基礎知識
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
動悸とは、自分の心臓の鼓動がふだんより強く、速く、または不規則に感じられることです。多くの場合は一時的で心配いりませんが、中には心臓のリズムや循環に問題のサインである場合もあります。この記事では、動悸を経験したときに知っておきたい合併症のサインと、受診の目安を解説します。
重要な事実
- 動悸はとても一般的な症状で、多くの人が一度は経験します。
- ほとんどの動悸は一時的で命に関わりません。
- ただし、失神・強い胸の痛み・息苦しさを伴う場合は緊急対応が必要です。
- 不整脈が続くと、脳卒中や心不全のリスクが高まることがあります。
- 動悸の原因は心臓だけではなく、ストレス・貧血・甲状腺の影響なども考えられます。
はい。動悸は外来を受診する理由としてよくある症状の一つです。すべての年代でみられますが、特に40代以降の女性や高齢者に多く報告されています。
動悸は子どもから高齢者まで、誰にでも起こり得ます。心臓の病気がある方、高血圧・糖尿病など持病がある方、妊娠中・更年期の女性、強いストレスを抱える方にみられやすい傾向があります。
症状
- 動悸とともに、強い胸の痛みや圧迫感がある
- 意識を失いそうになる、または実際に失神した
- 呼吸が苦しくて横になっていられない
- 冷や汗が出て、ぐったりしている
- このような場合は、ためらわずに119番へ電話してください。
- ⚠動悸が長く続く(数十分以上)
- ⚠動悸を繰り返す
- ⚠めまい・ふらつき・立ちくらみを伴う
- ⚠胸の違和感がとれない
- ⚠血圧が高い・低いなど持病がある方は、同じ日または翌日に受診してください
一般的な症状
- 心臓がドキドキする、バクバクする
- 脈が飛ぶ、止まる感じがする
- 心臓が一時的に速く打つ
- 胸が軽く締め付けられる感じ
- 動悸と同時に息が少し苦しい
子供の症状
- 走ったあとや興奮したときに心臓が速くなる(多くは正常)
- 急に心臓が飛び跳ねるように感じる
- 顔色が青白くなる
- ひどくぐったりする、遊びたがらない
- 訴えをうまく言葉にできない場合は、不機嫌や食欲低下として現れることも
高齢者の症状
- 動悸に加えて、めまいやふらつきを感じやすい
- 脈が不規則で、数が非常に多いまたは少ない
- 少し動いただけでも息切れする
- 胸の違和感が長く続く
- 失神や転倒の前触れとして動悸が現れることがある
原因
主な原因
- 運動や興奮、緊張による生理的な反応
- ストレスや不安、パニック発作
- カフェイン・アルコール・たばこの取りすぎ
- 貧血や甲状腺の病気
- 発熱や脱水、睡眠不足
- 不整脈(心房細動、期外収縮、頻脈など)
- 心臓病(弁の異常、心筋症、狭心症など)
- 薬の影響や電解質(カリウムなど)の乱れ
リスク要因
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症・心臓病の既往
- 喫煙・過度の飲酒
- 慢性的な睡眠不足・過労
- 強いストレスや不安
- 妊娠・閉経に伴うホルモン変化
- 心臓病の家族歴
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 動悸に失神・強い胸痛・息苦しさを伴う場合(緊急外来へ)
- 脈が非常に速い、または不規則で止まらず、動けなくなる場合
- 横になっても症状が改善しない場合
定期受診を予約すべき場合:
- 動悸を繰り返す、日によって変わる
- 安静時にも動悸を感じる
- 健康診断で脈の異常や心電図の異常を指摘された
- 家族に心臓病や若くして亡くなった方がいる
診断
医師はまず、どのようなときに動悸が起こるのか、どのくらい続くのか、ほかの症状があるかを詳しく聞きます。そのうえで、心電図や血液検査などを行い、心臓の状態を調べます。
行われる可能性のある検査
- 心電図(12誘導心電図)
- ホルター心電図(24時間以上、携帯型記録計で心電図を記録)
- 心エコー検査(超音波で心臓の形や動きを調べる)
- 血液検査(貧血や甲状腺、電解質の異常を調べる)
- 運動負荷検査(必要に応じて、運動中に心電図を記録)
- 症状によっては、心臓の電気現象を詳しく調べる電気生理学的検査など
診察で予想されること
動悸の検査は、多くは外来で行われ、痛みを伴うものはほとんどありません。ホルター心電図をつける間は、普段どおりの生活をして、症状が出た時刻や様子を記録します。原因によっては、生活習慣の工夫だけで改善することもあります。
治療
動悸の治療は、原因となる病気や日常生活の要因を整えることが中心です。良性の動悸であれば、経過観察と生活習慣の見直しで十分なことが多いです。原因となる不整脈や心臓病が見つかった場合は、医師と相談しながら治療方針を決めます。
自宅でのセルフケア
- カフェイン・アルコール・たばこを控える
- 睡眠を十分にとり、疲れをためない
- ストレスを一人で抱え込まず、深呼吸やリラックス法を取り入れる
- 急に立ち上がる動作を避け、ゆっくり動く
- 動悸を感じたら、無理をせず座ったり横になったりして安静にする
- 症状や発作の記録をつけて、受診時に伝える
医療治療
治療は原因によって異なります。貧血や甲状腺の病気、電解質の異常などが原因なら、その病気の治療を行います。不整脈に対しては、薬で心臓のリズムを整える治療や、心臓の異常な電気信号を焼灼するカテーテルアブレーション、必要に応じてペースメーカーなどが検討されます。具体的な薬や処置については、担当医があなたの状態に合わせて説明します。
手術が検討される場合
動悸の多くに手術は必要ありません。ただし、心臓弁膜症や冠動脈疾患など、外科的治療が適応となる心臓病が見つかった場合には、心臓血管外科の医師と相談のうえで手術が検討されます。
この病気と共に生きる
動悸は「よくある症状」としては理解しつつも、気になる場合は記録をつけると安心です。発作の時間、きっかけ、脈の速さ、ほかの症状をメモしておくと、医師との相談もスムーズになります。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活リズムを心がける
- 有酸素運動を無理のない範囲で続ける
- 入浴はぬるめのお湯で、のぼせに注意する
- 過度なダイエットや暴飲暴食を避ける
- 趣味や人との交流でストレスを発散する
食事と運動
塩分のとりすぎに注意し、野菜や果物、魚を中心としたバランスのよい食事を心がけましょう。運動は、ウォーキングや軽いサイクリングなど、息がはずむ程度の有酸素運動がおすすめです。ただし、心臓病と診断されている方は、運動の種類や強度について医師に確認してください。
精神的健康と心の健康
動悸が続くと、「また発作が起きるのでは」という不安が強くなることがあります。過度な不安は、さらに動悸を引き起こすことがあるので、リラックスする時間をつくることが大切です。つらいときは、ひとりで抱えず、医療機関や相談窓口に話を聞いてもらいましょう。
予防
すべての動悸を予防することはできませんが、生活習慣を整えることで多くの動悸は減らせます。特に、ストレス管理・十分な睡眠・適度な運動・飲酒やカフェインのとりすぎに注意することが大切です。
ワクチン
動悸を直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
定期的な健康診断や心電図検査を受けることで、動悸の背景にある心臓の異常を早期に見つけることができます。
合併症
治療しない場合
- 心房細動などの不整脈が続くと、心臓の中に血の塊ができやすくなり、脳卒中(脳梗塞)のリスクが高くなります。
- 動悸のもとになっている頻脈が長く続くと、心臓に負担がかかり心不全を引き起こすことがあります。
- 脈が極端に遅くなる、または止まりかけることで、失神や転倒によるけがをすることがあります。
- 突然の意識消失や、まれに命に関わる不整脈を起こすこともあります。
長期的な見通し
動悸の原因の多くは良性で、適切な評価と生活習慣の改善で症状は良くなります。心臓の病気が原因であっても、早めに受診して治療を始めれば、脳卒中や心不全などの合併症を大きく減らせます。決して放置せず、気になる症状があれば医師に相談しましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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