妊娠中の動悸
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
動悸とは、心臓がドキドキする、脈が飛ぶ、心臓が一瞬止まったように感じるなど、心臓の拍動をいつもより強く感じることをいいます。妊娠中は血液の量が増え、心臓がより多くの血液を全身に送るため、心臓の働きが活発になります。そのため、多くの妊婦さんが動悸を感じます。ほとんどの場合は正常な変化ですが、まれに注意が必要な心臓や血管の病気が隠れていることもあります。
重要な事実
- 妊娠中は心拍数が1分間に10〜20回ほど増えることがあります。
- 多くの動悸は一時的で、心配のいらないものです。
- 胸痛、失神、激しい息苦しさを伴う場合はすぐに119番へ連絡してください。
はい、とてもよく見られる症状です。約10人に3〜5人の妊婦さんが何らかの動悸を経験するといわれています。
妊娠中の女性であれば誰でも経験する可能性があります。特に妊娠後期(妊娠7〜10か月)は血液量が最も増えるため、動悸を感じやすくなります。
症状
- 胸の強い痛みや圧迫感がある
- 失神して意識を失った
- 激しい息苦しさや呼吸困難がある
- 動悸と一緒に激しい頭痛や視界の異常がある
- 突然、症状が悪化している
- ⚠動悸が数分以上続く
- ⚠めまいや立ちくらみを伴う
- ⚠安静にしても治まらない
- ⚠妊娠中に初めて強い動悸を感じる
一般的な症状
- 心臓がドキドキする
- 脈が速くなる
- 脈が飛ぶ感じがする
- 心臓が一瞬止まったように感じる
- 安静にしていても脈が速い
子供の症状
- このテーマは妊婦さんに関するものなので、子どもには該当しません。
高齢者の症状
- 妊娠は成人女性に限られるため、高齢者には該当しません。
原因
主な原因
- 妊娠による血液量の増加(妊娠中は血液量が約1.5倍に増えます)
- ホルモンの変化
- 貧血(血液中の酸素を運ぶ赤血球やヘモグロビンが不足すること)
- 甲状腺の病気(甲状腺ホルモンが過剰になることで心拍が速くなる)
- カフェインの摂りすぎ
- ストレスや不安
- 不整脈(心臓のリズムが乱れること)
リスク要因
- 妊娠前に心臓の病気や不整脈があった
- 貧血がある
- 双子以上の妊娠
- カフェインを多く摂取する
- 睡眠不足やストレスが多い
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の痛み、意識を失う、激しい息苦しさがある
- 安静にしても動悸が長く続く
- 動悸とともにめまいで立てない
定期受診を予約すべき場合:
- 動悸が週に何度も起こる
- 動悸が気になって夜眠れない
- 妊娠前にはなかった症状で心配になった
診断
まず医師が詳しく話を聞き、血圧や脈を測ります。必要に応じて心電図や血液検査などを行い、原因を調べます。妊娠中でも体に負担の少ない検査が選ばれます。
行われる可能性のある検査
- 心電図(心臓の電気的な活動を記録する検査)
- ホルター心電図(24時間携帯して日常生活の心拍を記録する検査)
- 血液検査(貧血や甲状腺の働きを調べる検査)
- 心エコー図(超音波で心臓の動きや形を確認する検査)
診察で予想されること
検査は痛みや負担が少ないものがほとんどです。検査結果を聞くまで不安かもしれませんが、医師が妊娠中に必要な説明を丁寧にしてくれます。
治療
治療は原因によって異なります。正常な妊娠の変化が原因なら、生活の工夫で改善することが多いです。貧血や甲状腺の病気、不整脈などが原因の場合は、それぞれに合わせた治療を行います。
自宅でのセルフケア
- コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどカフェインを含む飲み物を控える
- 十分な休息と睡眠をとる
- 急に立ち上がらず、動作をゆっくりにする
- 深呼吸やストレッチでリラックスする
- 水分をこまめに摂る
医療治療
原因に応じて、医師が妊娠中に安全な治療方法を提案します。例えば、貧血には鉄分の補充、甲状腺の病気にはホルモンバランスを整える治療、不整脈には心臓のリズムを整えるお薬が検討されることがあります。ただし、薬の種類や量は医師が慎重に決めるため、自己判断で市販の薬を飲むことは絶対にしないでください。
手術が検討される場合
妊娠中に不整脈の手術が必要になることはまれですが、お薬で改善しない重度の不整脈がある場合は、専門の施設で治療が検討されます。
この病気と共に生きる
妊娠中は体が大きく変化します。動悸を感じても、まずは落ち着いて脈を確認し、深呼吸をしましょう。症状が続く場合や、普段と違う感じがあるときは医師に伝えてください。
生活習慣のアドバイス
- 無理をせず、疲れたら休む
- 睡眠時間をしっかり確保する
- カフェインを控える
- ストレスをため込まない
- 規則正しい生活を心がける
食事と運動
鉄分や葉酸などの栄養をバランスよく含む食事を心がけましょう。運動は医師に相談した上で、無理のない範囲で散歩などの軽い運動を行うと血流がよくなり、症状の改善に役立つことがあります。
精神的健康と心の健康
突然の動悸は不安を感じやすく、不安が強くなるとさらに動悸がひどくなることもあります。心配ごとや不安があれば、助産師や医師に話してください。
予防
すべての動悸を予防できるわけではありませんが、妊娠中の健康管理によって大きな問題は避けられます。カフェインを取りすぎず、バランスの良い食事と十分な休息を心がけましょう。
検診プログラム
妊娠中の定期健診で血圧や尿検査などが行われます。動悸が気になる場合は、早めに心電図検査などを受け、心臓の状態を確認しておくと安心です。
合併症
治療しない場合
- まれに重大な不整脈(心臓が危険なリズムになること)が隠れている場合、治療せずに放置すると母体に危険が及ぶことがあります
- 動悸が原因の病気(重度の貧血や甲状腺機能亢進症など)が進行すると、疲れやすさや息切れなどが強くなることがあります
長期的な見通し
ほとんどの妊娠中の動悸は一時的なもので、出産後には妊娠前の状態に戻ります。心臓に基礎疾患がある方でも、適切な医療やケアを受けながら出産を迎えている方はたくさんいます。不安はありますが、決してひとりで抱え込まず、医療者と一緒に進めていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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