膵臓と家族の暮らし
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
膵臓(すいぞう)は、胃の後ろにある細長い臓器で、食べ物を消化するための膵液と、血糖値を調整するインスリンというホルモンを作っています。膵臓の病気になると、食べることや生活のさまざまな場面に影響が出るため、本人だけでなく、家族の暮らしにも関わりが深い病気です。このページでは、膵臓の病気の症状や治療、家族の支え方について、わかりやすく説明します。もし突然の激しい痛みや意識の変化がある場合は、ためらわずに119番へ連絡してください。
重要な事実
- 膵臓は、消化と血糖値の調整という大切な役割を担っています。
- 代表的な病気には、急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がんなどがあります。
- 気になる症状が続く場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
膵臓の病気は、胃や腸の病気に比べると頻度は多くありませんが、高齢になるにつれて増える傾向があります。急性膵炎は働き盛りの方にも見られます。
膵臓の病気は大人に多く、特に慢性膵炎は30~50歳の男性に多いとされています。膵臓がんは60歳以上の高齢者に多いですが、どの年齢でも発症する可能性があります。
症状
- 突然の激しい腹痛
- 38度以上の高熱
- 嘔吐が続いて水も飲めない
- 意識がもうろうとする
- ⚠皮膚や目に黄色みがある
- ⚠みぞおちの痛みが数日続く
- ⚠食事がとれず、体重が減ってきた
一般的な症状
- みぞおちや背中の痛み
- 吐き気や嘔吐
- 食欲がない
- 体重が減る
- 皮膚や目が黄色くなる(黄疸)
- 便が脂っぽくなる
子供の症状
- おなかや背中の痛み
- 吐き気や嘔吐
- 食欲がなく、体重が増えない
高齢者の症状
- 疲れやすい
- 食欲がなくなる
- 体重が減る
- 皮膚や目に黄色みが出る
原因
主な原因
- 胆石(たんせき)が膵液の出口をふさぐ
- アルコールの飲み過ぎ
- たばこ(喫煙)
- ウイルス感染
- 膵臓に腫瘍(しゅよう)ができる
- 原因が特定できない場合もある
リスク要因
- お酒をたくさん飲む
- たばこを吸う
- 家族に膵臓がんの人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい腹痛がある
- 皮膚や目が黄色い
- 高熱が出ている
- 繰り返し吐く
定期受診を予約すべき場合:
- みぞおちや背中の痛みが1週間以上続く
- 食欲がない、体重が減る
- 便の色が白っぽい
- 疲れやすく、だるさが続く
診断
診断は、医師の診察と、血液検査や画像検査を組み合わせて行います。膵臓は体の深い場所にあるため、画像検査が特に重要です。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(膵臓から出る酵素や腫瘍マーカーを調べます)
- 腹部超音波検査(おなかの上から超音波を当てて、膵臓の形や異常を見ます)
- CT検査(X線を使って体の断層画像を作り、細かい部分まで調べます)
- MRI検査(磁気を使って詳細な画像を作ります)
- 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(口から内視鏡を入れ、膵管や胆管を観察します)
- 超音波内視鏡検査(内視鏡の先から超音波を出して、膵臓をより詳しく見ます)
- 生検(組織の一部を採取して、顕微鏡で調べます)
診察で予想されること
検査には時間がかかるものもあります。内視鏡や生検は負担を感じることもありますが、検査の説明を十分に受けた上で進められます。結果に基づいて、医師が今後の治療方針を説明します。
治療
治療は、病気の種類や進行度、症状によって異なります。急性膵炎では、入院して膵臓を休めるために絶食(食事をとらないこと)をし、点滴で水分や栄養を補います。慢性膵炎では、痛みや消化不良を和らげ、進行を遅らせることが中心です。膵臓がんでは、手術や化学療法(抗がん剤を使う治療)、放射線療法などが検討されます。
自宅でのセルフケア
- お酒を完全にやめる
- たばこをやめる
- 食べ過ぎないようにする
- 医師や栄養士のアドバイスに従い、脂肪分を控える
- 疲れたときは十分に休む
医療治療
薬による治療では、痛みを和らげる薬、吐き気を止める薬、消化を助ける薬などが使われます。どの薬をどんな組み合わせで使うかは、医師が症状や検査結果に基づいて決めます。現在飲んでいる薬があれば、必ず医師に伝えましょう。
手術が検討される場合
胆石が原因の場合は、胆のうや胆管の手術が検討されます。膵臓がんが早期で他に転移がない場合は、がんを取り除く手術が行われることがあります。手術が受けられるかどうかは、がんの進行度や本人の体力などを考慮して専門医が判断します。
この病気と共に生きる
膵臓の病気があると、食事の管理や定期的な通院が必要になります。家族は、食事の準備や通院の付き添いなど、できる範囲で支えましょう。本人の気持ちを大切にしながら、無理のない生活のペースを作ることが家族の支えになります。
生活習慣のアドバイス
- 脂肪の多い食事や加工食品を控える
- 飲酒をやめる
- 禁煙する
- 痛みや疲れのない時間に軽い運動をする
- ストレスはため込まずに話す
食事と運動
消化に負担をかけないために、やわらかく調理した食品を選び、規則正しく食べましょう。運動は、ウォーキングやストレッチなどから始めるのが無理がありません。食事について詳しく知りたいときは、医師や管理栄養士に相談するのが確実です。
精神的健康と心の健康
膵臓の病気は、不安や落ち込みを感じやすいものです。しょんぼりすることがあっても、それは自然な気持ちです。家族や友人に話すだけでも気持ちが楽になります。眠れない、憂うつな気分が続くときは、医療機関に相談しましょう。
予防
すべての膵臓の病気を予防できるわけではありません。しかし、お酒を控える、たばこをやめる、バランスのよい食事と適度な運動を続けることで、リスクを下げることができます。
ワクチン
膵臓の病気を直接予防するワクチンはありません。感染症がきっかけになることもあるため、一般的なワクチン接種については医師と相談しましょう。
検診プログラム
健康診断では膵臓の詳しい検査は行われないことが一般的です。家族歴や持病がある方は、定期的に医師に相談し、必要な検査について確認しましょう。
合併症
治療しない場合
- 急性膵炎が重症化すると、膵臓の組織が壊死(えし)することがある
- おなかの中に膵液の袋(のう胞)ができることがある
- 糖尿病が悪化したり、新たに発症したりする
- 食べ物がうまく消化されず、栄養不足になる
- がんが周りの臓器に広がる可能性がある
長期的な見通し
膵臓の病気は重いイメージを持たれることがありますが、近年は治療の技術や薬が進歩しています。早期に適切な治療を受ければ、症状を抑えながら長く安定した生活を送ることも可能です。家族の支えとともに、医師と相談しながら、前を向いて治療を続けることが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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