膵臓(すいぞう)の基礎知識 ~働きと病気のサイン~
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
膵臓(すいぞう)は、おなかの奥、胃の後ろにある、長さ約15センチの器官です。食べ物を消化するための「膵液」と、血糖値を調整する「インスリン」などのホルモンを作る、とても大切な働きをしています。この記事では、膵臓の役割と、膵臓の病気のサインについて、わかりやすく説明します。
重要な事実
- 膵液という消化液を出して、食べ物の消化を助けています。
- インスリンを作り出し、血液中の糖の量を一定に保っています。
- 膵臓の病気(膵炎や膵臓がんなど)は、初期には症状が出にくいことがあります。
膵臓の病気は決して珍しくありません。特に慢性膵炎や膵臓がんは、日本でも多く見られる病気の一つです。
膵臓の病気は、40歳以上の人に多く見られます。アルコールを多く飲む人、たばこを吸う人、糖尿病や肥満のある人は、より注意が必要です。
症状
- 突然の激しいおなかの痛み(我慢できないほど)
- 痛みが背中に広がる
- 意識がもうろうとする
- 呼吸が苦しい
- ⚠黄疸(皮膚や白目が黄色い)
- ⚠吐き気や嘔吐が止まらない
- ⚠発熱が続く
- ⚠便の色が白っぽくなる
一般的な症状
- みぞおちや背中の痛み(おなかの上のほうの痛み)
- 吐き気・嘔吐
- 食欲の低下
- 体重減少
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
原因
主な原因
- アルコールの飲みすぎ(急性・慢性膵炎の原因になります)
- 胆石(胆汁の通り道に石ができると膵臓にも影響します)
- ウイルス感染
- 自己免疫の異常(免疫が自分の膵臓を攻撃してしまう)
- 膵臓がんは原因がはっきりしないことが多い
リスク要因
- 多量の飲酒
- 膵臓がんの家族歴
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 黄疸がある
- 我慢できないほどのおなかや背中の痛みがある
- 吐き気や嘔吐が続いて、水分もとれない
定期受診を予約すべき場合:
- みぞおちの痛みや背中の痛みが続く
- 食欲低下や体重減少が気になる
- 健康診断で膵臓に関わる値の異常を指摘された
診断
膵臓の病気の診断では、血液検査や画像検査を行います。膵臓はおなかの深い場所にあるため、詳しい検査が必要なこともあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(膵酵素や血糖値などを調べます)
- 腹部超音波(エコー)検査
- CT(コンピューター断層撮影)検査
- MRI(磁気共鳴画像)検査
- 内視鏡を使った検査(必要に応じて)
診察で予想されること
検査は通常、外来で受けられます。痛みを伴う検査もありますが、医師や看護師が説明を行い、負担をやわらげるよう配慮します。不安な点があれば事前に質問しましょう。
治療
膵臓の病気の治療は、原因や重症度によって異なります。急性膵炎では入院が必要なこともあります。慢性膵炎では生活習慣の改善と薬による治療が中心で、膵臓がんでは手術や化学療法(抗がん剤)などが検討されます。
自宅でのセルフケア
- アルコールを控える(できればやめる)
- たばこをやめる
- 脂っこい食事を避ける
- 食べ過ぎない、ゆっくりよく噛んで食べる
- 医師の指示に従って運動や体重管理を行う
医療治療
薬物治療としては、消化を助ける薬、痛みを和らげる薬、血糖値を調整する薬などが使われます。いずれも医師の処方のもとで行われます。また、栄養補給が必要な場合には、点滴や栄養療法が行われることもあります。
手術が検討される場合
膵臓がんや重い膵炎などでは、手術が検討されることがあります。病気の進行度や体の状態を見て、医師が手術の利点とリスクを説明したうえで決まります。
この病気と共に生きる
膵臓の病気とともに生きるには、定期的に医療機関を受診し、医師の指示に従うことが何より大切です。体調の変化を記録しておくと、相談もしやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 節酒・禁酒
- バランスのよい食事
- ストレスをためない
- 適度な運動
食事と運動
食事は、消化のよいものを1日3食、規則正しくとりましょう。脂質の多い食事は膵臓への負担になるため控えめに。運動は、ウォーキングなど軽いものから始めて、医師に相談しながら継続してください。
精神的健康と心の健康
慢性の病気では、不安やうつ状態になることがあります。気分の落ち込みやつらい気持ちがある場合は、遠慮なく医師や看護師に話しましょう。心療内科や精神科の支援も役立ちます。
予防
膵臓の病気を完全に予防することはできませんが、アルコールを控え、禁煙し、バランスのよい食事をとることで、リスクを減らせる場合があります。厚生労働省も、健康的な生活習慣を推奨しています。
合併症
治療しない場合
- 急性膵炎の重症化(多臓器不全など命に関わることがある)
- 慢性膵炎による消化吸収障害や糖尿病
- 膵臓がんの進行(治療が難しくなる)
長期的な見通し
膵臓の病気は、早期に発見して適切な治療を行えば、多くの場合で症状の改善や進行の抑制が期待できます。治療法も進歩しているため、あきらめずに医療チームと一緒に進めていきましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。